『基本文法から学ぶ 英語リーディング教本』(通称、黄リー教)を読み始めて、263ページまでたどり着きました。進捗度でいうと半分くらい。
この段階で、黄リー教に対して思うところがあったので、記事にしてみようと思いました。
途中経過だけど、現在進行形で勉強してるときの心境とかを書いておくのも意味があると思ったので。
余談ですが、黄リー教という略称は「黄色い表紙のリーディング教本」に由来しています。同じ著者の本で「青い表紙のリーディング教本もあり、それと区別するためにこの略称が生まれたと思われます。
【結論】良書だけど、覚悟がないと挫折必至
まず、黄リー教は間違いなく良書です。なぜかというと、英文をここまで細かく分解して説明している文法書は他にないから(僕の知る限り)。
そもそも、僕が黄リー教を買ったのは、いろんな参考書や問題集で勉強をしてきたのに「英文法を芯から理解できてる感覚が全然ない」と感じたからです。
おそらく、僕と同じような感覚を持っている人は多いと思います。
なんとなく英文の意味は読み取れるけど、自信はないし、ちょっと難解な構文とかが出てくるとお手上げという感じ。TOEICスコアはそこそこ高いのに、自信は全然ない。
それを打破したくて黄リー教を手に取ったわけですが、数多くの教材をやってきた自負がある僕からすると、黄リー教の解説の「深さ」は圧倒的だと思います。
「英文法を芯から理解したい」「やり直し英語で0から英文法を学びたい」という人にとって、心からおすすめしたい本です。
「学生時代にこの本に出会っていたら…」と思わずにはいられません。
黄リー教に挫折しやすい「3つの原因」
しかし、そんな黄リー教も手放しでおすすめできるわけではありません。いや、本当は心からおすすめしたいんだけど、誰もがこの本を”完走”できるわけではないなと思っています。
僕の例でいうと、途中までは順調に読み進めることができたのですが、【分詞構文】のあたりから一気に複雑になり、心が折れかけました。
なぜ、黄リー教を続けるのがむずかしいのか?その最大の理由は、以下の3つに集約されます。
- ①「黄リー教ならではの独自ルール」
- ②「繰り返される説明」
- ③「暗記ありきで解説が進む」
1つずつ説明していきますね。
①「黄リー教ならではの独自ルール」がむずかしい
購入前の人は、Amazonのサンプルや書店で立ち読みでもいいので、ぜひ黄リー教に目を通してみてください。きっと、黄リー教が纏う独特の雰囲気を感じてもらえるはず。
Amazonの商品ページに載っている画像を引用しておきます↓
上記画像は内容がはじまったばかりなので、そこまで複雑ではありません。が、内容が進むに連れて矢印も複雑になり、ルールを覚えていないと理解できない内容になってきます。
初見だと「超むずかしそう」「複雑すぎて自分には理解できない」と感じる人が多いでしょう。
さらに雰囲気を知ってもらうために、僕が黄リー教で勉強しながら書いているノートを以下に掲載します。
おそらく、多くの人が「なんかやたら複雑そうなことやってんな…」と感じるはずです。
赤ペンで修正してるので余計にややこしく見えますが、こういう感じで英文を書いて、各品詞がどのように関連づいているかを矢印でつないだりするのが黄リー教流のやり方です。
助動詞の下には aux と書いて、副詞の下には ad と書いて、補語には C を書いて、準動詞の下にはT字を書いて前と後の働きを書いて…みたいなことを永遠とやります。
さらに、副詞節や準動詞では本書ならではの表記が出てきたりするので、非常に複雑です。
「黄リー教を理解するための独自ルールを別で覚えないといけない」という負担が生じるところが、挫折を招く大きな要因になっていると個人的には思います。
ただ補足しておきたいのですが、実際に黄リー教で勉強していくと「コレをやるから英文法を芯から理解できるだな」と強く実感できるのです。
一見無意味に思える独自ルールも、英文法の理解に欠かせないものなんですよね。
著者の薬袋善郎先生も、こんな感じで述べてます。
真ん中辺りをパッと開いてちょっと読むと「わーこれ無理。」ってきっとなります。でも、1ページ目から順番に読んで質問に答えていくと、必ずわかるようになりますよ!本書を読み進めるうちに、英語のメカニズムがわかり、一語一語を意識的にコントロールできることが、楽しくて仕方なくなります。(Amazon商品ページより)
②「繰り返される説明」に飽きてくる
黄リー教は本当に親切な英文法書で、一度説明した内容が何度も繰り返し出てきます。
著者の薬袋善郎先生も、あえてやっているというか「繰り返し説明することで理解が深まる」ということで、何度も説明してくれているのだと思います。
とはいえ、やはり実際に勉強をしていると「何回やらなきゃいけないんだ…」という気持ちになるのも事実。
復習って得てして楽しくないというか「もうわかってるからやらなくていいでしょ」という気持ちになってしまうんですよね。
でも実際は、わかっているつもりでも記憶の定着にまでは至ってないことがほとんどなわけです。
「何度も反復しないと、英語力は身につかない」というのを、腹の底から納得してないと、黄リー教の繰り返される説明にただ嫌気がさしてしまいます。
③「暗記ありきで解説が進む」
もう一つ、黄リー教は文法用語の徹底的な暗記が求められます。
「助動詞の4種類を言いなさい」とか「名詞節を作る従属接続詞は?」といった質問が何度も繰り返されるので、それがメンタルを削ってきます。
そして、暗記があいまいな状態で読みすすめると「ん?これってどういうことだっけ?」と理解できなくなり、挫折につながってくるのです。
また、わからないと前のページを読み直す機会も増えるのですが、それを繰り返していると「全然先に進めない…」という焦りやもどかしさも出てきます。
とはいえ、黄リー教を読み進めた僕からすると暗記も「大いに意味のあること」だし「英文法の理解に超役立っている」と自信をもっていえます。やるのはツライけど。
黄リー教は「最後にたどり着く本」なのかも?
「いろんな教材を通ってこないと、黄リー教の良さには気づけないかも?」というのが僕の感想です。
さっきも説明したように、僕はさんざんいろんな教材をやった挙げ句に黄リー教にたどり着きました。だからこそ、この本の凄さがわかるのです。
でも、もし英語学習を始めたばかり人が黄リー教を買ったら、あまりのクセ強や複雑な解説に嫌気がさし、他の教材に手を出したくなると思います。
「こんな複雑で面倒なことやりたくないよ。他の本で勉強しよ」となるでしょう。
黄リー教を絶対視するわけではないけど、いろいろな教材で勉強しても、本気で英文法を理解したいという意志がある人は、結局また黄リー教に戻ってくるんじゃないかと僕は思います。
原書や英語ニュースを正確に読み取りたいという気持ちが少しでもあるなら、黄リー教に挑戦する価値はあるはずです。
こんな人に黄リー教を読んでみてほしい
実際に黄リー教で勉強してみて、やっぱり万人にはおすすめできない本だと思いました。クセはマジで強いです。
でも、この本に出会ってなかったら、「一生テキトーに英語を読んで理解したつもりで人生終わっていたんだろうな」とも思います。
人を選ぶ本なのは間違いないです。というわけで、こんな人はぜひ黄リー教を読んでみてください。
- ・もうそろそろ、いい加減な英文読解をやめたい
- ・英文法の構造を細かく理解したい
- ・原書や英語ニュースを読めるようになりたい
- ・仕事で英語を正確に読むスキルが求められる
- ・いろんな教材やったのに、英文法に自信がない
僕は完全に「黄リー教」の信者になってしまったみたいなので、最後まで走り続ける所存です。
残りの半分、心が折れないように(適度に休みながら)コツコツ続けていこうと思います。