海というのは僕たち生物にとって不可欠な存在なのですが、海の知識って意外と知らないことだらけなんですよね。
たとえば「なんで干潮と満潮って起こるの?」とか「そもそも、なぜ海と陸は分かれているの?」とか。知らない人は多いと思います。
このあたりの疑問にわかりやすく答えてくれるのが、本日の1冊 “Oceans”(Oxford Bookworms レベル2)です。くわしくレビューしていきます。
なぜ海と陸は分かれているのか?
まず最初の疑問は「海と陸」についてです。
僕たちは当たり前のように陸で生活し、海を眺めていますが、冷静に考えたら陸と海が分かれているのって謎ですよね。
海と陸が分かれている理由は、岩の種類にあります。つまり、地殻がどの種類の岩なのかによって、海と陸が分けられるということです。
In fact, the land of our continents is made of a different rock from the land under our oceans.
このあたりは専門用語も出てくるし、細かい説明なので理解するのが少しむずかしく感じるかもしれません。
かんたんに説明しておくと、地殻をつくる岩には「玄武岩(basalt)」と「花崗岩(granite)」の2種類があります。
海の地殻は玄武岩(basalt)です。玄武岩(basalt)のほうが花崗岩(granite)よりも重く、沈みやすいという特性があります。
つまり、海と陸では地殻をつくる岩の種類がちがうということなんですね。玄武岩(basalt)のほうが重いから、海になったというわけです。
実際の英文ではこんな感じで書かれています。mantle(マントル)、crust(地殻)という用語が少しむずかしいですが、それ以外はわかりやすいかなと思います。
But basalt is heavier than granite, so the basalt crust sinks more deeply into the mantle than the granite crust. That is why our continents are higher than our oceans.
なぜ満潮と干潮があるのか?
海には潮が引くときと、潮が満ちるときがあります。引き潮(Low tide)と満ち潮(High tide)というやつです。
僕はこの本を読んで、今さらながら引き潮と満ち潮の仕組みを知りました。
結論からいうと、干潮と満潮があるのは、月の引力によるものです。
月が地球上の海水を引っ張ることで、引っ張られたエリアは満潮になり、そうでないエリアは干潮になります。
As the Moon moves around the Earth, it pulls the oceans with it. This is called gravity. The Moon’s gravity makes two waves – one on the side of the Earth nearest to it, and one on the side furthest from it. Because the Earth is turning to the east, the waves travel to the west. These two waves are the two high tides that move up our beaches each day.
ちょっとこれだけだとイメージしづらいと思いますが、学研のサイトに良いイラストがありました。
地球は回っていますから、月の引力の影響を受ける場所は常に変わっています。そして、左図を見てもらうとわかるとおり、干潮と満潮のエリアはそれぞれ2箇所です。
また、月だけでなく太陽の引力も影響していて、月と太陽の引力がちょうど重なるときには「大潮」となり、そのエリアは水位が通常よりも増えることになります(右図)。
と、本書とは関係のない図を使っての説明になってしまいましたが、潮の干満について知ることができたのは、個人的にうれしい出会いでした。
ちなみに、場所によって月の引力による影響度は大きく異なります。たとえば、カナダにあるファンディ湾では、1日に16メートルも水位が変わるようです。
In the Bay of Fundy, for example, in the east of Canada, the sea is sometimes sixteen metres higher at high tide than it is at low tide on the same day.
it などの代名詞を読み取る力が必要
この本は Oxford Bookworms レベル2ですので、洋書レベルとしてはそこまで高くありません。
ちなみに、レベルは以下のように分かれています。
単語数 | レベル目安(英検) | レベル目安(TOEIC) | |
---|---|---|---|
Starter | 250 語 | ー | ー |
Stage 1 | 400 語 | 英検3〜5級 | 250〜380点 |
Stage 2 | 700 語 | 英検準2級 | 310〜400点 |
Stage 3 | 1,000 語 | 英検2級 | 380〜560点 |
Stage 4 | 1,400 語 | 英検準1級 | 420〜700点 |
Stage 5 | 1,800 語 | 英検準1級 | 520〜750点 |
Stage 6 | 2,500 語 | 英検1級 | 800点以上 |
ただ、実際に読んでみると、以下のポイントで苦戦しました。
- ・専門的な英単語
- ・代名詞( it や them )が多い
海について解説する本なので、むずかしい英単語は仕方ないと思います。僕は語彙力UPのつもりで調べつつ読みました(Kindleの辞書機能を活用)。
そして、もう一つ苦戦したのが代名詞です。すでに気づいている人もいるかもしれませんが、さきほど引用した文は it のオンパレードでした。
もう一度引用します。「月の引力によって潮の満ち引きが起こる」という内容の英文です。
As the Moon moves around the Earth, it pulls the oceans with it. This is called gravity. The Moon’s gravity makes two waves – one on the side of the Earth nearest to it, and one on the side furthest from it. Because the Earth is turning to the east, the waves travel to the west.
同じ名詞を繰り返さないように it を使っているわけですが、洋書入門者にとって it や them などの代名詞はクセ者です。
最初のうちは「この it はどれを指しているんだろう?」と返り読みが必要になってきます。
慣れてくればスラスラと読めるようになるので、これも洋書トレーニングの一環として読んでいくしかないでしょう。
こんな感じで、英文については読みにくさを感じる部分もあります。個人的には、レベル2にしてはむずかしいかな?と感じました。
とはいえ、内容については読み応え十分なので、海について興味がある人や一般常識として教養を身につけたい人にはおすすめの1冊です。