僕が出版営業(書店営業)として書店をまわっていたときに、
- 「この雑談をキッカケに担当者と仲良くなった」
- 「これをやったら受注がたくさんとれた!」
という営業トークをご紹介します。
一応説明しておくと、僕は営業が超苦手で、書店へ行くたびに毎回心臓がバクバクするタイプの弱者です。
営業成績も別にたいしたことはなかったので、雑談アイデアとして参考までにどうぞ。
会っていきなり本の案内をはじめる出版営業はたいてい嫌われる?
これはどんな営業の仕事にも言えることですが、クライアントと会っていきなり本題を切り出す人は上手くいきませんよね。
初対面の担当者はもちろんのこと、面識のある人にたいしても多少の雑談は必要です。
いわゆる「アイスブレイク」というやつです。
どんな人でも初対面だと警戒心を持ちますよね。
書店の担当者に警戒心を持たれたまま、自社の本を案内しても上手くつたわりません。
- 「無理やり本を注文させられるのではないか…」
- 「この人は本当に良い本、売れる本を案内してくれるだろうか…」
書店員さんがそんな精神状態では、本の営業をしても上手くいくはずがない。
だから、どんな些細なことでもいいので多少の雑談が効果的なのです。
ちょっとした会話から、その人の趣味や嗜好をさぐることができます。
そこで共通の話題が見つかろうものなら、話は早いですよね。
まあ、このへんはどんな営業本にも書いてあることなので、言うまでもないのですが。
さて、問題は「雑談とはいっても何の話をすればいいの?」ということ。
実際に僕が実践してきて「これ使えるな」と思った雑談内容を紹介していきます。
① 天気の話をしてお客さんの入りを聞いてみる
超初歩的な方法ですが、やはり天気の話は万能です。
あまりのも使い古された方法ですが、名刺交換をしていきなり本の提案を始めるよりはよっぽどマシ。
かくいう僕も、なにも雑談が浮かばないときは天気の話に逃げます。
書店は天候によってかなりお客さんの数が左右されます。
雨の日は特に客足が遠くなる。雨の日であれば「今日は雨ですけど、お客さんの入り具合はどうですか?」と聞いてみる。
そこから、平日と休日の客足を聞いて、主な客層を聞いてみるというのが王道パターンです。
そして、1番の理想は天気の話から始まって、季節の話題にシフトすること。
そこからその季節ごとに動く本の話につなげることができればスムーズに営業トークをはじめることができます。
「そうなんですね、じゃあこんな本がありますよ」って。
②お店のブックカバーについて聞いてみる
これは先日、僕が実践してみて盛り上がった方法です。
レジの近くで担当の書店員さんと話をしていたのですが、その人がレジに入って戻ってきたときにこう聞いてみたのです。
「こちらのお店のブックカバー、かわいいですよね」
そうすると、その書店員さんはお店のブックカバーについて簡単に説明をしてくれました。
そこから、どこのチェーンのブックカバーはオシャレだとか、地方の〇〇書店のブックカバーはかなり変わってますよ、なんて会話につながりました。
大手の書店チェーンの場合は、シンプルなものが多いので少し難しいかもしれません。
でも、ブックカバーという書店特有の話題は盛り上がる可能性は高いですよ。
だいたいみんな、ブックカバーは好きなので。
③書店の店頭で大きく展開している本の話題を出してみる
書店に入って担当者に挨拶するまえに、僕は書店をぐるっ歩いて周ります。それは会話のネタを見つけるため。
何もいい話題が浮かばない時は、店頭で大きく展開している本のことについて話してみるのです。
そうすると、
- 「いやー、正直なところ本部から入っただけなんです」
- 「すごい売れてますよ。ウチの店はああいうジャンルがよく動くんです」
なんていう、貴重な情報を入手することができたりします。
以前、僕が担当する書店で、ある「ゆるキャラ」の本を大々的に展開していました。
その話題を雑談の中で出したところ、ゆるキャラの話でかなり盛り上がり、営業がとてもやりやすくなったのを覚えています。
④棚のつくりを見て、在庫をどれくらい持てるのか聞いてみる
書店の中を見渡してみて、そこで目に入ったものを話題に出してみるのはとても簡単でオススメです。
特に、棚のつくりを見て「その店がどれくらいの在庫を持てるのか」を聞いてみてください。
そもそも書店の棚は、大きく分けて2種類あります。
1つは平積みができて、棚の下に引き出し(ストッカー)があるタイプ。
もう1つは全面が棚になっていて平積みのない、いわゆる「ジュンク棚」。
僕は以前、2年間ほど「ジュンク棚」のお店(ジュンク堂書店ではない)で書店員をやっていたのですが、はっきり言ってジュンク棚は在庫を持てないので大変です。棚の下にストッカーがないので。
その経験もあるので、ジュンク棚のお店に行ったときは自分の経験を話しつつ、ジュンク棚の大変さを共通の話題に出しています。
多くの場合、「たしかに!在庫が持てないので大変なんですよね」なんていう感じで盛り上がります。
そこから、その書店がどれくらいの在庫を持てるのかを何となく把握できるので、書店の立場に寄り添った営業を行うことができるのです。
⑤担当者の人が好きな本を聞いてみる
書店員である以上、だいたいの人が本好きです。
初対面でいきなり「好きな本は何ですか?」と聞くのはなかなか難しいですが、僕はある程度盛り上がったところでさりげなく
「◯◯さんは普段、どんな本を読まれるんですか?」
と聞くようにしています。
そこで盛り上がったら、思い切ってその場でオススメの本を買って帰ります。
毎回これをやっていては予算的に大変ですが、特に懇意になりたい書店員の人がいた場合は効果があると思います。実際、すごい喜んでくれました。
次にお店に行ったときには、本の感想を話すところから始められるという自然な流れがあるので、営業がしやすくなります。
雑談は必ず、本題(営業トーク)の前にすることが大事
出版営業に役立つ5つの雑談を紹介しましたが、こうした雑談をする上で、1つ大切なことがあります。
それは「必ず最初に雑談をすること」です。
担当者に会ってすぐに本題である営業トークを切り出してしまっては、なかなか注文数は伸びません。やっぱり警戒されるので。
一方で、最後のほうに雑談で盛り上がっても、すでに注文書には注文冊数が記入されてしまっています。ここから注文数を増やすのはむずかしい。
以前、僕にもこんなケースがありました。去り際にその担当者の人に「注文数少なくてゴメンね」と言われたのです。
最初に雑談できちんと盛り上がっていれば、もっと受注がもらえたかもしれないと思うと、ちょっぴり悔しい気持ちに。
いや、もちろん注文くれるだけでありがたいのですが。
最後に盛り上がることも大切ですが、注文数だけに目を向ければ、最初に盛り上がったほうが確実に効果はあります。
書店の担当者の人とは長い付き合いになることが多いので、良い関係性を築きたいところです。
