「禁止する」という英語表現はニュアンスや意味によって単語を使い分ける必要があります。
今回は prohibit, forbid, ban の3つの単語の違いを例文を交えながら解説していきます。
なお、意味や例文などは「ウィズダム英和辞典」を参考にしています。
prohibit = 法律などルールで公的に禁止する
まず最初は prohibit から。こちらは「法律・法令などのルールによって公的に禁止すること」を意味します。
- Smoking is prohibited in all public areas.
- 公共の場での喫煙は禁じられている。
- Drivers are prohibited from drinking any alcohol.
- 運転者は飲酒を禁じられている。
- The present situation prohibits me from going abroad.
- 現在の状況では海外へ行くことは不可能だ。
prohibit を使う場合、禁じられている主体(誰が・何が禁じられているのか?)を示す方法が2つあります。
1つめは受動態における「主語」が禁じられている場合です。Smoking is prohibited in all public areas. という場合、主語である Smoking が禁じられています。
2つめは prohibit A from doing 〜 という形をとるときの 目的語 A です。The present situation prohibits me from going abroad. という例文では me が海外に行くことを禁じられています。この場合は me が意味上の主語と考えることもできそうです。
ban = 公式に物事や特定の行為を禁じる
2つめの ban 「公式に物事や特定の行為を禁じること」です。
こちらも prohibit と同じく法的に禁止することを意味します。prohibit と同じような文脈で ban が使われることもあるので、両者の区別はあいまいな感じです。ウィズダム英和辞典では、ban と prohibit について以下のように書かれています。
banは公式に事や物の使用を禁じたり、人に特定の行為をしないよう禁ずることをいう
prohibitは(かたく)で、特に法律によってはっきりと事を禁ずることをいう
たとえば「喫煙を禁止する」というのは、prohibit も ban も両方使われます。
- ban smoking in public places
- 公の場所での喫煙を禁止する。
また、ban は prohibit と同じように ban A from doing という形で用いられることも多いです。
- He is banned from the game
- 彼は試合への出場を禁じられている。
ちなみに、SNSなどでの「アカウント停止」を意味する俗語「垢BAN」「BANされた」という言葉は、まさしく ban という単語に由来しています。
forbid = おもに私的・個人的に禁じる
3つめの forbid は「私的・個人的に禁じること」を意味します。prohibit と ban と大きく違うのは「forbid には必ずしも法的・公式的なニュアンスは含まれない」ということです。
たとえば、健康診断で医者からアドバイスを受けて特定の行動を制限されたような例文がわかりやすいと思います。以下の文は「禁じている」という言葉が使われているものの、公的・法的なニュアンスは含まれていません。
- The doctor forbids me from smoking.
- 医者は私に喫煙を禁じている。
また、forbid は 過去分詞形の forbidden という形で使われることも多いです。
- This is the forbidden area.
- ここは立ち入り禁止区域です。
- forbidden love
- 禁じられた恋
- ※Youtubeなどで検索すると同名の曲がたくさん出てくる
prohibit, ban, forbid のちがい【まとめ】
- ・prohibit 公式的に法律などで禁ずること
- ・ban 公式的に物事の使用や特定の行為を禁ずること
- ・forbid 私的あるいは個人的に特定の行為を禁ずること