参考書で英語を勉強するのが苦手な人は、読書しながら英語学習をするのがおすすめです。
小説であれば「英語を勉強してる感」が少ないので、英語学習を継続しやすくなります。
僕もこれまで小説で英語力UPを図ってきましたが、失敗談も少なからずあります。
ということで、小説で英語学習をするときの注意点&おすすめの本を紹介します。
ちなみに、今回は英語初心者〜中級者向けの記事となりますので、読みやすい小説(GR)を紹介しています。
小説を読む(選ぶ)ときの最重要ポイント
まず最初に、最も大事な話をお伝えしておきたいと思います。
それはなにかというと、「どの小説を選ぶか?」ということです。
もっとくわしくいえば「どの英語レベルの小説を選ぶかが、非常に重要」です。
英語学習をするのであれば、必ず自分の英語レベルにあった作品を選ぶ必要があります。
自分の理解力を超えた小説を読もうとすると確実に挫折しますので、作品選びには時間をかけることをおすすめします。
僕もこれまで何冊もの小説を読んできましたが、最初のころは”ジャケ買い”をして何度も失敗してきました。
洋書のペーパーバックって、カバーデザインがおしゃれな物が多いんですよね。ついつい惹かれてしまって勢いで買うのですが、家に帰ってじっくり読んでみると「全然理解できない…」と絶望的な気分になるわけです(笑)
ジャケ買いや「自分なら読めるでしょ」という過信は、小説で英語学習をするときに最も多い失敗事例です。
こうした失敗は誰しもが通る道ではありますが、最初から作品選びの重要性を知っていれば避けられる失敗でもあります。
ということで、この記事を読んでくださっている皆さんには「読めない洋書を買ってしまった…」という失敗がないよう、注意していただければと思います。

「少し簡単すぎるかも?」と感じる小説を選ぶ
では、実際にどんな小説を選ぶべきかという点についてお話していきます。
この記事では英語初心者〜中級者の人が小説で英語学習をする方法について紹介していますが、初心者〜中級者の人は「自分には少し簡単すぎるかも?」と感じる英語レベルの本を選ぶのがおすすめです。
そもそも、小説で英語学習したい人の心理には「楽しく英語を勉強したい」という気持ちがあるはずです。
にもかかわらず、自分の英語レベルをはるかに超えた難解な小説を選んだらどうなるでしょうか?
わからない英単語が出るたびに辞書を引き、知らない英文法に出くわすたびに用法をネットでググるはめになります。
想像してもらうとわかるとおり、これでは到底、楽しく小説を読むことはできません。むしろ苦痛で、すぐに投げ出したくなるでしょう。
小説での英語学習を楽しく進めるためにも、必ずスラスラ読めるレベルの小説を選びましょう。
「簡単な英語ばかりでは、能力が伸びないのでは?」と思われるかもしれませんが、まったくその心配はありません。
結局、英語力UPに大切なのは「理解できる英語を反復して何度も体感すること」だからです。
簡単な英語であっても、それを何度も読むことで「英語を英語のまま理解できる身体」になっていきます。
関連記事:カンタンな英語で大量に勉強すると、絶大な効果が得られるワケ【英語はやさしく、たくさん】
英語は頭を使う科目のようでいて、じつは”慣れ”が必要な身体を使う科目でもあります。
簡単な英語を大量に読むことで、英語力は確実にUPしますので心配無用です。
以上の理由から、英語学習に使う小説を選ぶときは「簡単すぎるかも?」と感じる作品を選ぶようにしましょう。

ネットのおすすめ洋書を鵜呑みにしてはいけない
英語学習に使う洋書を探している人の多くは、Google検索やインスタグラムなどで「おすすめ洋書」を検索していると思います。
もちろんそこで得られる情報は参考になりますが、【洋書の初心者におすすめの本!】という投稿を見つけてもそれを鵜呑みにしてはいけません。
なぜなら、人によって英語レベルの捉え方が違うから。僕自身、それで失敗した経験があります。
実例を挙げて話をしますが、ネットで【洋書 小説 初心者 おすすめ】というワードで検索すると、多くの記事が ”HOLES”という小説を、初心者向けのおすすめ本として紹介しています。
当時、僕はTOEICスコア600点くらいだったのですが、あまりに多くの記事が”The Hole”をおすすめしていたので「この小説なら自分でも読めるだろう」と思い、内容も確認せずに購入しました。
いざ読んでみると、コレが意外に難しい。読み進めていくものの、断片的な理解だけで内容が頭に入ってこないのです。
「初心者におすすめ」と紹介されていた ”The Hole” であっても、自分の英語力では理解できませんでした。
この経験のおかげで僕は「おすすめの洋書は、鵜呑みにしちゃいけないな…」と痛感。
そこから、ネットの情報は参考程度にするように意識するようになりました。
結局、自分で中身を試し読みするしかない
TOEICスコアも英検も当てになりません。そういった資格もあくまでひとつの目安であり、たとえ同じTOEICスコアを持つ人であっても、個々の英語力にはバラツキがあります。
もっとわかりやすくいえば「”初心者”という言葉の定義は人によってちがう」ということでもあります。
Aさんは初心者向けだと思っている洋書であっても、Bさんからしてみれば「これが初心者向け…?」と感じることもあるわけです。
では、どうすればいいか?結論はいたってシンプルです。自分で本に目をとおして、理解できるかチェックしましょう。わかりやすくいえば、立ち読み(試し読み)をするのがベストです。
実際にその小説を試し読みすることで、語彙レベルもわかりますし、英文法の難易度もわかります。
さらにいうと、自分の興味関心にマッチする内容かどうかも確認できます。
これらの情報は、ネット記事やSNSだけではどうしてもわかりません。小説を自分の目でチェックすることで初めてわかるものです。

気軽に洋書の小説を試し読みする方法
とはいえ、洋書を扱っているのは大型書店など少数に限られているので、気軽に立ち読みや試し読みはできません。
ではどうするか?Kindleをはじめとする電子書籍を活用しましょう。
僕は長年Kindleを使って洋書を読んできましたが、Kindleを使えば洋書の前半部分を無料で試し読みできます。
また、Kindleであれば無数ともいえる小説作品がそろっていますので、自分の英語レベルや興味・関心から、自分に合った1冊を選ぶことができます。
書店で買おうとすると、どうしても品揃えが限られてしまいますが、Kindleストアは作品が非常に豊富です。
絵本から児童書、さらにはガチのネイティブが読む小説まで揃っていますので、これを活用しない手はありません。
Kindleを使えば、小説を使った英語学習が一気に加速しますので、ぜひ使ってみてください。
ちなみにKindleはスマホにアプリを入れれば誰でもすぐに使い始めることができます。
さらに、Kindle Unlimitedという読み放題サービスを活用すれば、洋書を含めた200万冊以上の本が読み放題になります。圧倒的にお得なので、こちらも合わせて活用するのがおすすめです。

「多読」と「精読」を区別して読む
小説を読むときに意識したいのが「多読」と「精読」です。
洋書多読、洋書精読という言葉がよく使われますが、英語学習で小説を読むのであれば、この2つを必ず区別して(意識して)読むようにしましょう。
多読と精読のちがいを簡単に説明すると、以下のようになります。
- 洋書の多読
- ・辞書は引かない
- ・わからないところは読み飛ばす
- ・読めないと感じた本は、スグに読むのをやめる
- 洋書の精読
- ・わからない単語は辞書を引く
- ・英文法の理解、文の構造までしっかり読む
- ・内容もしっかり理解する
おおまかに言うと「辞書を引くか、引かないか」「じっくり読むか、サクサク読むか」という違いがあります。
なぜ多読と精読を区別して読む必要があるかというと、それぞれで選ぶべき本(英語レベル)が異なるからです。
多読は辞書を引かないで読む手法なので、当然ながら辞書なしで読めるレベルの本を選ばないといけません。精読はその反対で、少し背伸びをしたぐらいの難易度の本を選ぶべきです。
もし小説を使った英語学習に「楽しさ」を最優先で求めるのであれば、多読ができるレベルの作品を選びましょう。
一方、辞書を引きながら英単語の意味もチェックしつつ、英文法もじっくり理解して小説を読みたい場合は精読になるので、少しむずかしく感じるレベルの本を選ぶべきです。
ちなみに、僕は多読も精読も両方やっています。
気軽に洋書を読みたいときは簡単なレベルの本で多読をします。
英文読解力などを鍛えつつ、語彙力もUPさせたいときは、少しむずかしい本を読みます。
多読と精読をどちらもやりたい場合には、いろんな英語レベルの本を手元に置いておくのが良いと思います。

英語学習におすすめの小説作品
前置きが長くなりましたが、いよいよ英語学習におすすめの小説を紹介していきます。
くどいようですが、さきほど説明したとおり「英語初心者の定義は、人によってちがう」ということをあらためて念頭においていただきたいと思います。
つまり、ここで紹介する小説作品はあくまでも「僕の思う、初心者向け作品」であって、万人の初心者に合うわけではありません。購入する前に、必ず試し読みをしてほしいと思います。
さて、僕が英語学習におすすめしたい小説は、GR(Graded Readers)のレベル別の洋書シリーズです。
GRというのは、語彙が制限された入門者向けの洋書シリーズのことで、レベルが複数段階に分かれています。
たとえば、日本国内でも手に入りやすい【ラダーシリーズ】というレベル別の洋書(厳密には和書)は、以下のようにレベル分けされています(表は横スクロールできます)。
レベル1 | レベル2 | レベル3 | レベル4 | レベル5 | |
---|---|---|---|---|---|
使用語彙数 | 1000語 | 1300語 | 1600語 | 2000語 | 制限なし |
TOEICスコア | 300〜400点 | 400〜500点 | 500〜600点 | 600〜700点 | 700点以上 |
英検 | 4級 | 3級 | 準2級 | 2級 | 準1級 |
iTEP | 0.0〜1.0 | 10〜2.0 | 2.0〜3.0 | 3.0〜4.0 | 4.0以上 |
表紙例 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
洋書のペーパーバックは全体的にレベルが高く、読んでみないとどれくらいの英語力で書かれているのかわかりません。
しかし、GRであれば最初から語彙レベルで作品が段階分けされているので、自分の英語力に合わせて選びやすく、本選びの失敗を減らすことができます。
ちなみに、GRというのは総称なので、いろんな出版社がレベル別の洋書シリーズを出しています。
GRで最も知名度が高く、作品数が豊富なのは、オックスフォード大学出版局が刊行している Oxford Bookworms (オックスフォードブックワームス)というシリーズです。
Oxford Bookworms | 単語数 | レベル目安(英検) | レベル目安(TOEIC) |
---|---|---|---|
Starter | 250 語 | ー | ー |
Stage 1 | 400 語 | 英検3〜5級、 | 250〜380点 |
Stage 2 | 700 語 | 英検準2級 | 310〜400点 |
Stage 3 | 1,000 語 | 英検2級 | 380〜560点 |
Stage 4 | 1,400 語 | 英検準1級 | 420〜700点 |
Stage 5 | 1,800 語 | 英検準1級 | 520〜750点 |
Stage 6 | 2,500 語 | 英検1級 | 800点以上 |
ラダーシリーズと同じように語彙レベルでステージが分かれていますが、区分けはラダーシリーズより細かく、7段階に分かれています。
日本国内でも、大きな書店なら扱っていることが多く、比較的手に入れやすいと思います。
また、Kindleでも読むことができますし、もちろん試し読みもできます。
僕は基本的に、ラダーシリーズと Oxford Bookworms の2つを使って、洋書を読んできました。
英語学習におすすめの小説については、以下にリストアップしておきます。すべて僕が書いた書評記事にリンクしていますので、参考にしてみてください。
- ▪ ”Les Miserables”(レ・ミゼラブル)【Oxford Bookworms レベル1】
- ▪ ”Sherlock Holmes Short Stories”【Oxford Bookworms レベル2】
- ▪ ”Robinson Crusoe”(ロビンソン・クルーソー)【Oxford Bookworms レベル2】
- ▪ ”Anne of Green Gables”(赤毛のアン)【Oxford Bookworms レベル2】
- ▪ ”Sherlock Holmes and Sport of Kings”【Oxford Bookworms レベル1】
- ▪ ”The Adventure of Tom Sawyer”(トムソーヤの冒険)【Oxford Bookworms レベル1】
- ▪ ”A Little Princess”(小公女セーラ)【Oxford Bookworms レベル1】
- ▪ ”White Death”【Oxford BOOKWORM レベル1】
- ▪ ”The Wizard of Oz”(オズの魔法使い)【Oxford Bookworms レベル1】