読書術について書かれた本は多いけど、「本棚と本の並べ方」について書かれた本って極めて珍しいのでは?と思い、本屋で手に取った1冊。
「どんな本棚を買ったらいい?」「本はどうやって並べるのが正解?」と悩んでいる人にはきっと刺さるはずです。
『本棚にもルールがある』という本をレビューしつつ、どんな本棚を買ってどう本を並べるべきなのか?という方法論についても書いていきます。
おすすめの本棚はこの2つ
本に書かれている内容(順序)とは前後してしまうけど、まずはおすすめの本棚から紹介していきます。
ここで紹介する本棚は、本の中で紹介されているもので、なおかつ僕も実際に購入して使っていたことがあります(使っていたのは無印良品のほう)。
なぜこのタイプの本棚がおすすめなのかというと、本書で紹介されている以下のような要件を満たすからです。
- ・奥に並べた本の手前にも本を置ける、奥行きがある
- (奥には読み切った本、手前には未読本を積む)
- ・A5判を立てて並べることができる
- ・背面が空いてるから通気性が良い
僕も実際に無印良品のスタッキングシェルフを本棚として使っていましたが、収納量は十分だし、見た目もいいし、手に入りやすいし、かなり良いことづくめでした。
あと、個人的にスタッキングシェルフの良さを痛感したのが「自由度の高さ」です。
最初は本棚として買ったスタッキングシェルフですが、いまは本棚としては使っておらず、リビングで猫用品の収納に使っています(現在、本棚は無印良品の他の商品を使用)。
スタッキングシェルフは本棚としても使えるけど、いざ「本棚を変えたい」「本棚をなくしたい」「ちがう使い方をしたい」と思ったときに、他の用途に転用できるメリットがあります。
本を収納する専用の本棚だと、いざ他の用途に使おうと思ったときに奥行きがなかったり高さがなかったりで使いまわしには不向きです。
しかし、スタッキングシェルフなら自由度が高いので、引っ越しや模様替えなどにおいて、この「応用性」にはかなり助けられました。
また、スタッキングシェルフは立てて使うだけでなく、横に寝かせた状態でも使えるので、本当に用途が幅広いです。
本書で紹介する「本棚のルール」に沿って本を並べていくのであれば、【4段×2列の、セルが最低でも8つに分かれているもの】が理想です。
本棚のルールをまとめて紹介
さて、ここからは実際に本書のなかで紹介されている「本棚のルール」について見ていきます。
- 本棚のルール
- ・本棚の奥行きは28cm以上、高さは22cm以上
- ・本棚の各セルごとにジャンルを決めて本を収納する
- ・奥には読んだ本を立てて並べる
- ・手前には積ん読本を重ねて置く
- ・スキマは大事にする
- ・右列1段目はサイエンス
- ・右列2段目は歴史
- ・右列3段目は経済
- ・右列4段目は重い本
- ・左列1段目は特別展示
- ・左列2段目は社会、事件
- ・左列3段目は文化、芸術
- ・左列4段目はこれから処分する本
本棚の奥行きは28cm以上、高さは22cm以上
おすすめの本棚はさきほど紹介したばかりだけど、具体的なサイズについても本書では言及されています。
奥行きが28cm以上なのは、奥にA5判の本(幅約15cm)を立てて並べると、手前に13cmほどのスペースができる。ここに未読の本(積ん読)を重ねて置くことができるから。
高さについてはA5判の本が高さ21cmなので、そこに少し余裕をもたせている。
本棚の各セルごとにジャンルを決めて本を収納する
これが「本棚のルール」の核になる部分だと思うんだけど、本棚の各セルごとにジャンルを決めて、そのジャンルの本を並べていく。
どのジャンルを置くのか?という話だけど、著者いわく「サイエンス」「歴史」「経済」は必須とのこと。理由は本書にくわしく書かれていますが、かいつまんで言うと「社会人としての教養を重んずると、おのずとこれらのジャンルは読まないわけにはいかない」という感じ。
もちろん、このルール(ジャンル分け)に従ってもいいけど、個人的にはどんなジャンルにするかは自由に決めていいと思うし、それを考えるのが棚づくりの醍醐味だと思う。
ちなみに、著者の成毛さんは小説などのフィクションは電子書籍でしか読まないらしい(だから本棚にも場所を設ける必要がない)。
小説は頭から順番に読むものである。ノンフィクションのように、ざっと中身を確かめてから途中の章から読み始めたり、重要そうな部分を探し出して読んだりすることはない。なので、紙の本に比べて一覧性が低い電子書籍で読んでもストレスを感じない。
この考えは一理あると思っていて、本が多すぎて部屋の中が散らかりまくっているような人は、思い切って小説やマンガを電子書籍に切り替えるのはアリではないでしょうか。
ちなみに、僕もマンガだけは電子書籍に1本化しています。キングダムやクレしんなど巻数が多いですが、全部Kindleなので場所を一切取りません。
ジャンル分けするメリットは絶大だと思う
本屋では当たり前のジャンル分け。これを自宅の本棚でやろうとする人って、意外と少ない気がします。
でも、自宅の本棚こそ、ジャンル分けをするべきだと思うんですよね。
まず、ジャンル分けをすると、そのジャンルを意識して本を選ぶ(買う)ようになるから、そのジャンルにくわしくなります。
そして、仕事やプライベートなどで「あの情報を参照したいな」と思ったときも、ジャンル分けがしてあると目的の本を見つけやすい。
あと、ジャンル分けとは少しちがうけど、本棚を必要最低限にしておけば、本を溜め込む心配がなくなります。
「この本棚に入るだけの本を買おう」という意識になるから、読み終わった本の整理をしようという気になりやすいし、衝動買いも減ると思う。
なぜ「積ん読」には罪悪感があるのか?
ここからは余談。
「本を買ったはいいけど読まずに積み上がっている本(積ん読)」って、なんであんなに後ろめたいというか、罪悪感がすごいんですかね。
買ったときの熱意って本当に冷めるのが早くて、気づいたときには「あ、こんな本買ってたのか…」という状態。こんな自分に恐怖を感じすら感じます。
もちろん「買ったお金がもったいない」というのは間違いないんだけど、積ん読に対する罪悪感について、著者の成毛さんがしっくりくる表現をしていたので紹介しておきます。
相手が本という存在だから溜まっていくのは素晴らしいことのように錯覚するが、一歩引いて考えれば、本を溜め込むことはこなしきれない約束を重ねるのに似て、解決策がない。
個人的に刺さったのは「こなしきれない約束を重ねる」の部分。
なるほど、積ん読というのは本との約束を破ることに似ているんだな、と。
本屋で本を買うとき、多くの人が「家に帰ったらじっくり読むからね」と約束をしたはず。
にもかかわらず、読まない。
これって二重の意味で約束を破っているに等しいんですよね。本に対してもそうだし、自分にも嘘をついてることに他ならないと。
もちろん、ちょっと大袈裟な考えかもしれないけど、積ん読を減らしたいと思っている人は、購入前に「本当に約束を守れるだろうか?」と考えることが、積ん読解消につながるかもしれません。
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