TOEIC対策に欠かせない語彙力強化ですが、個人的には1冊の単語帳があれば十分だと思っています。
おすすめは断然『金のフレーズ』(通称、金フレ)です。
実際、僕は金のフレーズを使い始めてTOEICスコアが上がりましたし、TOEIC以外の場面でも英語力のUPを実感しました。
なぜ『金のフレーズ』がいいのか?おすすめの理由と使い方を含め、レビューしていきます。
『金のフレーズ』の素晴らしいところ
- 『金のフレーズ』お気に入りポイント
- ・本当に「出る」語彙が学べる
- ・左右のページで区切られており、本のレイアウトが秀逸
- ・単語ではなく、フレーズで学ぶから覚えやすい
- ・フレーズで学ぶから、仕事の場でも役に立つ
- ・類義語、派生語、対義語、発音記号など情報に不足がない
- ・著者のひとこと解説が参考になる&面白い
- ・サイズがコンパクト(新書サイズ)
- ・他の単語帳に比べて、値段が圧倒的に安い
- ・紙質が良く、ページをめくりやすい
- ・アプリ版と併用することで学習効率UP
ちなみに、本書の対象読者はTOEIC500点〜です。基礎的な単語に自信がない人は、他の英単語帳をやってから取り組んだほうがいいと思います。
また、この本にはTOEIC990点レベルの英単語も載っていますので、高得点も狙える語彙力を身につけることができます。
本当に「出る」語彙が学べる
金のフレーズは著者のTEX加藤さんが80回以上もTOEICを受験し、その直後に書き留めた内容をもとに制作されています。
TOEICは公式問題集が発売されているものの、過去問は入手不可能です(問題用紙は持ち帰れないので)。金のフレーズは、非常に貴重な手作りデータベースから制作されています。
TOEICは良くも悪くもスコアを取るのが正義です。そういった意味で、金のフレーズは「TOEIC頻出の英単語を学べて、スコアアップに直結する最善の1冊」といえると思います。
左右のページで区切られており、本のレイアウトが秀逸
本というのは内容だけでなく、レイアウトも非常に重要です。見やすいレイアウトだと学習効率も高まるし、意欲的に気分良く勉強ができます。
その点でいうと、金のフレーズはレイアウトが素晴らしいです。
こんな感じで、左側にフレーズが載っていて、右側に解答が載っています。
左ページだけを見て実際に単語を当てはめてみることができるので、答えが目に入る心配がありません。付属の赤シートを使えば、さらに完全な状態で見出し語を隠すことができます。
また、見出し語は「a——-」「e——-」のように虫食いになっているため、実際に英作文をしながら読み進めることができます。
日→英の順番で覚えることは、日本人が英語を話すための学習プロセスとして不可欠です。
このレイアウトのおかげで、語彙力のみならず英作文(英会話力)までも身につけることができます。
【欠点】途中で使いにくいレイアウトになることがある
僕が金のフレーズを使っていて、唯一残念だと思ったのが途中でレイアウトが変わるページです。
本書は、さきほど説明したような【左ページにフレーズ、右ページに見出し語と解説】というのが基本的なレイアウトになっています。
しかし、P91から始まる「パート1重要語100」では、例文の虫食いがなくなってしまい、英作文をしながら読み進めることができません。
また、P169〜の「部署・職業名」も見出し語と語義が列挙されているだけなので、虫食いや赤シートで隠すこともできなくなります。
せっかく赤シートがあるのに、黒文字で書かれているページがあるのはもったいなと思いました。
紙幅の問題やレイアウトに変化をつけたいという目的があるのかもしれませんが、個人的にはすべてのページで【左ページにフレーズ、右ページに見出し語と解説】というレイアウトにしてほしかったです。
単語ではなく、フレーズで学ぶから覚えやすい
金の”フレーズ”というタイトルからもわかるとおり、この本は単語ではなくフレーズで覚えるタイプの本です。
フレーズで覚えると以下のようなメリットがあります。
- フレーズで語彙力強化を図るメリット
- ・記憶に残りやすい
- ・試験本番&実践で役に立つ
- ・その単語はどんな文脈で使われるのか?がわかる
単語帳というと【見出し語→語義】というのが一般的ですが、「金のフレーズ」ではTOEICに頻出のフレーズ単位で学ぶことができます。そのため記憶に残りやすく、勉強もラクになります。
たとえば、本書には以下のようなフレーズが掲載されています。
幅広い観点から
from a broad p——–(答えはperspective)
業界の専門家の推測
s——— from industry experts (答えは speculation)
perspective や speculation というのは覚えにくい英単語の典型ですが、このようにフレーズ単位で覚えることで記憶に残りやすくなります。
たとえば「perspective は何て意味だっけ…?」という状態になっても、「そういえば金フレで from a broad perspective って覚えたな。perspectiveは”観点”か…!」という感じで記憶を辿れるようになります。
英単語を覚えても、結局は文章のなかで理解できないと意味がありません。フレーズで覚えると、その単語がどんな文脈で使われるのかがわかるので、実践的な英語を身につけることにもつながります。
フレーズで学ぶから、仕事の場でも役に立つ
金のフレーズは、どれも仕事の現場で使える&使われるフレーズばかりを収録しています。
- ・negotiate with a client(顧客と交渉する)
- ・evaluate a product(製品を評価する)
- ・relevant work experience(関連した職務経験)
- ・the completion of the project(プロジェクトの完了)
- ・We are really unstaffed.(本当に人手不足です)
- ※太字は見出し語
「TOEICは役に立たない」なんて声も一部にあるようですが、僕はまったくそうは思いません。特に、金のフレーズのような本で英語を学ぶと仕事でも大いに役立つと思っています。
TOEICで英単語を覚えるのは、仕事で英語が使えるようになるためですよね。もちろんスコアさえ取れれば良いという人もいるでしょうが、大半の人は仕事で英語を使うはずです。
そのとき、英単語(見出し語)だけを覚えても仕事ではほとんど役に立ちません。結局、英単語というのは他の単語と組み合わせて使うことになるからです。
しかも、仕事で使われる英語というのはある程度”型”が決まっています。いわゆる”鉄板フレーズ”のように、よく使われる表現です。
せっかく英語を勉強するなら即効性を重視して、仕事で英語が使えたほうがいいですよね。金のフレーズならTOEICだけでなく、仕事でもスグに役に立つ英語表現を学ぶことができます。
類義語、派生語、対義語、発音記号など情報に不足がない
英単語帳に欠かせないのが、見出し語と例文以外の情報です。具体的には類義語、派生語、対義語などがあります。もちろん発音記号も重要ですね。
金のフレーズでは、これらの情報がしっかり掲載されています。類義語、派生語、対義語は紙幅の関係上すべてのフレーズに掲載されているわけではありませんが、スコアUPに直結する大事なところだけを厳選してくれている感じです。
たとえば、relevant (関連した)というフレーズのところには、「同義語のrelated (関連した)も重要」というコメントがあり、さらに対義語として irrelevant(無関係の)が載っています。
関連情報があるおかげで、辞書やネットで調べる必要がなくなり、時短にもなります。
著者のひとこと解説が参考になる&面白い
金のフレーズが多くの読者に支持されているのは、著者の人柄がにじみ出ていることも大きな理由だと思います。
わかりやすい解説というだけでなく、ときにユーモアを交えたコメントが掲載されているので、勉強中にちょっとだけ癒やされます。
たとえば、evaluate a product(製品を評価する)には「アンケート調査や製品レビュー、従業員の評価等で頻出の単語」というコメントが載っています。evaluate がどんな場面で使われるのか、非常にわかりやすいですよね。
use fresh ingredients(新鮮な材料を使う)には「TOEICの世界には、料理雑誌に掲載されたレシピのマヨネーズの使用量が多すぎて身体に悪い、というクレームレターを編集部に出した愛読者がいる」というコメント。一見すると意味のないコメントですが、こういう出題例もあるよという参考になると思います。
relationships in the workplace(職場での人間関係)では「TOEICの世界では、職場の人間関係で悩む人はいない。」というちょっとだけ毒っ気のあるコメントもあったりします。
本書を通じて、「TOEICの世界では…」というのが著者のお決まりフレーズになっていて面白いです(笑)
サイズがコンパクト(新書サイズ)
英単語帳は通勤中や外出先で使うことも多いと思います。金のフレーズは新書サイズでコンパクトなので、持ち運びもラクです。
また、合計で1000語というボリュームなので、本もそこまで分厚くありません。ページ数でいうと287ページです。
このあたりの携帯性の良さも、金のフレーズも支持につながっている気がします。
他の単語帳に比べて、値段が圧倒的に安い
金のフレーズを買うとき、その値段の安さに驚くと思います。お値段なんと、979円(税込)。
TOEICに限らず、大人向けに英語学習本というのは軒並み値段が高いのが当たり前なのですが、金のフレーズはまさかの1000円アンダー。
CDは付いておらず、他のアプリのダウンロード音声を使ってもらうことでコストカットしているのもあると思いますが、それにしても安すぎます。
実際にこの本を使ってもらえば「こんなに安くていいの?」と思ってもらえるはず。価格と内容のバランスが(良い意味で)取れてないです。
紙質が良く、ページをめくりやすい
「こんなに安くていいの?」という気持ちは、紙質を触ってもらうことでさらに増幅すると思います。
個人的に、本の紙質はかなり大事だと思っています。紙質がいいと「本を持ちたい」という気持ちが高まるし、気分良く勉強ができます。
金のフレーズは紙が薄すぎず厚すぎず、ちょうどいい。適度にツルツルしているので、ページもめくりやすいです。
また、僕は本のカバーを外して読むことがほとんどなのですが、金のフレーズはカバーを外した本体の紙質も素晴らしい。適度にザラつきがあって、思わず触りたくなります。
さらにいうと、カバーを取った本体がシンプルなのも◎。金色という派手なカバーなせいもあって、カバーを取って持ち歩きたいという人も多いはずなので、そのあたりまできちんと配慮されているのかもしれません。
アプリ版と併用することで学習効率UP
金のフレーズは、アプリでも使うことができます。僕は物書堂という英単語アプリでも金のフレーズをやっています。
「本もアプリも両方いるの?片方でいいのでは」と思われるかもしれませんが、個人的には【本でインプット、アプリでアウトプット】というやり方が最も効率的だと思っています。
本は一覧性が高く、目にもやさしいので例文を長時間読んでいても疲れません。まずは本を何周かして、ひととおりフレーズに目を通します。
アプリは本よりもスムーズにテンポよく進めることができますし、◯×クイズや穴埋め形式にも対応しているのでゲーム感覚で楽しめます。
外出先などのスキマ時間でサクッと金のフレーズをやりたいときもアプリが大活躍してくれます。
ちなみに、僕は自宅で本、散歩中にアプリの自動再生機能を使ってひたすら音声を聞いています。あと、お風呂でも防水スピーカーで音声を流しています。
「音声だけで十分」という人は、abceed というアプリから無料でダウンロードできるので安心です。
1日200語。反復して、何周もやる
金のフレーズの使い方についてですが、とにかく反復するに尽きると思います。
僕は200語単位でページをふせんで区切っています。そうすると、1日にやる範囲が目に見えてわかるのでモチベーションを高める効果も期待できます。
金のフレーズは見出し語が全部で1000語掲載されています(厳密には多義語や部署・職業名なども掲載されているので1000語+α)。
200語単位で区切ると5セクション。つまり、1日200語進めれば、5日で1周できる計算です。
前日の復習を200語やり、それが終わったら次の範囲の200語を進めていくので、トータルでは1ニチ400語やります。
数字だけみると多すぎると感じるかもしれませんが、1つのフレーズにかける時間は非常に短いです。1回で覚えようとするのではなく、何回も反復して覚えるやり方を僕は採用しています。
英単語よりもフレーズのほうが記憶に定着するのに時間がかかりますので、覚えたと思っても意外と理解できないことが多々あるはずです。
血肉にするレベルまでとにかく反復するというのが僕のやり方なので、1周どころか2周3周と何度も繰り返します。
1冊の本を何度もやるのは精神力が試されるところですが、金のフレーズは繰り返しやる価値がある本です。
この1冊を極めればTOEIC900点超も目指せますので、ぜひ継続的に反復していきましょう。