効果的な英語学習のひとつに「瞬間英作文」があります。
ひとことでいえば、日本語の文を見て即座に英語の文をつくる練習です。
今回は、瞬間英作文にピッタリの1冊『NOBU式トレーニング』という本をご紹介します。
本家の瞬間英作文に飽きてしまった
瞬間英作文の”本家”は『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』という本です。僕も使ったことがあって、だいたい3周くらいしました。
たしかに良い本なんですが、レイアウトが平凡すぎるうえに解説がほとんど載っていません。
また、一部のレビューにもあるように、不自然な英文がちらほら出てきます。
本当であればこの1冊を根気強く継続すれば力が身につくと思うんですが、どうしてもこの本をもう一度やる気にはなれませんでした。
そんなとき本屋で見つけたのが『NOBU式トレーニング』という本です。
NOBU式というのは著者の山田暢彦さんの名前から来ています。
内容はいたってシンプルで、いわゆる瞬間英作文の本です。
見開きで左側のページに日本語、右側のページに英語が載っていて、日本語→英語で作文をするという練習を行います。
この本が他の瞬間英作文とちがうのは、インプットで英文を定着させてから、アウトプットで英作文を行うというものです。
具体的には、以下のように左ページに英文、右ページに和文が載っています。このページで、まず最初にインプットを行います。
インプットで英文を定着させたら、次のページで「日本語→英語」の瞬間英作文を行います。
以下のように、ページの左右で日本語と英語が入れ替わっているのがわかります。
二色刷りで見やすく、レイアウトも洗練されている
これまた本家・瞬間英作文との比較になってしまいますが、NOBU式のほうがページが読みやすいと思います。
具体的には、
- ・二色刷りで読みやすい
- ・レイアウトが洗練されている
というのが特徴です。
これは完全に好みの問題なんですが、僕は個人的に本家・瞬間英作文のシンプルすぎるレイアウト、そして白黒の紙面に飽きが来てしまった感じです(本のコンセプトは素晴らしいけど)。
NOBU式は解説が豊富
あと、NOBU式は解説が豊富で、そこも気に入っているポイントです。
上記の紙面をご覧いただくとわかりますが、ページの一番上にはそのチャプターで扱う英文法が解説されています。
そして、「この英文はどんなときに使うのか?」「なぜこの単語を使うのか?」といった解説が、要所に載っているのも特徴です。
細かいところですが、こういう解説があるかどうかってすごい大事だと思います。
英語学習は孤独との戦いでもあります。実際に著者の人が教えてくれているような世界観を味わえるという意味で、この本は飽きずに長く付き合える1冊だと感じました。
NOBU式は実際の英会話で使える例文が豊富
本を選ぶときにもうひとつ大事なことがあります。それは、載っている例文が実際の英会話で役に立つか?ということです。
これまた本家・瞬間英作文との比較ですが、本家のほうは「日常会話では絶対に使わないような例文」も散見されます。
たとえば、こんな文。
Why didn’t she like walking?
彼女は、なぜ歩くのが好きではなかったのですか?
一歩譲って、Why don’t she like walking?(彼女はなぜ歩くのが好きではないのですか?)
ならわかるんですが、過去形でこんな質問することあるかな?ちょっと日常会話では使わなそうな例文ですよね…。
「瞬時に英語をつくる練習」という見方だけをすれば、こういう例文があってもいいのでしょう。
でもやっぱり、やるからには日常会話でもそのまま使えるような例文のほうが絶対良いですよね。
一方の「NOBU式」は、こんな例文が載っています。
Where do you usually buy clothes?
ふだん、どこで服を買ってるの?
This movie is about a famous singer.
この映画は、有名な歌手についてだよ。
この例文なら、日常会話でもふつうに使いますよね。
もちろん、載っている例文すべてが日常会話でそのまま使えるわけではありません。
ただ、僕が読んで比較した限りでは、本家の瞬間英作文よりも、「NOBU式」のほうが使える例文が多いと感じました。
僕が使っているのはNOBU式の「コンプリートコース」
NOBU式の英作文には、種類が3つあります。
一番有名というか、売れているのは緑色の本です。オレンジ色の本は、レイアウトが瞬間英作文向きではないのでおすすめしません。
ちなみに、僕が使っているのは3つ目の「コンプリートコース」の本です。
この本はその名のとおり、中学校3年間の英文法をあますところなく詰め込んだ完全版という位置づけになっています。
緑色の本も十分役に立つとは思いますが、文法項目を絞り込んでいます。
なので、どうせ本腰入れてやるならコンプリートしたい、ということで3つ目を選びました。
ただ、例文については緑色の本が大人向け、コンプリートコースは子どもから大人まで幅広くカバーしている感じです。
中学生や高校生が使うならコンプリートコース、大人が使うなら緑色 or コンプリートコースのどちらか(あるいは両方)を選ぶと良いと思います。