本を選ぶときに表紙を見て決めることがわりと多いんですが、みなさんはどうでしょうか。
特に、本屋で本を買う人にとっては、「なんだか光って見える」みたいな本って、だいたい表紙が良いんですよね。
今回紹介する洋書”The Elephant Man”は表紙のインパクトはなかなか。ただ、内容はちょっと裏切られた感じがする、そんな1冊です。
”The Elephant Man”のあらすじ
見た目があまりに醜く、ろくに喋ることもできず、歩きもノロくて誰からも嫌われ、時には蔑まれて嘲笑される男がいた。
彼はその見た目から”The Elephant Man”と呼ばれ、あまりの見た目の酷さに客寄せとしてお店で見世物にされていた。
ある日、1人の医師がお店にたまたま立ち寄る。そして、彼を見た医師は彼に興味を抱く。彼のことを治せないだろうか?
そして医師は彼を病院に連れて行く。しかし、残念ながら彼を治す方法は見つからなかった。
2年が経って、彼と医師は偶然の再会を果たす。しかし、彼は仕事もお金もない状態。困った病院の院長がTimes紙に彼のことを伝えたところ、多くのお金が彼のもとに届いた。
彼はそのお金で病院近くに家を立てて、ひっそりと暮らすことになった。
それまでしゃべることもままならなかったが、少しずつ会話もできるようになり、本もたくさん読むようになった。
彼の数奇な人生は新聞で取り上げられ、ついには国の女王までもが彼のもとを訪れるように。
こうして彼はますます有名になり、多くの人に支えられ、幸せな日々を送るのだった。
と、ここまでハッピーな話題が続くが、ラストはわりとあっけない感じの結末で終わってしまう。
まわりの環境をガラッと変えれば、人生は開けるかもしれない
この話は19世紀末のロンドンで実際にあった話のようです。それを知ってからは「なんてかわいそうな男がいたんだ…」と思いつつ、「まわりの優しい人に支えられると、人はここまで変われるんだ」というちょっとした励みにもなったりします。
”The Elephant Man”ほどではないにせよ、見た目だけでツライ人生を送ってる人はたくさんいると思います。
そういった人も、まわりの環境をガラッと変えることで、人生が大きく切り開ける可能性があるのではないかと本書を読んで思いました。
結局、自分ひとりでできることには限界があって、まわりがいてこその自分なんだと。
まあ、この”The Elephant Man”に出てくる主人公は完全にまわりに頼りっきりだけども。
実話だからか、ストーリーが弱くてがっかり
題材はわりと強烈で、途中まではわりと面白く読めました。
最初の出だしが不幸の連続で、そのあとわりとハッピーな内容が長ーく続くので「これだけハッピーの連続ってことは、大きなオチが待っているな?」と期待していたのですが…。
読み終えた感想としては、全然物足りなかったです。実話だから仕方ないのかもしれませんが、結末に至る展開が急すぎるし、「このダラダラと続く幸せなエピソードってなんの意味があるの?」と思ってしまいました。
うーん、題材がインパクト大なだけに、ちょっと期待ハズレでしたね。ただ、これだけ少ない語彙でここまで書けるのはすごいとは思いました。
読みやすさという点では多読向きですが、作品としての面白さは求めちゃダメかなという印象です。
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