『13歳からの地政学』を読んだら、「海上支配」がいかに重要か痛感した。【レビュー】

13歳からの地政学

※この記事はプロモーションを含みます

「地政学」って字面だけ見るとなんかむずかしそうだし、あまり面白くなさう…と感じる人も多いはず。

でも、実際のところ地政学は超面白いし、知識として知っておくとニュースとかも理解度が深まります。

『13歳からの地政学』という本は、正直なところ「これは地政学なのか…?」と感じる内容も多かったけど、知らない事実が多すぎて衝撃を受けた部分も多かったのでおすすめしたいです。

というわけで、レビューしていきます。

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このブログを書いている人
あゆむ

英語学習者、書評家、文具好き。書店員→出版社→フリーランス10年目。TOEIC450→830。英検1級の勉強中。

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『13歳からの地政学』は、こんな本です

大人も子どもも、世代を超えて大反響! ★読者が選ぶビジネス書グランプリ2023「リベラルアーツ部門賞」受賞! ★全国の学校・図書館イチオシ!新しい時代の課題図書 子どもも大人も知っておきたい「世界のしくみ」!「地政学」がわかれば、歴史問題の本質/ニュースの裏側/国同士のかけひき…が見えてくる!高校生・中学生の兄妹と年齢不詳の男「カイゾク」との会話を通じて、「地政学」が楽しくわかりやすく学べる一冊。【Amazonより引用】

アメリカが世界の海を支配する理由

例えばアメリカが、どこかの国とトラブルになったとしよう。海をおさえていれば、その国の貿易を止めることで倒すことができる。貿易を止められてスーパーに商品が何もなくなってしまったら、飯が食えなくなる。【25ページ】

「貿易を止める=相手国の国民が飢える」ということにつながるから、貿易の要である海を支配することが重要ということ。

一見すると、国民を飢えさせるというのは鬼畜のように感じるけど、戦争をせずに解決できると考えれば、貿易を止める戦略のほうがよっぽどマシ。戦争をするとなれば、何千何万という人が死ぬわけだから。

アメリカにとっても都合がいいし、敵国にとっても戦争を回避できるのだから悪い話ではない。

ただ、アメリカと敵対する中国にとっては厄介な話。そもそもアメリカと中国では民主主義に対する考え方はまるで違うから。

中国が南シナ海(フィリピンの周辺の海)を支配したがっているのもまさにそれで、海を支配すれば貿易もおさえられるし、核の配備も円滑にすすむ(後述)。

いずれにしても、人や物が行き交う場所を支配することも重要性は地上だけでなく海でも同じということですね。

ネット通信の99%は海底ケーブル

データが送られる速度は人工衛星よりも海底ケーブルのほうがずっと早いし、これらのケーブルなしにはインターネットは成り立たない。そして、アメリカは世界で一番多くの海底ケーブルを張りめぐらせている。【34ページ】

これって、みんなどれくらい知ってるのかな?わたしはインターネット=人工衛星だと思ってたから、海洋ケーブルだと知ったときはかなり驚きました(ごく当たり前の常識だったら恥ずい)。

ネット通信の99%が海洋ケーブルってことは、もはやすべてといっていいレベルではないかと。人工衛星を使うのはGPSぐらいなのかな?

この海洋ケーブルについてもアメリカが世界で一番多く支配しているのがすごい。

ちなみに、海洋ケーブルはまさしくケーブルそのものが海底にある。これを見ると「こんなんで大丈夫なの?」と心配になるのも事実。

海洋ケーブルでやり取りされる情報は暗号化されてはいるものの、通信傍受(情報漏洩)を100%防ぐことはできないらしく、たとえばアメリカはドイツの情報を盗んだりした過去もある。

日常生活のメールやSNSなどの情報も盗み見しようと思えばできてしまうだろう。

ただ、地政学においては軍事的な情報を傍受できるというのが大きなメリットになる。

戦争=情報戦でもあるから、敵国の情報を盗んだり、嘘の情報を拡散させたり。こういう優位性を持つためにも、海洋ケーブルを多く支配することが重要になるのだと思う。

核ミサイルの隠し場所、知ってる?

潜水艦だ。原子力で動く潜水艦は、何ヶ月も浮かばずに海の中をもぐっていることができる。そして、いざとなった時に潜水艦に積んだミサイルを、海の中から発射できるようにする。(本書P64より引用)

核ミサイルって漠然としたイメージしかないし、実感が沸かないけど、冷静に考えると「どこかにある」のは間違いない。

そして、その「どこか」というのがズバリ海の中というわけ。

そう考えると、海上をいかに支配するかが、核戦略にも大きく影響してくることがわかりますよね。

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本のレビュー社会・政治
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