意外と知らない「本の価格」の決め方と仕組み&計算方法【1冊の本が売られるまで】

本の価格

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市場で価格が決まるような生鮮品とは違い、本の価格は出版社が独自に決める事ができます。

具体的にどのような要素をもとに価格は決められているのでしょうか?計算を交えながら、くわしく解説していきます。

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このブログの運営者
あゆむ

書店員 → 出版社 → フリーランス8年目|千葉県出身 / 30代|読書と英語学習について発信|TOEIC830点、Versant 44|趣味は本屋巡り、RIZIN・UFC観戦|洋書多読もがんばってます

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「直接原価」とは?

多くの製品と同様に、本も原価から考える必要があります。

本の原価はまず、「直接原価」と「間接原価」に分かれています。

本の原価でまず考えるべきなのが「直接原価」です。「直接原価」は以下の要素で構成されています。

  • ・製版代(原稿をもとに版をつくる。何部刷っても料金は同じ)
  • ・印刷代
  • ・製本代
  • ・資材費
  • ・印税
  • ・原稿料+画料
  • ・編集費

直接原価をもとに本の「定価」を決めてみよう

直接原価をもとに定価を求めてみましょう。『これを読まずして、編集を語ることなかれ。』(松田哲夫著、筑摩書房)に本の定価計算の方法が詳しく書かれています。

まず直接原価を「生産高(本の定価×部数)」で割ります。そこから%を導きだし、印税率を足すとその本の原価率が出ます。一般的に原価率を35〜38%に設定している出版社が多いとされています。

では実際に具体的な数字を例にとって計算をしてみましょう。

原価率を定価の33%に設定し、定価の5%とする印税を足したとします。この場合の直接原価は合計で38%になります。仮に1冊あたりの直接原価が456円だった場合、定価は以下のような計算で出すことが出来ます。

定価 × 38% = 456円

つまり、

定価 = 456円 ÷ 38%

よって

456円 ÷ 0.38(38%)= 1200円

定価1200円に消費税を足した合計金額が販売価格となります。

「間接原価」とは?

間接原価には「広告宣伝費」と賃貸料や人件費などの「固定費」が含まれます。厳密に原価を計算する場合はこの「間接原価」を考慮して計算をする必要があります。

では、定価をもとに1冊あたりの利益について考えてみましょう。計算に入る前に出版社が取次に卸売りをする「正味」について考える必要があります。

「正味」とは定価の何%で取次に卸売りをするかというものです。基本的な部分ですが、定価の1200円で購入するのは消費者ですから、その前の流通段階ではもう少し安い価格で売買されるはずです。

この消費者の手に渡る前の、流通段階の価格のことを「正味」と呼びます。

では実際に1冊あたりの純利益を計算をしてみましょう。

出版社がある本を定価1200円に決めました。それを取次に卸します。正味の掛け率を定価の70%に設定したとします。

その場合は以下のような計算になります。

1200円 × 70% = 840円

つまり、出版社は取次に840円で本を販売したことになります。

この段階で売上額は840円です。ここから、本を作るのにかかった原価(直接原価+間接原価)を差し引くことで、1冊あたりの純利益を出す事ができます。

ここで、間接原価(広告宣伝費+固定費)を定価の15%に設定したとします。

間接原価 = 1200円 × 15% = 180円

その場合、1冊あたりの純利益は以下のようになります。

840円 ー 456円 ー 180円 = 204円

つまり、1冊あたりの純利益は204円となります。実際には返品率との兼ね合いなどもあり、どれだけの売上率があるかは予測が難しいとされています。

予測が難しいからこそ、原価だけでもしっかりと計算をして定価を決定する必要があるのです。

本の知識・雑学

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