「勉強するなら教材は1つに絞りたい!」
そう考える人の気持ちはよくわかります。1つの教材を反復したほうが集中力も高まるし、効果が出やすいし、なにより費用も安く済みます。
僕がもし「TOEIC対策は1つの教材しか使えません」と禁止令を出せれたら、間違いなく『金のフレーズ』(通称・金フレ)を検討すると思います。
金フレだけで高得点(900点台後半)を狙うのは正直厳しいのですが、そこそこのスコアであれば十分取れると思います。
一応最初に断っておくと、僕は金フレだけでTOEICを受験してきた人間ではありませんので、その体験談はお話できません。しかし、少なくとも金フレは50周以上やり込んできたので、金フレの良し悪しは熟知しているつもりです。
前置きが長くなりましたが、金フレでどれくらいTOEICを戦えるのか?金フレでなにが鍛えられて、なにが足りないのか?についてくわしく解説していきます。
金フレだけでは対策が不十分な理由
金のフレーズはその名のとおり、フレーズ集です。よくある英単語帳とは違って、フレーズ単位で覚えるので、覚えた内容がTOEICの試験でそのまま生きていきます。
TOEIC L&Rはリスニングとリーディングに分かれており、以下のような問題が出題されます。
TOEICリスニングセクション(約45分間・100問) | |
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Part1 | 写真描写問題 6問 1枚の写真について4つの短い説明文が1度だけ放送される。 説明文は印刷されていない。 4つのうち、写真を最も的確に描写しているものを選び解答用紙にマークする。 |
Part2 | 応答問題 25問 1つの質問または文章とそれに対する3つの答えがそれぞれ1度だけ放送される。 印刷はされていない。 設問に対して最もふさわしい答えを選び解答用紙にマークする。 |
Part3 | 会話問題 39問 2人または3人の人物による会話が1度だけ放送される。 印刷はされていない。 会話を聞いて問題用紙に印刷された設問(設問は放送される)と解答を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする。 会話の中で聞いたことと、問題用紙に印刷された図などで見た情報を関連づけて解答する設問もある。 各会話には設問が3問ずつある。 |
Part4 | 説明文問題 30問 アナウンスやナレーションのようなミニトークが1度だけ放送される。印刷はされていない。 各トークを聞いて問題用紙に印刷された設問(設問は放送される)と解答を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする。 トークの中で聞いたことと、問題用紙に印刷された図などで見た情報を関連づけて解答する設問もある。 各トークには質問が3問ずつある。 |
TOEICリーディングセクション(75分間・100問) | |
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Part5 | 短文穴埋め問題 30問 不完全な文章を完成させるために、4つの答えの中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする。 |
Part6 | 長文穴埋め問題 16問 不完全な文章を完成させるために、4つの答え(単語や句または一文)の中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする。 各長文には設問が4問ずつある。 |
Part7 | 1つの文書:29問 複数の文書:25問 いろいろな文書が印刷されている。 設問を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする。 文書内に新たな一文を挿入するのに最も適切な箇所を選ぶ設問もある。 各文書には設問が数問ずつある。 |
見てもらうとわかるとおり、いずれも会話文を聞いて問題に答えたり、長文を読んで回答する問題が出てきます。
そのため、金フレだけでは不十分です。なぜなら、金フレはあくまでも語彙力を上げるための教材であって、問題対策にはならないから。
たとえば、TOEIC Part3や4のリスニング問題では会話やアナウンスを聞いて問題に答えるのですが、時間配分を考えて、選択肢の先読みをするスキルが要求されます。
つまり、TOEIC公式問題集を使ったりして「実践的な練習」をしておかないと、TOEICで高得点を狙うのはかなり難しいのです。
もちろん、金フレをやり込めば英語力自体が伸びるのでそれがスコアUPにつながるのは間違いありません。とはいえ、他の教材を組み合わせたほうが絶対に効率的だし、時短にもなります。
いくら節約になるからといって、金フレだけでTOEIC対策をやろうとするのはおすすめできません。
金フレは最高の教材の1つであるのは事実
金フレだけでの対策が不十分だからといって、金フレの評価が下がるわけではもちろんありません。
むしろ、TOEICの語彙対策教材の中では金フレは最高峰に位置する教材だと僕は思っています。
なぜなら、金フレを使うことで以下のような英語力が身につくからです。
- 金フレで身につくこと
- ・単語力
- ・リスニング力
- ・リーディング力
- ・英作文力(ライティング)
- ・スピーキング
単語力は言うまでもないですが、金フレで短いフレーズを何度も反復しているとリスニングとリーディングの両方が鍛えられます。
そして、以外に思われるかもしれませんが、ライティングも身につきます。
金フレは書籍以外にもアプリがあって、これを活用すると【日本語→英語】という順番で英作文をつくる練習ができます。
TOEIC L&Rの試験対策にライティングは不要ですが、長い目で見たときにライティングスキルが身につき、それが引いてはスピーキング(発信力)にもつながっていきます。
TOEICはあくまでも試験にすぎませんが、その先には英語を話したり書いたりするビジネス英語があるはずなので、やっておいて損はないはず。
金フレだけで狙えるTOEICスコアはどれくらい?
さきほど説明したとおり、僕は金フレ以外にスタディサプリENGLISHやTOEIC公式問題集も使って勉強しています。
そのため、純粋に金フレだけでTOEIC対策をしたらどれくらいスコアが取れるか?というのを実体験ではお話できません。
ただ、1つの予想として言えるのは、金フレだけでもTOEIC700〜800点は狙えると思います。
繰り返しになりますが、金フレは語彙力だけでなく英語力全般を高めてくれる教材なので、何度も反復すればハイスコアも夢ではないのかなと。
とはいえ、そのためには相当長い期間がかかると思います。そもそも、英語力がゼロの初心者の人は金フレ以前に文法や単語の勉強が必要なので、金フレだけは不可能です。
TOEIC500点ぐらいの人が、金フレを本気で取り組めば半年で700点(200点UP)ぐらいは狙える気がします。あくまでも個人的な予想ですが。
また、TOEICは良くも悪くも出題傾向や形式に慣れるだけでスコアUPが狙える試験です。そのため、金フレだけをやり込むよりも、TOEICの試験に慣れるための勉強をしたほうが絶対に良いと思います。
何度も言っているとおり、金フレだけに絞ってTOEIC対策をやるメリットはほとんどありません。時間は有限なので、多少お金がかかったとしても、スタディサプリENGLISHやTOEIC公式問題集を使ったほうが断然効率的です。