誰もが一度は「洋書が読めたらな…」と憧れを抱いたことがあると思います。
僕は何度も挫折しながら、最近ようやく洋書のペーパーバックを読めるようになってきました。
今回は「洋書を読みたい」と思った人が、最初にやるべきことを解説します。
それとあわせて、これは絶対にやってはいけないという”禁忌”についても、僕の体験談を交えながら紹介していきます。
なお、対象としているのは英語初学者です。英語をそれなりに勉強してきた人には当てはまらないところもありますので、ご留意ください。
最初に知っておくべき、本選びのコツ
洋書を読もうと思ったとき、1番重要なのが本選びです。つまり、どの本を読むかによって洋書リーディングの成否はほぼ決まるといっても過言ではありません。
洋書を読めずに挫折してしまう人が多いのは、自分が読めない本を無理に読もうとしていることが原因です。
裏を返せば、自分が読めるレベルの洋書を選べば、挫折する確率をほぼ0%にすることができます。
洋書を読みたいと思ったら、本選びにしっかり時間をかけるようにしましょう。
では、具体的にどのような洋書を選べばいいのでしょうか?
- 「初めての洋書」を選ぶときのポイント
- ◯ 文字が少なく、イラストが多い本(絵本もおすすめ)
- ◯ 見出しが多い本
- ◯ ページ数が少ない本
- ◯ 自分が興味のあるジャンル、テーマの本
文字が少なく、イラストが多い本(絵本もおすすめ)
「洋書を読みたい」と思ったとき、真っ先に思い浮かぶのばペーパーバックではないでしょうか?
ペーパーバックというのは、一般的によく売られている洋書のことで、カバーやページに薄い紙が使われています。
僕もそうだったんですが、ペーパーバックを読むのって憧れも強いので、ついつい手を出してしまいがちなんですよね。
でも、英語初学者はペーパーバックではなく、文字が少ない本を選ぶことをおすすめします。
具体的にはイラスト中心の本、もっといえば絵本からスタートしたほうがいいでしょう。
「いい大人が絵本を読むのはちょっとなぁ…」という気持ちもあるとは思いますが、挫折なしでスタートを切るには絵本はピッタリです。
見出しが多い本を選ぼう
「絵本はどうしてもイヤ」という人は、なるべく見出しが多い本を選びましょう。
見出しには文章に書いてあることを端的にわかりやすく表現する役割がありますが、それ以外にも「小休止ができる」というメリットがあります。
つまり、見出しのところで一休みができるので、洋書を読むときに起こりやすい疲労感と上手に付き合うことができるわけです。
ただ、見出しが多い洋書というのは割合的には少ないです。なので、本屋でしっかり立ち読みをしてから買うか、AmazonのKindleで試し読みをしてから購入する必要があります。
見出しが多いおすすめの洋書については、以下の記事でくわしく紹介しました。
ページ数が少ない本(薄い本)を選ぼう
洋書のペーパーバックは基本的にページ数が多いものが多く、最後まで読み切るのはなかなか大変です。
その分厚い本が読みやすかったとしても、圧倒的な物量の前に嫌気が差したり、やる気が失われる可能性があります。
洋書を最後まで読みたいのであれば、ページ数が少なくて薄い本を選ぶようにしましょう。
薄い本であっても、最後まで読み切ったという達成感はなかなか素晴らしいものです。
この達成感はけっこう重要です。読破することで「よし、次の本も読んでみよう」という気持ちが沸き起こってきます。
ちなみに、薄い本も探すのが意外と大変です。一般的なペーパーバックで薄い本は種類が多くありません。
なので、最初はGR(Graded Readers)と呼ばれる、レベル別の洋書からスタートするのがおすすめです。
自分が興味のあるジャンルやテーマを選ぶ
「洋書を読みたい=英語で書かれた本が読みたい」という気持ちが強すぎると、本選びがいい加減になりがちです。
洋書といえど、あくまでも自分が興味のあるジャンルやテーマの本を選ぶようにしましょう。というより、洋書こそ自分が読みたいと思う内容の本を選ぶべきです。
興味のあるジャンルであれば、わからない箇所が出てきても意欲的に読み進めることができるでしょう。
さらにいうと、【興味のあるジャンル+得意なジャンル】だと尚良しです。予備知識があれば、くわしい説明がなくても自分の頭のなかで組み立て、理解しながら読むことができます。
たとえば僕の場合でいうと、これまで和書でビジネス書をたくさん読んできたので、仕事術とか時間術とか自己啓発的な内容はそれなりに頭に入っています。
僕が初めて読み切ることができた洋書 “MAKE TIME” は、自分の興味や知識にぴったりの内容だったのが良かったと思っています。
初めて洋書を読むときにやってはいけないこと
- × 表紙だけ見て、なんとなく買う(ジャケ買い)
- × 映画やドラマの原作を読もうとする
- × 小説はおすすめしない
- × わからない単語が出たら、すぐに辞書を引くこと
× 表紙だけ見て、なんとなく買う(ジャケ買い)
洋書って表紙のデザインがおしゃれなものが多いんですよね。
それにつられてついつい買ってしまうことも多いんですが、洋書をちゃんと読み切りたいのであればジャケ買いは避けましょう。
僕はこれまでたくさん洋書を買ってきましたが、ジャケ買いをして買った本は一度たりとも最後まで読み切ったことはありません。
表紙に惑わされるのではなく、しっかり中身を読んで「これなら読めそうだ」と納得したうえで買うようにしましょう。
もちろん、インテリアとして買うとか、表紙のデザインに惚れて買うのであれば話は別です。
× 映画やドラマの原作を読もうとする
海外の映画やドラマってすごい身近ですよね。僕も最近は”SUITS”にハマっています。
知っている映画やドラマの原作を洋書で読んでみようと考える人も多いと思います。
知っている内容であれば、理解しやすいのは間違いありません。
ただ、洋書初心者の人が映画の原作本を読むのはハードルが高いと思います。
もちろん内容にもよりますが、基本的に物語は読むのがむずかしいので、最初の1冊としてはおすすめしません。
これは、小説を読むのをおすすめしないのと同じ理由です。
× 小説はおすすめしない
「ペーパーバックを読むなら大作の小説を読みたい!」と考える人も多いはず。
たしかに、分厚い小説を読むのは悦に入るにはピッタリですし、読み切れれば最高の満足感が得られるでしょう。
ただ、洋書を読みたい人が最初の1冊目に小説を選ぶのはおすすめしません。
なぜなら、小説は「行間を読む」ということが必要とされるからです。もっとわかりやすくいえば、想像力です。
小説では、必要な事実をすべて丁寧に説明したりはしません。情景描写や主人公のセリフから「おそらく、こんな心情なんだろう」と、読者が想像する必要があります。
村上春樹作品が典型ですが「ちょっと不思議で、つかみどころがない感じ」というのが、小説の醍醐味だったりしますよね。
日本語で書かれた小説をイメージしてもらうとわかると思いますが、ちょっと本来の文法からは外れた用法が使われたりしますよね。
たとえば倒置とか擬人法が良い例です。「風が走った」とかいう表現は日本語ならニュアンスがつかみやすいですが、慣れない英語で言われても「どういういこと…?」と疑問が生じやすくなります。
自由に想像できるのは小説の素晴らしいところではありますが、英語に不慣れな人にとってはハードルが高いと言わざるを得ません。
初めての洋書は、想像力が必要とされる本ではなく、事実がわかりやすく書かれている本をおすすめします。
具体的にはビジネス書、歴史の本、科学の本などです。もちろん、こうした本も「専門用語」という壁がありますが、やさしい単語で書かれている本もあります。
× わからない単語が出たら、すぐに辞書を引くこと
洋書を読んでいると必ずわからない単語が出てくるはずです。
多くの人はすぐに辞書を引いて意味を調べようとしますが、これをやっているとキリがありません。
洋書を読むことではなく、辞書を引くのが目的になってしまうと、すぐに読むのがイヤになってしまいます。
そもそも、辞書を何度も引かなければ読めない本というのは、自分の英語レベルに合ってない証拠です。
目安としては、わからない単語が1ページに2〜3個までの本を選ぶといいでしょう。
その程度であれば、単語の意味がわからなくても、全体の文章から意味を読み取ることができます。
このことからもわかるとおり、自分の英語レベルに合った洋書を選ぶというのは非常に重要というわけです。
ただし、最初から辞書を引くつもりで読む「精読」の場合、話は別です。精読では辞書を引いて単語の意味をしっかり確認し、文の構造までを完ぺきに理解しながら読んでいきます。
精読は立派な英語(リーディング)学習法ですから、目的意識を持って洋書を読み、辞書を引くのはまったく問題ありません。
要するに、「自分はいま多読をしているのか?精読をしているのか?」という区別をしっかり意識して洋書を読むべきということです。
そもそも、多読できるレベルの本と精読する本というのは英語レベルが異なります。辞書を引きながらでないと読めない本を多読しようとしても挫折必至ですから、洋書を選ぶ段階で多読する本なのか、精読する本なのかを決めておく必要があります。
洋書を売っている本屋が近くにない人は
最初に説明したとおり、洋書を読みたいのであれば本選びにじっくり時間をかけるべきです。
当然、中身を読んで自分でも読めるかどうかチェックする必要があります。
しかし、残念ながら洋書を扱う本屋は非常に数が少ないです。街の小さな本屋で洋書を売っている可能性は限りなくゼロでしょう。
洋書が売っているのは大型書店に限られますので、気軽に買えるとは言えないのが実情です。
近くに洋書を売っている本屋がない人は、AmazonのKindleを使って電子書籍で洋書を読みましょう。
Kindleなら本屋に行くことなく洋書が手に入ります。そして、驚くほどラインナップが豊富です。
選択肢が多いということは、それだけ自分の興味やレベルに合った本を選びやすいので、挫折する可能性を下げることにもつながります。
洋書を単品購入するのもいいですが、個人的にはKindle Unlimitedがおすすめです。
洋書が読み放題になるので、気になった本を手当り次第読みまくることができます。