英検1級合格に向けて、コツコツと語彙力の強化を図っています。
英単語帳の王道【パス単】をアプリで続けていたのですが、何度やっても覚えられない自分がいました。
「これは、ちょっとやり方とか単語帳を変えないとヤバいかも…」と思い始めたので、思い切って『出る順で最短合格! 英検1級単熟語EX』(ジャパンタイムズ編)を買いました。
英検の英単語帳では定番書となっている「パス単」との比較を交えつつ、使ってみた感想をレビューしていきます。
※追記:単熟語EXは新版(第2版)が出ています。収録語数も増えて、内容も充実しているので、これから買う人は新版をおすすめします。
【結論】単熟語EX、買ってよかったです
最初に結論からお伝えすると、単熟語EXを買ってよかったです。英検1級の単語帳で悩んでいる人には、単熟語EXををおすすめします。
ひとまず要点だけまとめると、こんな感じです。
- 単熟語EXの良いところ+欠点
- ・収録語数がパス単よりも多い
- ・Unit別で勉強計画が立てやすい
- ・例文が短いので、効率的で時短になる
- ・同義語も載ってて意味がつかみやすい
- ・紙質が単熟語EXのほうが◎
- ・【欠点】音声が使いづらい
というわけで、1つずつ深堀りしていきます。
収録語数がパス単よりも多い
パス単と単熟語EX、どちらにすべきか迷っている人は多いと思います。僕は両方持っていて、以前まではパス単を使っていました。
使ってみた感想としては、パス単よりも単熟語EXのほうが好きです。
まず収録語数についてですが、単熟語EXは2,800語超、パス単は2,400語です(どちらも単語・熟語を含む)。
この時点で、単熟語EXに軍配が上がります。もちろん、収録語数だけで優劣をつけられるわけではありませんが、それ以外の要素を勘案しても、僕は単熟語EXのほうが総合的に優れていると思います。
なお、パス単およびパス単アプリについては以下の記事でくわしくレビューしています。
Unit別で勉強計画が立てやすい
僕は英単語帳をやるときに、必ずセクションに分けて勉強計画を立てます。ようするに、「1日に100単語やる」みたいな感じで進めていくわけです。
そのときに、英単語帳自体がセクションごとに区切られて作らえれていると大変助かります。
単熟語EXは全部で10Unitに分かれており、1つのUnitあたり250語前後です(Unit9〜10は熟語)。
人によって1日の量は異なると思いますが、僕にとっては1Unitあたり250語前後がちょうどよく、学習を進めやすいです。
「1日で250語もやるの?」と思うかもしれませんが、英単語は大量の反復が大切なので、1単語1回あたりにかける時間を短くして、それを何周もしたほうが身につきやすいです。
ちなみに、パス単は5訂版になってから「100単語区切りで合計21セクション」という構成になったので、こちらも学習計画は立てやすいです(4訂版は区切りが微妙で使いにくかった)。
例文が短いので、効率的で時短になる
僕が単熟語EXを使ってみて、最も良かったと感じたのは見出し語の例文が短いことです。
これはパス単との比較になってしまうのですが、単熟語EXはパス単よりも例文が短いので、効率的に見出し語を覚えられるんですよね。
単熟語EXとパス単で例文を比較してみましょう。以下は【abide by 〜 :(規則などに)従う】という熟語の例文です。
単熟語EX
If you fail to abide by the law, you will be punished.(12語)
パス単
The boy was warned that if he did not abide by the school’s rules, he would be expelled.(18語)
例文が長いと、見出し語以外にかける時間がムダに長くなってしまいます。
1例文ぐらいならたいしたことないですが、全部で2,000以上の単語をやるわけですから、トータルでかかる時間にはかなりの差が生まれます。
ちなみに、英検1級レベルの英単語は必ず例文と合わせて覚えるのがおすすめです。
僕は以前まで、パス単のアプリで例文を交えずに気合いで単語を覚えようとしていましたが、何度反復しても覚えられない単語がありました。
しかし、単熟語EXの効率的な例文で勉強し始めたところ、以前まで覚えられなかった単語があっさりとわかるようになったのです。
もちろん、パス単のような長い例文にも良いところはあるので、結局は好みの問題になると思います。とはいえ、効率重視なら間違いなく単熟語EXがおすすめです。
紙質が単熟語EXのほうが◎
些末な違いに思われるかもしれませんが、紙質については単熟語EXのほうが良いです。厳密にいうと、個人的に好みです。
わかりやすくいうと、単熟語EXの紙質はザラザラ。パス単はツルツル。
「本来の意味での紙質」でいったら、パス単のほうが質は高いのかもしれませんが、僕は単熟語EXの紙質が好きです。
まず、書き込みをするときに単熟語EXの紙質は書きやすい。ボールペンはもちろん、シャープペンでも書き込めます。ザラザラしてるので「書いてる感」があります。
一方、パス単の紙質はツルツルなので、シャープペンだとすべってちゃんと書けません。
そして、ページをめくるときの手触り。これも単熟語EXに軍配が上がります。これこそ個人の嗜好の極地なのですが、僕は単熟語EXの紙質が好きです。
気持ちよく勉強できたほうが絶対いいので、小さいようで実は大きな差だと思っています。
【欠点】音声が使いづらい
単熟語EXの唯一の欠点を挙げるとすれば、音声が使いづらいことです。
単熟語EXにCDは付いておらず、音声はMP3をダウンロードして使います。やり方は以下の2通りです。
- 単熟語EXの音声利用方法
- ① スマートフォンでジャパンタイムズ出版の【OTO Navi】というアプリを使う
- ② パソコンで音声をダウンロードして、再生アプリに取り込む
【OTO Navi】アプリの使い勝手は ✕
1つ目は、【OTO Navi】というジャパンタイムズ出版のアプリを使う方法です。
音声は「見出し語→日本語→例文」と「見出し語→例文」の2パターンが用意されており、好きな方を選ぶことができます(1つのトラックに、見出し語が12個収録されている)。
アプリさえダウンロードすればスグに音声が使えるのが助かるのですが、データの区切りがざっくりしすぎていて、使い勝手が良くありません。
以下は【OTO Navi】の画面なのですが、見ていただくとわかるとおり、音声データのフォルダはUnit1からUnit5、Unit6からUnit10に分かれています。
これの何が良くないかというと、Unit1(特定のUnit)だけを反復して再生し続けることができないということです。
学習計画を立てる際、多くの人は「1日1Unit」という感じで、Unit単位で勉強すると思います。しかし「今日はUnit1をひたすら反復しよう」と思っても、音声はUnit1からUnit5までごっそり1つのフォルダにまとまっているので、「Unit1だけをエンドレスリピートする」みたいな使い方ができません(トラックを指定してリピートする、みたいな機能も付いてません)。
僕は上記のように、1日1Unitごとに英単語帳を進めているので、移動中や歯磨きやお風呂の中でも、ひたすら特定の英単語帳の音声を流しっぱなしにしています。そのときに、特定のUnitだけをエンドレスリピートできないのは、ツライ…。
英検1級の勉強は特に効率を重視すべきだと思うので、トラックの再生範囲などを自分で工夫して選びたい人は、次に紹介するパソコンでの音声データを使うことをおすすめします(ただし、手を加える必要あり)。
パソコンで音声をダウンロードする
というわけで、Unitごとにフォルダを区切ったりして、再生範囲の自由度を高めたいのであれば、パソコンで音声をダウンロードするのがおすすめです。
ただし、パソコンに音声をダウンロードしても、そのデータは1つのフォルダにまとまっています。つまり、Unit1からUnit10までのトラックが1つのフォルダにごっそり入っているということです(なぜUnitごとに分けてくれないのか…)。
これでは学習するうえでかなり不便なので、多少自分で手を加える必要があります。
僕はiPhoneを使っているのでiTunes経由でスマホに音声を入れるのですが、iTunesでプレイリストをUnitごとに作成すれば、Unit1だけリピート再生するという使い方ができます。
iTunesでの手順をまとめると、以下のとおり。簡単ですが、慣れないとちょっと面倒かも。
- パソコンに音声データをダウンロードする手順
- ① サイトから音声データをパソコンにダウンロード
- ② データをフォルダごとiTunesに移行する
- ③ Unitごとにトラックを一括選択して、プレイリスト作成
- (Shiftキーを活用すると、簡単に一括選択できます)
- ④ 作ったプレイリストをスマホに移す(任意)
単熟語EXの使い方・勉強法
単熟語EXの使い方について説明していきます。まずは全体の流れから。
- 単熟語EXのやり方・勉強法
- ① 知ってる単語にチェックを付けていく
- ② 見出し語、例文を各3回ずつ音読
- ③ 2回目以降は音声に合わせて音読
- 以降はUnitごとに同じ流れで進めていく
まず単熟語EXは1日1Unitごとに進めていきます。全部で10Unitあるので、10日で1周できる計算です。
大前提として必ずやるべきことは、「知ってる単語にチェックをつけること」です。
英検1級の単語は数も多いですし、難解な語がたくさんあります。そのため、知っている単語に時間をかける余裕はありません。時短で効率的に単語帳を進めるためにも、知っている単語はチェックを入れて、以降は除外しましょう。
ちなみに、知ってる単語の定義は「見た瞬間に(1秒で)反射的に意味が言える」ことです。
見出し語と例文を音読していき、1Unit分が済んだら最初に戻って、②の音声に合わせて音読する勉強に入ります。
自分で音読するよりも、音声を使ったほうがペースが速くなるので、単語帳の周回を効率的にすすめられます。
10Unitまで終えたら最初に戻って2周目に入りますが、2周目以降は音声に合わせてひたすら音読をしていきます。
難解な単語やなかなか覚えられない単語は、例文を記憶のトリガーにするのがおすすめです。単語単体だと覚えにくいですが、例文内のフレーズをセットにして覚えておくと、記憶が引き出しやすくなります。
単熟語EXはこんな人におすすめ
- こんな人は単熟語EXを選ぼう
- ・収録語数を重視ししている人
- ・短い例文で効率的に単語を覚えたい人
- ・ザラザラした紙質のほうが好きな人