TOEICに比べると、英検の英単語帳は種類が少ないため、おすすめできる本は限られています。
そんな中、旺文社の「パス単」は英検受験者に不動の人気を誇る英単語帳です。
実際に僕もパス単を使って、英検の語彙力が飛躍的にUPしました。
今回はパス単の効果的な使い方について、わかりやすく解説します。
パス単は試験に出る順に並ぶ。見出し語と例文のシンプルな構成
まずはパス単の内容についてご紹介します。すでにお持ちの方は飛ばしてお読みください。
パス単は正式名称は『でる順パス単』で、その名前のとおり英検に出題されやすい順番に英単語が並んでいます。
つまり、英検合格に向けて覚えるべき単語を優先的に学習できるため、効率的に暗記ができるわけです。
試験に出やすい順番に「でる度A」、「でる度B」、「でる度C」というランク付けがされています。
構成はいたってシンプルで、以下の内容で構成されています。
- ① 見出し語
- ② 意味
- ③ 例文
- ④ 例文の日本語訳
なお、パス単には、音声CDが付属していません。音声は専用サイトからダウンロードします。スマホでも再生可能です。
【見出し語→意味→例文】という順番の音声になっているので、テキストが手元になくても、音声だけで英単語の学習ができます。
パス単の効果を高める使い方
それではパス単の使い方について説明していきます。
パス単は英単語帳としては一般的でシンプルなつくりになっているので、漫然とやっていては効果が望めません。
まずやるべきことは、1日に覚える単語数を決めることです。僕は1日50単語を覚えることに決めています。
どれくらいの単語量をやるかは「受験日までの日数」や「自分がやれる量」に合わせて上手く調整してください。
時間がない人(長期的な学習プランを立てている人)は1日10単語ずつになるかもしれません。短期決戦の人は、1日100単語でも足りない可能性があります。
1日に必ずやる範囲を決めることで、ダラダラと読み進めることがなくなります。「今日はここまでやるんだ」というスイッチが入るので、集中して取り組めるようになるのです。
1日にやる範囲を決めたところで、僕がおすすめする使い方をご紹介します。
以下で「◯周」となっているのは、その日にやる範囲の単語を◯回数分やることを意味します。たとえば「P1〜10までの範囲を、1日で3周する」ということです。
- ① 前日の範囲を音声+テキストで音読 1周
- ② 今日の範囲を音声+テキストで音読 3周
- ③ 音声のみ見出し語の意味と例文の意味を取る 1周
ちなみに、周回数は自分の好みで変えていただいても当然かまいません。
たとえば、【今日の範囲を音声+テキストで音読 3周】というのが少ない人は10周でもいいですし、反対に1周で覚えられる範囲は1周でかまいません。
僕は回数を範囲ごとに変えるのが面倒なので、3周に固定しています。
「回数が多くない?」と思われるかもしれませんが、1つの単語にかける時間を少なくして、反復を重視しています。いわゆる、質より量というやつです。
①前日の範囲を復習する。音声+テキストで音読 1周
前日の範囲を復習することは絶対に欠かしてはいけません。
英単語は、時間が経てば必ず忘れてしまうので、前日の範囲を復習して英単語を定着させることが必要になります。
音声とテキストの両方を使うことで、【耳+目】から英単語を取り入れることができ、より定着力がアップします。面倒でも音声は必ず併用しましょう。
②今日の範囲を音声+テキストで音読 3周
前日の範囲を復習したら、次は今日の範囲を進めていきましょう。
ここでも音声+テキストで範囲を進めていきます。
ポイントは「音読」です。音声とテキストで耳と目から情報を入れ、さらに音読をすることで効果がより高まるのです。
英語を音読をすることで【英語をしゃべる回路】が活性化されます。英単語のみならずリスニングや二次試験の面接対策にもなるので良いことづくめです。
英語音読の効果を知りたい人は、以下の記事で解説していますので参考にしてください。
③音声のみ見出し語の意味と例文の意味を取る 1周
音声とテキストで3周したあとは、その範囲の英単語をしっかり覚えられているかチェックしましょう。
テキストを閉じて、音声のみを聞きます。見出し語の意味、例文の日本語訳が瞬時に出てくることを確認します。
もしそこで意味がとれない英単語があれば、チェックボックスにチェックを入れておきましょう。できなかった単語は、あとでもう一度やります。
1日にやる範囲をわかりやすく区切るためのコツ
パス単は「出る度」別で3つにセクションが分かれています。たしかに区切られてはいるのですが、その範囲は非常に多く、1日でやる分量としてはふさわしくありません。
そのため、もし1日50単語ずつ進めていくのであれば、自分で区切って使う必要があります。
そのときに活用したいのが「ふせん」です。
僕は、ふせんで50単語ずつページを区切っています。これがあると、ページをいったりきたりするときも、手で感覚的にページが開けるので便利です。
また、視覚的に「ここまでやるんだ」というのがわかると、モチベーションにもつながります。
パス単の使い方【まとめ】
あらためてパス単の使い方をおさらいしておきましょう。
- ① 前日の範囲を音声+テキストで音読 1周
- ② 今日の範囲を音声+テキストで音読 3周
- ③ 音声のみ見出し語の意味と例文の意味を取る 1周
繰り返しになりますが、英単語の暗記において復習は非常に重要です。
パス単の学習範囲を自分で区切って、無理のない英単語学習を継続できるようにしたいですね。
英単語帳を選ぶときに欠かせないポイント
ここからは英単語帳選び失敗しないために知っておきたいポイントについて解説します。
僕はいままでいろいろな英単語帳を試してきましたが、以下の3つの条件は絶対に欠かせないと考えています。
- ① 例文が掲載されている
- ② いくつかのセクションに分かれている(分けて学習しやすい)
- ③ ムダな単語が掲載されていない
①例文が掲載されている
例文の掲載があるかは英単語帳では非常に重要です。
パス単は例文が載っていますが、なかには見出し語と意味しか書かれていない英単語帳も存在します。
シンプルで使い勝手が良さそうですが、英単語は単体で覚えるよりも、文脈のなかで覚えるほうが効果的です。
英単語は必ず文のなかで使われますから、その文脈に合った英単語を使う必要がありますよね。
つまり、例文が載っている単語帳なら「この単語はこういう文のときに使われるんだな」ということが感覚的に理解できます。
英会話や英作文をするときにも、文脈に合った英単語を使う能力は非常に大切になりますから、それを英単語帳で養っておくのがベストです。
②いくつかのセクションに分かれている(分けて学習しやすい)
さきほど説明したとおり、わたしは英単語帳をいくつかの範囲に区切って、1日に学習する分量を決めることをおすすめしています。
そうなると、英単語帳のつくりがこまかいセクションで分かれていたほうが便利です。
たとえば、英単語が50個ずつに分かれていてページが見やすいつくりになっている英単語帳は、非常に使い勝手が良いですよね。
残念ながらパス単は、分量を分けて学習しやすいつくりにはなっていません。
セクションごとに分かれていて使いやすい英単語帳といえば、やはり『DUO』がおすすめです。
③ムダな単語が掲載されていない
英検対策においては特に言えることですが、覚える必要のない英単語は覚えるべきではありません。
試験に出ない単語はもちろんのこと、覚えたところで日常生活では使わない単語も同様です。
英単語帳のなかには「とにかく分量を多くすることにこだわりました!」と言わんばかりの商品もあります。
あらゆる英単語を覚えたい人には良いでしょうが、英検やTOEIC対策だったり、日常英語を身につけたい人には不向きです。
覚える価値のある英単語だけが掲載されている英単語帳を選ぶようにしましょう。