英検対策として英単語の勉強は欠かせません。
暗記するだけの英単語帳だと精神的な負担が大きいですが、『文で覚える単熟語』(文単)なら文章を読みながら単語を覚えることができます。
とはいえ、文単も正しく使わないと効果が出ません。
今回は僕が実際にやっている、文単の使い方とおすすめの学習方法について解説します。
ちなみ僕は準1級と1級の文単を使ったことがありますが、文単は英検3級〜1級まであります。基本的な構成はどれも同じです。
なぜ英検の単語を文単で覚えるべきなのか
知らない単語があっても、文脈から推測読みをすれば何とかなることもあります。
でも、1つの文に知らない単語が複数あると、その時点で推測読みは通用しません。
わかる単語が増えれば推測読みする必要もなくなりますし、問題を解く(文章を読む)スピードも早くなります。
さて、なぜ英単語を覚えるのに文単がいいのでしょうか?その理由は大きく分けて3つあります。
- ① 英文読解とセットで効率的に覚えられる
- ② 文脈のなかで英単語を覚えられる
- ③ テーマの内容が興味深くておもしろい
①英文読解とセットで効率的に英単語を覚えられる
英語の文章を読みながら、同時に英単語も覚えましょうというのが文単のコンセプトです。
英語の長文が書かれていて、そのなかのいくつかの単語が赤字で書かれています。付属の赤シートを使って隠しながら読み進めることもできます。
ですから、よくある英単語帳だけを使って覚えるよりも、英語の読解力が身につくスピードが早くなります。
また、単語の勉強だけを単独で行う必要がないので、時間短縮にもなり、他の勉強に時間を割くことも可能です。
②文脈のなかで英単語を覚えられる
英語には、日本語にすると意味が同じになる単語がたくさんあります。
たとえば「十分な」を意味する英単語は以下のように複数存在します。
- 【十分な】
- comfortable
- plenty
- satisfactory
- substantial
- substantive
- sufficient
日本語では同じ意味でも、英語では文脈によって使う英単語を分けなければいけません。
つまり、日本語訳だけを頼りに英単語を覚えても、それが正しく使えるかどうかはわからないのです。たとえば例文が書かれていない英単語帳だと、それができません。
文単は、英語の文章のなかで単語を覚えるので、どんなテーマのときにその単語が使われているのか、直感的に体感することができます。
文脈に合った単語を使う能力ってかなり大事です。たとえば英検には英作文の試験もあるので、文単はその対策にもなります。
③テーマの内容が興味深くておもしろい
これは副次的なメリットかもしれませんが、文単は書かれている内容がおもしろいです。
具体的には教養が身につく以下のようなテーマごとの文章が書かれています。
- 自然・環境
- 医療・テクノロジー
- 文化・歴史
- 教育・心理
- 社会・ビジネス
- 【各テーマ16の文章を収録(合計80問)】
ちなみに、文単は英検の過去問で出題された文章も含まれるので、過去問対策も同時に行えてしまいます。
一般的な単語帳はひたすら英単語が並んでいるだけで覚えるのがしんどいですが、文単は英語を勉強しながら教養もセットで学べる楽しさがあります。
英検の二次試験では面接もありますが、そこでは教養となる知識も求められるため、早めに対策しておいたほうが良いでしょう。
文単で音読&シャドーイングをするのがおすすめ
僕の英語学習は音読とシャドーイングが中心です。
他の英語教材と同じく、文単でも音読とシャドーイングを取り入れています(シャドーイングとは、英語の音声に0.5秒ほど遅れて文章を読み上げること)。
音読とシャドーイングは、自分で英語を発することになりますし、英語の音声も聴くことになります。
ですから、文単を使うだけで「リスニング」と「スピーキング」の能力向上が図れます。
また、英語の長文を読むことによる「リーディング」の能力アップも期待できます。
このように、文単で音読&シャドーイングすることで、あらゆる英語の技能を伸ばすことができるわけです。
これは、他の教材では得ることができない文単の大きなメリットといえるでしょう。
- 【文単の音読&シャドーイングで伸びる能力】
- ・リスニング
- ・スピーキング
- ・リーディング
- ・語彙力
文単が向かない人、おすすめできない人
僕個人としては、英検の英単語暗記は文単でまちがいないと思っています。
でも、文単を誰にでもおすすめできるわけではありません。たとえば以下のような人は、ほかの英単語帳のほうが良いでしょう。
- ① 英単語の単純な暗記が得意な人
- ② スキマ時間で英単語を勉強している人
①英単語の単純な暗記が得意な人
ほとんどの人は、英単語をひたすら暗記するのが苦手だと思います。
しかし、なかには暗記を得意とする人もいて、ひたすら英単語が並んでいる単語帳のほうが良いという人も存在します。
そういった人の場合、文単は非効率なのでおすすめしません。
あくまでも英単語をひたすら暗記するのが苦手な人に文単をおすすめします。
文単じゃなくて、もっとふつうの英単語帳のほうが使いやすいという人はパス単を使うと良いでしょう。
ちなみに僕はパス単も使っていたことがあって、コチラもおすすめの使い方を記事で紹介しています。
②スキマ時間で英単語を勉強している人
英検の単語を、スキマ時間で勉強している人もいると思います。
電車の待ち時間やテレビのCMなど、ちょっとした時間で英単語をやるなら、文単だと使いづらいかもしれません。
さきほど説明したとおり、文単は英語の文章のなかに単語が仕込まれているので、どうしても余計な(すでに知っている)単語も読まなければいけないからです。
もしスキマ時間で英単語をやっているなら、一般的な英単語帳かスマホアプリを使ったほうが効率的です。
僕が実践している「文単の使い方」
さて、ここからは僕が実際にやっている文単の使い方をご紹介します。
やることはけっこうシンプルですが、効果はあると思います。
- ① 黙読して、単語と文章の意味を理解する 2回
- ② 音声CD+テキストで音読する 5回
- ③ テキストのみで音読 5回
- ④ 音声のみで音読(シャドーイング) 5回
①黙読して、単語と文章の意味を理解する 2回
まずは文単を黙読しましょう。
赤字で書かれている単語の意味と、文章全体の意味を日本語訳と照らし合わせながら読んでいきます。
ここでの理解は70〜80%程度で問題ありません。あまり黙読に時間をかけすぎないことが、長く続けるポイントです。
返り読みしてもOKなので、意味をなるべくしっかり理解しましょう。
②音声CD+テキストで音読する 5回
①の黙読で意味がある程度わかったら、次は付属の音声CDを使ってテキストとセットで音読します。
ネイティブが読み上げる文章のうえに、自分の声をかぶせて音読していきましょう。
こうすることで、それぞれの英単語の発音やイントネーションがわかります。
反対に音声を使わないと、まちがった発音で覚えてしまう可能性が出てくるので、音声は必ず使用しましょう。
③テキストのみで音読 5回
①の黙読で意味をとり、②で発音をチェックしたら、そこで学んだことを自分に落とし込んでいきます。
テキストのみで音読することで、自分のペースでゆっくり読むことができるため、ここで英単語の意味と発音をしっかり体におぼえさせましょう。
なるべく返り読みはしないこと。全体で70〜80%程度の理解があれば、わからない単語はそのまま飛ばしても問題ありません。
④音声のみで音読(シャドーイング) 5回
いわば総仕上げです。英単語の意味と発音がちゃんと自分に定着したか、確認しましょう。
いままではテキストを読みながら”目”で理解していた部分が多かったと思います。
でも、実際の英会話の場面では”目”よりも”耳”での理解が求められることが多いですから、耳での理解は非常に重要です。
そのため、ステップ④ではテキストは見ないで、音声のみでシャドーイングします。シャドーイングとは、音声に半歩遅れて読み上げることです。
もし音声のシャドーイングで英単語が聞き取れて、文章全体の意味が理解できるようなら、そのトピックは身についたといって良いでしょう。
反対に、テキストを目で追いながら読んでいたときは理解できたのに、耳だけで聴くと理解できないのであれば、音読が足らない可能性があります。
ステップ②〜③をもう一度繰り返しましょう。
反復回数が多くてしんどいのが文単の正しい使い方
ここで紹介した文単の使い方は、正直しんどいと思います。なかには、上手く使えずに挫折した経験がある人もいるかもしれません。
なんせ、同じ文章を15回以上読むことになるわけですからね。
実際に回数をこなしても、すぐには効果を実感できないので、やめたくなることもあります。
でも、僕は音読やシャドーイングの反復をこなしてきたことで、格段に語彙力がアップしました。
そして、英語の読み書き、さらには聞き取る力も向上したという実感があります。
つまり、しんどい学習方法ほど、身につくスピードが早いということです。
いきなり5回 x 3セットの音読をするのがキツければ、最初はそれぞれ1回ずつでもかまいません。
自分にとってちょうどいい負荷からはじめてみて、少しずつ回数を増やしていきましょう。