意気揚々と買ったはいいけど、なかなか読む気が起きずに放置されている本。
溜まった本は精神衛生的にもよろしくないので、なんとかせねばとモヤモヤするものです。
でも、発想の転換で「熟成」という手法を覚えれば、読む気が起きない本の対処にも困らなくなります。
読む気が起きない本が生まれる理由
「熟成」という言葉は、肉や魚に使われることが多いですよね。
余計な水分が飛んで、凝縮されたタンパク質がアミノ酸に変化するから美味くなる。
これを本に置き換えてみようというのが、今回の話です。
本の熟成をあえて定義するなら「必要な知識や経験を蓄積させ、その本を心から楽しめるようにすること」といえます。
では、読む気が起きない本はなぜ生まれるのでしょうか。
考えてみると理由はシンプルで、
- 書かれている内容について予備知識がない
- 経験がないため感情移入できない
といったことが大きいです。
つまり「今の自分の状態」と「本の内容」が噛み合っていないだけなんですね。
「熟成」という読書の新しい考え方
だからこそ、読む気が起きない本や難しすぎて挫折した本は、容赦なく「熟成モード」に移行させてしまいましょう。
本は「今すぐ読むもの」ではなく、「今はまだ読まない選択もできるもの」です。
ここから考えられる選択肢は2つあります。
① 「熟成本」を読むための知識や経験を意識的に獲得しにいく
①の選択肢を取ろうというモチベーションが湧くのであれば、その本に対する意欲はかなり強いと言えます。
本に書かれている内容を理解するために知識を集め、外に出て経験を積む。
いわば「本に人生を引っ張られる状態」です。
②「熟成本」を意識することなく、奔放に好きな本を読む
一方で②は、「まあ、いつか読めればいいかな」というスタンスです。
気の向くままに読書したり生活したりしながら、その中で自然と必要な知識や経験が集まればいいという考え方です。
どちらが良い悪いではありません。
ただ、もし①の選択をしたくなるほどの「熟成本」に出会えたなら、それはかなり幸運なことです。
熟成のためにやるべき具体的な方法
では【① 「熟成本」を読むための知識や経験を意識的に獲得しにいく】を選んだ場合、どうやって知識や経験を獲得すればいいのか。
まず手っ取り早いのが、その本に関する周辺知識が書かれた本を3冊〜5冊読むことです。
ポイントは「奇数冊読むこと」です。
なぜ奇数冊読むのか
これは佐藤優さんの著書『読書の技法』でも語られている考え方で、
要約すると、
「本によって書かれている内容や意見が異なる場合がある。そのとき判断がつかないなら多数派に寄せる」
というものです。
つまり1冊だけで判断するのではなく、複数の視点を持つことが重要になります。
たとえば歴史であれば、同じ出来事でも学者によって解釈が違うことがあります。
1人の見解だけを信じてしまうと、他の見方ができなくなりますし、もしその見解が偏っていた場合、理解も歪んでしまいます。
だからこそ、複数冊を読むことで「自分なりの解釈」を持つことが大切になります。
「積読」と「熟成」の違い
ここで少し整理しておきましょう。
一般的に「積読」はネガティブに語られがちですが、「熟成」は意味が違います。
- 積読:読まないまま放置される状態
- 熟成:読める状態になるのを待っている状態
同じ本でも、意味づけを変えるだけで心理的負担は大きく変わります。
熟成読書が向いている人
この考え方は、特に次のような人に向いています。
- 買った本を最後まで読めないことが多い
- 難しい本に挫折しがち
- 読書量はあるのに定着しない
- 1冊をじっくり理解できていない感覚がある
こうした人にとって、「熟成」という考え方は読書のストレスを大きく減らしてくれるはずです。
まとめ|本は「今読むもの」とは限らない
読めない本を「失敗」と捉える必要はないんですよね。
むしろ、それは今の自分にはまだ早いテーマである可能性もあります。
本を「読む or 捨てる」の二択ではなく、「熟成させる」という第三の選択肢を持つことで、読書はもっと自由になるはずです。
