「洋書が読めるようになりたい…」
そう思うようになってから、いろいろな勉強法や教材を試してきました。
今となっては、ある程度は洋書が読めるようになり、読める本の幅が広がって充実した読書ライフを送れています。
僕の経験を踏まえて、今回は「洋書を読むために役立つ教材、サービス、アイテム」について紹介します。
① 『英語は「やさしく、たくさん」』

最初はやさしい英語を大量にやったほうが良いです
「英語を読めるようになるには、とにかく難しい英文を読むべき」というイメージを持っている人は多いと思います。
しかし、実際に必要なのは「かんたんな英語を、大量に読むこと」であると本書では説明しています。
僕はこの本を読む前までは、書店に売ってるおしゃれで難しそうな洋書を買っては挫折するという苦難の連続でした。そこには「難しい洋書を頑張って読めばいずれ読めるようになる」という希望があったからです。
しかし、この本を読んだことで考えはガラッと変わりました。難しい洋書を買うのは一切やめて、そこから語彙が制限されているGraded Readersを読むように。そのおかげで、僕の洋書人生はパッと開けました。
英語の習得って、じつは「かんたんな英語を反復すればいずれ身につくもの」なんですよね。めっちゃわかりやすい例でいうと、「テレビ」とか「ラジオ」ってもともとは英語なわけですが、日常生活であまりに多くの回数触れているおかげで、もはや意味を考えることなくパッと理解できますよね。
つまり、反射的に意味がわかる単語(英文)を増やしていけば、自然と英語は読めるようになるというわけです。
そのための勉強法や意識も持ち方が本書には書かれています。ちなみに、英語リーディングに限らず、英会話やリスニングなど英語の4技能すべてについて紹介されているので、非常に役立つ1冊です。

② 『速読速聴・英単語 Core 1900』
英語の長文を読みつつ、英単語も勉強できる1冊として本書はおすすめです。
採用されている英文はいずれも興味深い読み物ばかりなので、飽きずに勉強ができます。以下は文章の一例です。
- ・日本の若者、留学先として米国やヨーロッパを避ける
- ・PTAがFacebookと協力してインターネットの安全性を向上
- ・霊長類の父親が子育てに関わると寿命が伸びる
- ・台湾がアジアで初めて同性婚容認へ
- ・音楽療法はきわめて効果の高い手段である
歴史、雑学、ニュースが好きな人にとっては、洋書を読む上での予行演習としても使えるはず。
僕は音読とシャドーイングをするための教材としてこの本を買って使っていたのですが、長文を読むことに慣れることができるので、洋書を読むのにも大いに役立ちました。
音読やシャドーイングはしたほうが英語学習としては効果がありますが、洋書を読むことを目的とするのであれば、黙読だけでも十分効果が得られると思います。

③ 『速読英単語』
「文章を読んで、英語を身につける」というコンセプトの1冊。さきほど紹介した『速読速聴・英単語 Core 1900』がむずかしい人は、『速読英単語』を選ぶと良いと思います。
僕がこの本を選んだキッカケは、なるべく楽しく英語の勉強がしたかったからです。英語教材というと、どうしても作り話やフィクションばかりで現実味がありません。
どうせだったら、英語を学びつつ、教養も身につけられたら最高ですよね。この本はまさしくそんな感じ。大人が読んで面白い内容なので、飽きずに勉強が続けられます。
速読英単語に掲載されているテーマの一例です。
- ・サッカーの起源
- ・ハエの超能力
- ・ディズニーの大きな決断
- ・群集心理
- ・企業のニーズ調査能力
- ・ビタミンAの重要性とサツマイモ
内容のとっつきやすさと英語自体の難易度を考えると、こちらの本のほうがやさしいので最初の1冊としてはいいかもしれません。
僕はこの本を音読&シャドーイングして、合計2周しましたが、おかげで語彙力が強化され、洋書を読むスピードも上がりました。
④ 『ALL IN ONE』
英語の教材が多くなってくると「アレもやって、コレもやって…」という感じで、いろいろと気が散ってくるものです。
他の教材に切り替えるのって意外と面倒なんですよね。本を取り出して、特定のページを探して、音声を流して…という感じで、必要な作業がわりと多いものです。
いろんな教材をやるのは気分転換にはいいですが、集中力も意志力も消耗するので、良し悪しあります。
そんな状況を打破するために手に取ったのが、『ALL IN ONE』。その名の通り、リスニング・リーディング・文法・英単語といった勉強を1冊で完結できる本です。
僕は一定期間、この本だけに絞って英語の勉強をしていました。1冊に絞ることで「コレだけやれば英語力が伸びるんだ」という安心感とミニマルな感じがとても気に入っていました。
この本のおかげでリーディング力が伸びたことは言うまでもなく、洋書の多読や精読に大きな効果がありました。
洋書を読みたいけど、どの教材を選んでいいかわからない…という人は、この1冊に絞ってやってみるのもアリだと思います(ただし、完全な初心者にはむずかしい内容です)。

⑤ 『DUO 3.0』

DUOは特におすすめの英単語帳
初めて本格的に読破して、10周以上やり込んだ英単語帳です。僕の英語力の基礎は、この本で作られたといっても過言ではありません。
ふつうの英単語帳とは違って、1つの例文に複数の単語(見出し語)が入っているため、効率的かつ実用的に英単語を覚えることができます。
例文を繰り返し読んでいると、その単語の使われ方も覚えられるし、その文のシチュエーションが頭に浮かぶので、身体で単語を覚えている感じが味わえます。
単語を見出し語+意味だけの”対(つい)”で覚えても、洋書を読むときに役に立たないことがあります。やはり、単語は英文のなかで自然に覚えるのがベストです。
洋書だけでなく、TOEICスコアUPや英会話スキル向上にも効果のあった1冊です。そういった意味で、すべての英語学習者におすすめしたい本でもあります。

⑥ Enjoy Simple English

Enjoy Simple English
洋書を読めるようになるために絶対欠かせないのが「やさしいレベルの本」と出会うことです。
僕は控えめに言って10回は洋書に挫折してきました。その原因はハッキリしています。自分の英語レベルでは理解できない難しい洋書を読んでいたからです。
最初のうちは「難しい洋書でも、気合いで読んでいたらなんとか読めるようになるでしょ」と思っていました。もちろん、それで洋書が読めるようになる人もいるでしょうが、僕には無理でした。
挫折の連続で苦しんでいるときに出会ったのが、Enjoy Simple English という本でした。NHKの英語講座シリーズの1つとして刊行されているものです。
名前からもわかるとおり、とにかく簡単で文法的にもやさしい英語しか使われていません。内容的には小説や物語(寓話や昔話など)なので、読んでいて楽しいものばかり。NHK出版が出しているということもあり、信頼性も折り紙付きです。
「ガチの洋書は読めないけど、絵本や英語教材はいやだ」という人には最適だと思います。

⑦ 『文で覚える単熟語』(文単)

文で覚える単熟語
英検の勉強をしているとき、そのほとんどを「文単」と過ごしました。文単はさきほど紹介した『速読速聴・英単語 Core 1900』と同じで、英語の長文の中で英単語を覚えるタイプの単語帳です。
文法の説明が一切載ってないというデメリットはあるものの、1つあたりの文章が長く、アカデミックな内容も多いので非常に読み応えがあります。
洋書を読むための予行演習として勉強に活用しつつ、ちゃっかり英検対策に向けて取り組むというのもアリだと思います。
こちらも黙読だけよりも、音読やシャドーイングをしながら勉強をすることでより効果が得られます。
ちなみに、僕は英検1級の文単を使っていましたが、これで勉強をすると洋書を読んでいても未知の英単語に出会うことがほぼありません。洋書を本格的に読んでいきたい人は、英検1級の語彙対策が非常に有効なのでおすすめです(いきなりやると挫折するので、まずは自分の英語レベルに合った英検の級からはじめましょう)。

⑧ Graded Readers
「洋書を読みたいけど、むずかしい本ばかりで挫折しちゃう」という人におすすめなのが、Graded Readers(GR)です。
GRは使われている単語に制限がある入門者向けの洋書で、英語レベルに合わせて難易度が別れています。
たとえば Oxford Bookworms というGRは以下のようにレベルが分かれています。
Oxford Bookworms | 単語数 | レベル目安(英検) | レベル目安(TOEIC) |
---|---|---|---|
Starter | 250 語 | ー | ー |
Stage 1 | 400 語 | 英検3〜5級、 | 250〜380点 |
Stage 2 | 700 語 | 英検準2級 | 310〜400点 |
Stage 3 | 1,000 語 | 英検2級 | 380〜560点 |
Stage 4 | 1,400 語 | 英検準1級 | 420〜700点 |
Stage 5 | 1,800 語 | 英検準1級 | 520〜750点 |
Stage 6 | 2,500 語 | 英検1級 | 800点以上 |
また、単語がやさしいだけでなく、1冊あたりのページ数が70〜80と少ないため、洋書初心者でも最後まで読み切れるというメリットがあります。「分厚い洋書を買ってみたけど、全然読めなかった」という経験がある人は、GRのような薄い本がおすすめです。

ちなみに、僕は Oxford Bookworms とラダーシリーズを大量に購入して読みまくりました。
他の洋書だと単語の意味がわからず、辞書を引きながら読んだりしていたのですが、自分のレベルにあったGRだとスラスラ読めます。
入門向けとはいえ「自分でも洋書が最後まで読めた!」という達成感は自信にもつながり、また次の1冊を読んでみようというモチベーションにもつながります。

⑨ Kindleアプリ&Kindle端末
GRを卒業したあと、僕は書店でペーパーバックを買うこともありますが、ここ数年はKindleで洋書を読むことが圧倒的に増えました。
Kindleで洋書を読むメリットは絶大です。具体的には以下のとおり。
- Kindleで洋書を読むメリット
- ・書店では売ってない洋書が手に入る
- ・価格が書店よりも安い
- ・辞書やメモが内蔵してる
- ・Kindle Unlimitedなら洋書も読み放題
という感じで、ペーパーバックにこだわらないのであれば、Kindleに軍配が上がります。僕は紙の本が好きなので、完全にKindleに移行することはありませんが、Kindleで洋書を読む比率は年々増えている感じです。
また、KindleにはKindle Unlimitedという読み放題サービスがあるのですが、洋書が読み放題の対象に含まれます。そのため、洋書を読み漁りたい人にピッタリのサービスです(もれなく僕も使ってます)。

ちなみに、Kindleはスマホアプリでも読めるので、必ずしもKindle端末(Kindle PaperwhiteやOasisなど)を買う必要はありません。
個人的にはまずスマホアプリで洋書を読んでみて、気に入ったら専用端末を買うのが良いと思います。僕はスマホでも読みますし、Kindle Oasisで洋書を読むこともあります。

⑩ Kindle Unlimited(読み放題サービス)
けっこう本気でおすすめなので、もう少しKindle Unlimitedについて説明したいと思います。
まず、読み放題の対象書籍は200万冊以上です。洋書だけでなく、和書(雑誌、本、マンガ)なども読み放題なので読書の幅がかなり広がります。
さきほど紹介した Enjoy Simple English などの洋書入門向けの本も読み放題だったりするので、相当お得に読書を楽しむことが可能です(Kindle Unlimitedの対象書籍は随時入れ替わります)。
月額980円ですが、最初の30日間は無料体験できるので、少しでも気になる人は試してみてください。
