【給料事情はいかに?】本屋で働く書店員の年収が低すぎる理由

本屋で働く書店員の年収

※この記事はプロモーションを含みます

出版業界、ひいては書店業界にいる人間にとって、やはり書店員の給料事情というのは気になると思います。

実際、僕も計4年間の書店員の経験がありますが、出版社で働く人の給料を聞いて「うわ…書店員の給料ってこんなに低いのか…」と愕然としたことがあります。

というわけで、今回は書店員の給料、および年収について深堀りします。

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このブログの運営者
あゆむ

独学でTOEIC455 → 830丨Versant 44丨5年以上、英語学習を毎日継続中丨書店員 → 出版社 → フリーランス9年目丨30代・夫婦+保護猫🐈丨読書は年間100冊超📚丨趣味は本屋巡り・MMA観戦丨【社会人のための「挫折しない」英語学習メルマガ講座】やってます。無料登録はコチラ

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書店員の年収が低い理由は業界の仕組みを知ればわかる

なぜ書店員の年収は低いのか?その理由を理解するためには、出版業界の仕組みを簡単に知っておくと役立ちます。

そもそも、出版業界にはおもに3つのプレイヤーが存在します。それは出版社・取次(問屋)・書店です。

出版社が本を作り、取次が本を流通させ、書店が読者に本を販売する。それが出版業界の基本的な構造です。

この出版業界の構造を踏まえないことには、各プレイヤーの利益構造=書店員の年収が低い理由は見えてきません。

出版社・取次・書店が本を1冊売ったときの利益はいくら?

書店員の給料・年収が低いのは、出版業界の利益構造のせいでもあります。

なぜ出版業界は書店員の給料が少ない仕組みになっているのでしょうか?くわしく見ていきましょう。

結局、出版社の取り分が多くなっている

書店員の給料・年収の低い要因を探るべく、まずは本が1冊売れるといくらの利益になるのかを考えてみます。

例えばここに、1冊1000円の本があるとします。1000円の本が売れたときの、各プレイヤーの利益を比較してみましょう(割合はあくまでも目安)。

  • 出版社の取り分は価格の70%
  • 1000円の本が1冊売れるごとに700円の利益
  • 取次の取り分は価格の10%
  • 1000円の本が1冊売れるごとに100円の利益
  • 書店の取り分は価格の20%
  • 1000円の本が1冊売れるごとに200円の利益

(厳密にはそれぞれの取り分はもっと細かく決まっていますが、ここではわかりやすく説明するためにキリの良い数字を使っています。)

以上のようにみると、出版社が最も多くの利益を手にしていることがわかります。こうやって書くと「出版社が独り占めしてる」感じに見えるかもしれませんが、1冊の本をつくるのには莫大なコストがかかるので、この取り分は妥当と考えるのが自然です(賛否両論ありますが)。

書店は本が売れても利益がかなり低い

以上の説明をもとに考えてみると、1つ気になることがあります。それは書店よりも取次の方が利益率が低いということ。

取次は10%の利益ですが、書店は20%の利益を手にしています。

「ということは取次は書店よりも給料が低いの?」と思う人もいるかもしれませんが、取次というのは、本が売れる・売れないにかかわらず、本の流通を行うだけで手数料を得ることができるのです。

ですから、多少利益率が低くてもたくさんの収益をあげることができます。

極端にいうと、取次は書店で本が売れなくても利益を得られるというわけです(長期的に見れば、本が売れないと取次の経営も立ち行かなくなりますが)。

一方の書店は本が売れて初めて利益になります。売れないと全くお金にならないのです。

売れないとお金にならないのはどんな商売でも同じですが、本の価格の低さと、書店の利益率の低さが書店員の年収・給料に影響しているのは厳然たる事実です。

本の価格を自由に決められない本屋の呪縛

また、書店は他の小売り業者のように自由に値段を決めることができないので、他の書店と差別化を図るのが大変むずかしいという側面もあります(再販売価格維持制度)。

ですから、たとえば「うちの本屋はビジネス街でお金持ちのお客さんが多いから、値上げして利益を増やそう」といった価格戦略が取れません。反対に、本を安売りして大量に売りさばくということもできないのです。

計算してわかる、本屋が儲からない理由

1000円の本を1冊売って、200円の利益です。1日に100冊売っても2万円(200円×100冊)の利益にしかなりません。

数字を見ると、かなり厳しいことがわかりますよね。当然、残った利益からテナント料や人件費などが発生するわけですから、現実はもっと厳しくなります。

有名書店チェーンの平均給与・年収を徹底比較!

それではここからは、お待ちかね「書店員の給料・年収」を具体的な数字を挙げてご紹介します。

まずは書店チェーンごとの給与をみていきましょう。なお、各データはWebサイトの求人情報等から抽出しています。

少し古い数字なので、現在は変わっている可能性があります。正確な数字を知りたい人は各サイトを直接ご覧ください。

  • 紀伊國屋書店
  • ♦大卒 ¥204,000
  • ♦修士 ¥214,000
  • 賞与は冬季1.5ヶ月+夏季0.5ヶ月
  • (業績により変動)
  • 丸善&ジュンク堂書店
  • ♦大卒 ¥200,000
  • (賞与は業績により変動)
  • ブックファースト
  • ♦大学卒 ¥197,000
  • ♦短大・専門卒 ¥178,800
  • (各種手当て込み)
  • 宮脇書店
  • ♦大学卒 約¥160,000
  • (賞与は不明)

書店はチェーンによってバラつきがあるものの、一般的な給与に比べるとかなり低いといえるでしょう。

転職の口コミサイトである「転職会議」では、収入についてかなり厳しい書き込みも見受けられます。

大手の書店チェーンでは賞与や手当てが見込めますが、中小のチェーンでは一人暮らしや結婚に二の足を踏まざるを得ないレベルの給与水準です。

また、本部への栄転や、書店内で役職(たとえば店長)になっても、残業代がつかなくなるケースも存在します。僕が以前勤めていた新宿の某書店の管理職クラスの人も愚痴っていました。現場の声はウソをつきません。

年収は低いけど、本が好きだから続けられる

給与面ではかなり厳しいといえる書店員という仕事。さらにいえば、本の売上が年々減少している出版業界を考えると雇用面でも不安が残ります。

しかし、本屋の書店員は本が好きな人にとっては他に代えられない、かけがえのない仕事でもあります。

僕も4年間ほど書店員の仕事をしてきましたが、いまだに書店の仕事に戻りたいと思うことが多々ありまして、本当に楽しかった記憶しかないんですよね…。

本は重いです。本はホコリっぽいです。

それでも本が好き。本を売りたい。そんな人にとって、書店員という仕事は大変だけど楽しさで満ち溢れています。

いつか出版業界の構造が変わり、書店員が給与面で報われるといいんですけどね…。

これから書店員を目指す人へ

最初から正社員で書店員になる人はもちろんいますが、本屋バイトから正社員になる人が多いのも書店業界の特徴です。

もし書店員を始めてみたいと考えているのであれば、アルバイトから経験してみるのも1つの方法と言えます(事前に正社員登用の有無は確認しましょう)。

1つだけ助言できるとするならば、レジばかりをやらせるお店はおすすめできません。書店員の醍醐味は棚づくりなので、発注はできないにしても、棚の整理くらいは任せてくれるお店を選ぶと仕事が楽しくなります。

とはいえ、外から見てそのお店の勤務体制がどうなっているのかはわかりませんので、むずかしいところですが…。

個人的な経験ベースで言えば、大型書店よりも個人経営に近い小さな書店のほうが任せてもらえる仕事が多いと思います。

僕は1000坪超の大型書店と50坪程度の小型書店の両方で働いたことがあり、どちらのお店でも業務全般(レジ、品出し、発注)をやっていました。

ただ、小型書店のほうが仕事を任せてもらえるまでにかかる時間は短かったです。すぐに色んな業務をやらせてもらえた記憶があります。

やはり人手が少ない分、早いうちに仕事を覚える必要があるので、必然的に書店員としての業務全般を任せてもらえるようになります。

最初のうちはレジ打ちから始まるのがお決まりなので、そこで腐らずに続ければ楽しい書店員の仕事が待っているはずです。

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