僕は最近、「1つのテーマを決めて、そのテーマに関する本しか読まない運動」に取り組んでいます。
具体的には「今月は読書術の本だけを読もう」と決めて10冊ほど読書術の本だけを読む期間にしました。
テーマを絞って集中的に読むようにしたら、思わぬメリットを実感することができたので、くわしく解説します。
【結論】同じテーマの本を何冊も読むと、自分の意見が持てる
最初に結論からいうと、同じテーマの本を何冊も読むことで、自分の意見が持てるようになります。
なぜなら、本によって書かれていることが異なるので、最終的には自分で判断をして「これが正しいだろう」と決定を下す必要が出てくるからです。
たとえば、読書術の本を読んでいるとしましょう。本によって以下の2つの対立する意見(A・B)が書かれています。
- Aの本「わかるところだけを読んで、それ以外は読み飛ばすべき」
- Bの本「わからないところは、返り読みして前後関係を探るべき」
さて、AとBの意見はそれぞれ意見が異なり、完全に対立しています。
Aの本、Bの本を読んで、きっとあなたはこう考えるはずです。
「わかるところだけを読むべきか、わからないところもじっくり読むべきか」
そして、何らかの結論を出すことになります。
「自分は本をたくさん読みたいから、Aの本の意見を取り入れよう」
こんな具合に、複数の意見を知った上で自分にとって最適な考え方を取り入れることができるようになります。
その意見に賛同して取り入れるだけではなく「読み飛ばすことも大事だけど、ページによっては精読が必要だろう」という自分なりの考え方を持つこともできます。
これが、1つのテーマ で複数冊の本をまとめて読むメリットです。
1つの行動に対して、良い面と悪い面を知ることができる
1つのテーマで複数冊読むメリットを知るためには、「1つのテーマを1冊しか読まない」という真逆の行動を考えるとわかりやすいです。
読書術の本を読んでいて、そのなかに「本の目次は読む必要はありません」と書かれていました。
あなたはその本1冊しか読んでいませんから「なるほど、じゃあ目次は読み飛ばそう」となるでしょう。
しかし、じつは他の本には「目次をしっかり読み込んで情報を拾い読みしよう」と書かれていたりします。
1冊しか読んでいないと、目次を読んで拾い読みをするメリットにも気づけません。速読をするうえで不利になりますし、目次を読むことで本の全体感を掴めるという効用も活かせません。
反対に、目次を読まないことで余計な先入観を持たずに読書ができたり、読書時間を削減することもできます。
このように、「目次を読む」という行動の良し悪しを知るには、複数冊の本を読む必要があるわけです。
なるべく短期間で集中的に読んだほうが良い
僕がここで言っている「集中的に」というのは、一定期間は特定のテーマについて書かれた本だけを読むことを意味します。
たとえば世界史を学ぶなら、10冊の本を1ヶ月かけてみっちり読むということです。
人によっては、「わざわざ1ヶ月にしなくても、6ヶ月とかでもいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、それだと時間が空いてしまうので、前に読んだ本の内容を覚えてない可能性があります。覚えていたとしても、複数の本を比較できるほど明確に記憶しておくのはむずかしいでしょう。
ですから、なるべく短期間で複数冊を読んで、そのうえで「自分の考えは○○だ」という結論に至ったほうが、正確な意見や考え方を持つことができます。
これが、短い期間で集中的に1つのテーマについて本を読むべき理由です。
いろんな著者の、いろんな意見の本を読む
同じ意見ばかりの本を読んでしまうと、1つの考え方が強化されすぎてしまい、視野が狭くなります。
なので、いろいろな意見・価値観で書かれた本を読んだほうが良いです。
たとえば読書術の場合、本によって以下のようにバラバラな主張が見られます。
- 「必要なところを拾い読み(速読)すればOK」
- 「なるべく精読して、丁寧に情報を読み込むべき」
こんな感じで、著者がちがうので意見が違って当然です。
もし「必要なところを拾い読みすればOK」という考え方で書かれた本ばかりを読んでいると、あなたの読書観は「拾い読み=速読」で強化されてしまいます。
でも、場合によっては、速読よりも精読でゆっくり読んだほうが良い本もあるわけです。速読本ばかり読んでいると、精読のメリットに気づけません。
特定の著者が書いた本ばかりを読むのは、良し悪しあるということです。
好きな著者がいるのは素晴らしいことですが、その著者の意見ばかりを取り入れていると、かなり偏った考え方を持ってしまうかもしれません。
ですから、本を選ぶときはなるべく意見や結論が異なる本を選んだほうが、いろんな価値観に触れることができます。
最初は「意見」よりも「情報」が書かれた本を選ぼう
もしそのジャンルについて知識がなく、これから本を読んで身につけていこうという場合、まずは入門書を読むことをおすすめします。
いきなり難しい本を読んでも理解できないというのも1つの理由ですが、それ以上に基礎がしっかりしていれば、難しい本を読んだときの理解度がアップするからです。
ですから、最初は入門書を読むことになるんですが、注意したいのは選び方です。
具体的には「意見」が書かれている本ではなく、「情報」が書かれているを最初に選ぶべき。
意見というのは、本を書いている著者の考え方が色濃く反映されています。いきなり意見を読んでしまうと、その意見にどっぷり浸かることになるので、視野が狭くなる可能性があります。
ですから、最初に読むべきは「事実としての情報が書かれた入門書」です。
最初に情報としての知識を身につけておけば、最低限知っておくべき内容が頭に入りますから、そのあと読む本の理解度がアップします。
そして、情報を知っていれば意見に対して批評的になることもできるので、自分の考えを持つこともできるようになるはずです。