大人の学び直し英語におすすめの教材があります。それはズバリ、大学受験の参考書です。
「いやいや、いい大人が受験の参考書って…」と思われるかもしれませんが、じつは受験生向けに書かれている英語の本はかなり充実していまして、これを英語学習に使わないのはもったいない!
というわけで、実際に僕も学び直し英語で使ってきた参考書や問題集についてくわしく紹介していきます。
大人の英語学習で受験の参考書を使える・使うべき理由
「もう立派な社会人なのに受験参考書って…」と思ったそこのあなた。いますぐその考えを捨てましょう。
いや、じつをいうとその気持はよくわかるんですよ。大人が学ぶ英語ってビジネスで必要なことがほとんどだから、「受験用の英語で勉強すべし!」っていわれても、なんか使い物にならなそうですもんね。僕も最初はそうでした。
でも、「大学受験用の本だから、大人が読むべきじゃない」といって、英語学習の選択肢から除外してしまうのは、非常にもったいないと僕は思います。
なぜなら、大学受験用の本はいろんな意味で充実しているからです。
具体的なメリットとしては、
- ・わかりやすい説明が多い
- ・とにかく安い
という点が挙げられます。
受験参考書の解説がわかりやすい理由
「わかりやすい説明が多い」というのは、大学受験向けの参考書の多くが予備校講師によって書かれていることが大きな要因です。教えることのプロが書いているので、そりゃわかりやすいわけです。
実際に予備校の先生が書いた本を読んでみるとわかりますが、すごい解説が丁寧なんですよね。
これまでの経験をふまえて、受験生がどんなところでつまずいてきたのかが詳細に分析されてたりするので、そこをフォローする解説が手厚くて救われたりします。
あと、大前提として学生向けに難しい参考書をつくっても基本的に売れるわけがないので、全体の傾向としてやさしいレベルの参考書が揃いやすいという事情もあります。
価格が安さに驚くばかり
受験用の英語教材は1冊あたりの値段が安いというメリットも兼ね備えています。
やはり学生向けということで、値段を落としているんだろうと思われます。
大人が買うだろうと想定されている英語の本は、だいたい1,500円前後が相場です。高い本だと2,000円を超えたりします。
一方の受験参考書は、英単語帳だと1,000円程度。ちょっと分厚い英語の文法書でも1,300円くらいで買えたりします。
ちょっと伝わりづらいかもしれませんが、本屋で受験参考書を手にとってみるとよくわかってもらえると思います。
「え、こんな分厚い本なのに1,300円で買えるのかよ…安っ」という経験を、僕は何度も味わっています。
「受験参考書なんか読みたくない」というプライドは捨てよう
本を使って英語の勉強をはじめようとするときって、だいたい以下のような感じで本を選ぶと思うんですよね。
- 会社でTOEICのスコアが必要になった
- ▷ TOEICの問題集を買う
- 商談や会議で英語が必要になった
- ▷ ビジネス英会話の本を買う
- 英検合格に向けて勉強したい
- ▷ 英検対策用の本を買う
もちろん、自分の弱点とか目標を解決するための本が悪いわけではありません。上手くつかえば、最短で最良の効果が得られる可能性もあるからです。
ただ、そういった「なにかに特化した本」っていうのはだいたい選択肢(本の種類)が少なかったり、英文法の解説(内容)が不十分だったりします。
前置きが長くなりましたが、僕がなにを言いたいかというと「英語を学ぶ目的は違ったとしても、学ぶ英語自体はすべて同じ」ということです。
つまり、「英語を学ぶ」ということは、すべてにおいて共通しているということ。
ですから、英語を学ぶ目的に縛られすぎて、選ぶ教材の選択肢を絞ってしまうのはもったいわけです。
TOEICのスコア獲得が目的だからといって、必ずしもTOEICの問題集を選ぶ必要はありません。むしろ、それだと難しくて挫折する可能性もあります。
それよりも、いまの自分の英語レベルに合った教材を選んだほうが絶対に効果が得られます。そしてその本が大学受験用の参考書でも問題ないわけです。
心のどこかに「自分はもう大人なんだから受験用の本なんか使いたくない」というプライドがあるかもしれません。
でも、そんなプライドはくそくらえです。くだらないプライドに縛られた結果、英語力が伸びずに苦しい思いをするなんて本末転倒すぎます。
英語の目的に合わせて本を選ぶのではなく、自分の英語レベルに合わせて本を選ぶ。
このルールを守るだけで、教材選びの幅はグッと広がりますし、英語の学習成果も大きく花開くはずです。
おすすめの英語参考書①「ドラゴンイングリッシュ」
大学受験の参考書として絶大な人気を誇る「ドラゴンイングリッシュ」です。
この本は、大学の英作文対策の本として販売されています。
英語をそこそこ勉強してきた人なら「英作文」と聞いて「瞬間英作文」を思い浮かべる人もいるかもしれませんね。
「瞬間英作文」とは、左ページの日本語を見て、右ページの英語と同じように英作文をするという画期的な本です。英語学習においては定番書になっています。
ここで紹介する「ドラゴンイングリッシュ」も左ページに日本語、右ページに英語という構成になっています。
ドラゴンイングリッシュが優れている理由は以下の2点です。
- ① 全部で100文しか掲載されてない
- ② 1つの文に対する文法解説が豊富
① 全部で100文しか掲載されてない
ドラゴンイングリッシュにはサブタイトルとして「基本英文100」という名称が付いています。つまり、英文が100個しか掲載されていません。
なぜ100文が良いのかというと、
- ・必要最低限なので最短で効果が得られる
- ・「この1冊をマスターすればいいんだ」という信頼感
というメリットがあるからです。
ドラゴンイングリッシュは「とりあえずこの英文を覚えておけばOK」という英文が厳選されています。つまりムダがありません。
また、そこから派生して「アレコレやらずに、この1冊を極めればいいんだ」という信頼感があります。
「いろんな英語教材に手を出して、結局なにも身についてない…」という人は多いと思いますから、そんな人にこそ本書をおすすめしたいです。
② 1つの文に対する文法解説が豊富
ドラゴンイングリッシュは英文が100個しか掲載されていないですが、解説が非常に豊富です。
- 「なぜここで過去形なのか?」
- 「どうして仮定法を使うのか?」
- 「a と the をどう使い分けるか」
といった、”かゆいところに手が届く”的な解説が充実しています。
さきほど紹介した瞬間英作文は基本的に文法の解説がありませんから、腑に落ちないこともあるんですよね。
英文100個すべてで腑に落ちる感覚が味わえるのも、ドラゴンイングリッシュのメリットといえるでしょう。
ちなみに、構成はちがいますが『英作文が面白いほど書ける本』という1冊も同じ著者が書いています。これもおすすめです。
おすすめの英語参考書② 速読英単語
2冊目は「速読英単語」です。この本は単語帳なんですが、一般的な単語帳とは一線を画す内容になっています。
ひとことでいえば「英語の長文を読みながら英単語を覚える」という本です。
日本語と英語の意味を1対1で覚える英単語帳も多いんですが、これってけっこう苦痛ですよね。
しかも、単語の意味だけを覚えても、実際にどう使われるのかがわからないと実用性が0です。
速読英単語は文章のなかで単語の意味と使い方をセットで覚えられます。
そして、なんといっても英文のテーマがおもしろい。一例として、以下のようなテーマの文章が掲載されています。
- ・サッカーの起源
- ・ハエの超能力
- ・ディズニーの大きな決断
- ・群集心理
- ・企業のニーズ調査能力
- ・ビタミンAの重要性とサツマイモ
ちなみに、僕はこの1冊を3周しました。おかげで基礎的な英単語も身についたし、英文読解のスキルも上がったと思います。
おすすめの英語参考書③ スクランブル英文法
続いては英文法の本です。スクランブル英文法は英文法の問題集なんですが、以下のような特徴があります。
- ・英文法の解説が豊富
- ・見開き1ページの構成で読みやすい
一般的な英文法の問題集は解説があっさりしてて「なんでここはこうなるんだろう?」という疑問が解決できないことが多々あるんですよね。
でも、スクランブル英文法は解説がしっかりしているので、理解できずにモヤモヤすることがほとんどありません。
あと、見開き1ページの構成なので左ページの問題を解いたあと、すぐに右ページの解説を読めるので効率的に英語を勉強できます。
大学受験用の文法問題集は『全解説頻出英文法・語法問題1000』が定番書として人気なんですが、解答・解説を切り離して使うタイプなので僕はちょっと苦手です…。
受験参考書まで選択肢を広げて、自分に合った1冊を選ぼう
英語の勉強には終わりがないとよく言いますが、たしかにそうだなと僕も思います。
ようするに、英語の勉強は長く継続してこそ効果が出てくるものなんですよね。
だからこそ、自分が「コレだ!」と思える1冊を選んで、その本を何度もくり返し読んだほうが効果は高いと思います(僕は1冊あたり最低2周はします)。
そして、良い本を選ぶためには大学受験の参考書まで範囲を広げるべきです。
「もう一度、英語を学び直すぞ!」という人は、ぜひ一度でいいので本屋の受験参考書コーナーに足を運んでみてください。