僕は物書堂(ものかきどう)というアプリを活用して英語の辞書を使っています。
物書堂は、複数の辞書をダウンロード(購入)して、横断検索ができるので非常に便利です。
メインの辞書はウィズダムなのですが、最近『新英和大辞典』の素晴らしさを痛感する機会が多々ありました。
なにが素晴らしいのかというと、類義語の説明が豊富でわかりやすいということです。
たとえば「面白い」という意味を表す英単語として、interesting がありますよね。しかし、それ以外にも amazing, incredible, awesome, fun, intriguing など「面白い」にはたくさんの表現方法があります。
こういう類義語に直面すると「どう使い分ければいいの?」「ニュアンスはどう違うの?」という疑問が湧いていきます。
『新英和大辞典』はまさしく、使い分けやニュアンスの違いを簡潔に説明してくれる素晴らしい辞書です。
「面白い」の類義語はネットで調べればゴロゴロ出てくるので、ここでは一例として(ちょっとマニアックな)insipid「味気ない」という英単語について取り上げたいと思います。
以下の説明は、『新英和大辞典』からの引用です。
- 「味気ない」を表す英単語①
- ■ insipid, vapid 《軽蔑》
- (食べ物が)味がない、(人・本・会話など)興味・生気のない
- 用例:insipid food 味のない食べ物 / an insipid speech 面白味のない話 / a vapid blonde 退屈な金髪女
- 「味気ない」を表す英単語②
- ■ flat
- (ビールなど)気の抜けた、退屈で活気がない
- 用例:flat beer 気の抜けたビール / a flat joke 面白くない冗談
- 「味気ない」を表す英単語③
- ■ banal 《軽蔑》
- (言葉などが)うんざりするほど面白味・独創性に欠ける
- 用例:banal remarks 月並みな言葉
- 「味気ない」を表す英単語④
- ■ jejune 《軽蔑》
- (主に書き物が)退屈で面白くない
- 用例:jejune writings 無味乾燥な書き物
こんな感じで「味気ない」の類義語が詳細に説明されています。用例までばっちり載せてくれているので、使用されるシーンや文脈のイメージがつきやすいですよね。
「同じ類義語見るだけならウィズダムでもいいのでは?」と思われるかもしれませんが、じつはウィズダムには「味気ない」の類義語の説明は載っていません。
ウィズダムで insipid を調べても、非常にシンプルでまさしく味気ない解説しか載っていません。
一方の新英和大辞典では、以下のように語義も豊富で、先ほど引用したような類義語もわかりやすく解説されています。
もちろん、英単語によってはウィズダムのほうが詳しく解説されていることも多いので、insipid という単語だけで辞書の優劣をつけられるわけではありません。
ここで言いたいのは、【ウィズダムと新英和大辞典は補完関係にある】ということです。
わかりやすくいうと「ウィズダムの解説では物足りないときに新英和大辞典を引くと、まさしく欲しい解説が載っていた」という感じ。足りないところを補い合っているんですよね。
僕が長年使ってきた印象から言うと、わりと平易でやさしい単語はウィズダムが強く、難解な単語は新英和大辞典が強いという感想をいだきました。
僕はいま英検1級の勉強をしていますが、そのレベルだとウィズダムでは解説が足りません。新英和大辞典を参照することのほうが多いです。
さきほども示したとおり、英単語によってはウィズダムのほうが解説や用例が豊富なこともあるので、優劣をハッキリつけることはできません。
優劣というよりは、2つの辞書を使い分けるのが効果的な使い方なのかなと思います。
おすすめとしては、英語学習の初級〜中級レベルはウィズダムで。上級レベルになったら新英和大辞典で。という感じで使い分けるのが良いと思います。
いずれにせよ、ウィズダムと新英和大辞典が揃っていると向かうところ敵なしといいますか、単語や語彙の取りこぼしがほぼなくなるので、辞書ツールとしては完璧に近くなります。
新英和大辞典は高いのですが(通常価格14,000円!)、長い目でみたら十分に買う価値はあると思っています。安く買いたい人は、セール期間中を狙うのがいいかもしれません。定期的にアプリのセールをやっているので。
ちなみに、物書堂のアプリはスマホ・タブレット・PCで使えるので自由度も高いです。物書堂アプリのくわしいレビューを以下の記事をどうぞ。