本を読みたいと思って読書を始めたはいいけど、「なんか、頭に入らない…」ってことありませんか。
僕も以前までは頭に入らないことが多々あって「あー、自分は集中力がないんだな」とか「読解能力が低いんだろうか…」と悩むことがありました。
本の読み方を色々と試してみるなかで、読書内容が頭に入らない原因は2つあることがわかりました。
それは「本の選び方」と「本の読み方」です。
この2点をちょっと変えるだけで、読んだ内容が驚くほど頭に入るようになります。くわしく見ていきましょう。
「本選び」は読書の理解度を決定づける最重要項目
1つ目は「本の選び方」です。
どの本を選ぶかによって、頭に入る・入らないは8割方決まってしまうと言っても過言ではありません。
さて、本を選ぶとき特に意識すべきことは以下の3点です。
- ・興味があるテーマの本を選ぶ
- ・自分の知識、読解レベルにあった本を選ぶ
- ・分厚い本は避ける(特に読書に不慣れな人)
本当に興味が持てるテーマの本を選ぶ
まず最初に意識すべきことは、自分が本当に興味が持てる内容の本を選ぶことです。
読書が頭に入らない人の多くは、以下のような感じで本を選びがちです。
- 「ベストセラーの本だし、とりあえず読んでおくか」
- 「こんな難しそうな本、スタバで読んだらカッコいいよな」
「とりあえず話題についていきたい」とか「スタバでドヤりたい」という動機で本を選ぶのは、たしかに本選びだけのことを考えるならラクかもしれません。
ただ、本来の読書の目的を考えると、そういった安易な本選びは避けるべきでしょう。
なぜなら、上記のような本の選び方はまったく自分本位ではないからです。
「まわりの話題に合わせたい」とか「カッコつけたい」というのは完全に他人の目線が介在してしまっています。
それでは、自分が本当に読みたいと思える本を選ぶことはできません。かくいう僕も、読書がうまくいかないときは「見栄」で本選びをしていることが多かったです。
本来、「自分本位」という言葉はあまり良い意味で使われません。しかし、こと読書においては「他人の目なんか関係ない。自分が読みたいと思う本を選ぶんだ」という姿勢をとることがなにより重要です。
自分本位な読書を続けていけば、本選びの精度が確実にアップします。すると「頭に入らない」という悩みは解消し、ひいては本を読むことがどんどん楽しくなっていくでしょう。
自分の知識・読解レベルにあった本を選ぶ
もうひとつ重要なのが、「自分のレベルに合った本を選ぶ」ということです。
本を選ぶのは楽しい作業であると同時に、わりと辛い作業だったりします。
なぜなら、自分にドンピシャでハマる本を見つけるのは簡単なことではないからです。
僕も本選びは楽しくて好きなんですが、毎回苦労しています。
本の表紙を見た瞬間に「これ、面白そう!」と思ってパラパラ読んでみると「なんだこれ、めちゃ難しいやつじゃん…」というケースが多々あるからです。
少し話がそれましたが、大事なことは「自分のレベルに合った本」を見つけることです。
言い方を変えると、自分のレベルに合った本を選べないと、読書しても頭に入りません。
これは極端な例ですが、お医者さんが読むような医学書を素人が読んでも頭に入ってこないですよね。
つまり、用語や知識がない状態で背伸びをして本を選んでも、水泡に帰すだけ。ムダな読書になってしまうのです。
これは「こんな難しい本を読めたらかっこいいよな」という本選びがNGなのと関係してきます。
「こんな本を読めたらいいな」と願望を抱くのは悪くありません。問題なのは、それを実際に買ってしまうことです。
もし「これを読みたい」という目標が見つかったとしても、その本命はいったん置いときましょう。まずは周辺知識を得るために入門書などを読んでいくことを優先します。
最終的な目標(読みたい本)があれば、そこに至るまでの読書も楽しく感じられるはずです。
余談として、僕のケースをご紹介します。興味のない方は読み飛ばして下さい。
『ヒトラー演説』という本を読みたいと思っていたんですが、軽く読んでみると歴史用語が多くてけっこう難しそうなので、ためらっていました。
ただ「周辺知識を身につければ、案外読めるかも?」と思ったので、僕は以下の2つの対策をとりました。
- ① 世界史の入門書を読む
- ② ヴェルサイユ条約についてネットでひたすらググる
①は『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』という本を読みました。
②については、『ヒトラー演説』の中で「ヴェルサイユ条約」という用語が何度も出てくるので、これはきちんと理解しておかねばと思い、ひたすらググりました。
この2つを行ったおかげで、途中で挫折しそうと思われていた本を最後まで読み切ることができました。
分厚い本は避ける(特に読書に不慣れな人)
ようするに「分厚い本にはむやみに手を出してはいけない」ということです。
本が好きな人あるあるだと思うんですが、本屋で分厚いハードカバーの本を目にすると、心がときめいてしまうんですよね。僕もテンションが上がったとき、たまに買ってしまいます…。
これは内容うんぬんではなく「本そのものに魅力を感じてしまう現象」でして、少し前の例になりますが、『21世紀の資本』という本が刊行されたときはヤバかったですね。
絶妙な本の分厚さと装丁の圧倒的な美しさ。そして、文面から漂う、恐ろしいほどの難解さ。僕は本屋の店頭で『21世紀の資本』を目の前にして、何度も悩みました。
これを読破できたら、どれほどの充足感が得られるのだろうか…と。
欲しい。でも、買ったところで絶対に挫折するのは目に見えている。
散々悩みましたが、結局買いませんでした。
いまになって思うと、買わなくて正解だったと感じています。冷静になって考えてみれば、絶対読めないので。
というわけで、「分厚い本だから」という理由で惑わされないようにしましょう。
そして、読書に不慣れな人は、どんなに自分の興味がそそられる本だったとしても、分厚い本は買わないことをおすすめします。
頭に入らないのは「本の読み方」に問題があるから
まずは最初のハードルである「本選び」をクリアしました。
次は「本の読み方」を見直しましょう。これさえクリアできれば、「本の内容が頭に入らない」という悩みは解消できます。
さて、「本の読み方って何だ?」という話なんですが、ひとことで表すのであれば【本の内容を誰かに教えるつもりで本を読む】ということです。
これは読書術の解説でよく紹介される、テッパンの読み方です。ようするに、「この本の内容を、誰かに説明するつもりで読もう」ということ。
もちろん友達や家族など、他の誰かに実際に説明するのがベストです。
誰かに説明(アウトプット)するためには、「本の要点」「自分がおもしろいと感じたところ」をおさえておく必要があります。
つまり、頭に入らないということが起こりえません。なぜなら、本の内容を頭に入れざるを得ないから。
誰かに説明するつもりで読むというのは、読書ノートやブログでもいいですし、XやInstagramなどでの発信でもかまいません。
おもしろいと感じたところをピックアップして読むようにすれば、おのずと本の内容は頭に定着しやすくなります。