本書は「子どものころ、北極よりも南極のほうが寒いって知ったときは驚いたよなー」なんてことを思い出す作品です。
日本でふつうに暮らしていると「北=寒い」「南=暖かい」という意識を持ちがちなんですが、決してそんなことないんですよね。南だって、行けば行くほど寒くなるわけなので。
さて、そんな話は置いておいて。今日紹介するのは”The Coldest Place On Earth”という作品。
地球で一番寒い場所、それはズバリ南極なわけですが、この本は「どっちの国が先に人類で初めて南極点にたどり着くか!?」という、ちょっとしたレースみたいなお話です。
”The Coldest Place On Earth”のあらすじ
舞台は1910年。イギリス人の Scott 率いる探検隊と、ノルウェー人の Amundsen 率いる探検隊のどちらが先に南極点に到達できるか?というお話です。
ノルウェーの探検隊はスキーと犬を移動手段として選ぶ。スキーのレベルは世界有数。
その一方で、イギリスの探検隊はポニーと犬とモーター付きのソリを用意。
南極に向かうために、どちらの探検隊も多くの食料を用意し、周到に準備を重ねます。途中には、ベースキャンプをつくる様子なども描かれており、かなり克明な内容です。
最初は順調に見えた探検隊ですが、冒険しているのは極寒の地。寒い日には-60℃にも達することも。途中で何匹かの犬が死に、ポニーが死に、ついには仲間も命を落としていきます。
苦難の連続でようやく迎えるゴール。果たして、人類で初めて南極点に到達し、国旗を掲げるのはどちらの探検隊なのか?
”The Coldest Place On Earth”の登場人物の多さに苦戦
洋書で物語を読むたびに思うし、この記事でも毎回のように書いてるんですが、”The Coldest Place On Earth”も登場人物の多さにかなり苦戦しました。
あくまでも”楽しく読む多読”が目的なのでメモをとったりはしませんでしたが、登場人物の相関関係をちゃんと理解するにはゆっくり読んだほうがいいですね。
ややこしいのは、物語がイギリスの探検隊とノルウェーの探検隊の間で行ったり来たりする書き方です。
文章のなかで場面がスッと切り替わるので「あれ、この人ってどっちの国の人だっけ?」みたいになります。
結果的に読み続けていくうちに誰が誰なのかを掴むことができたので良かったですが、登場人物がごちゃこちゃになってしまうと、混乱必至です。
あくまでもOxford Bookwormsのステージ1なので、単語や文法は読みやすいレベルではあります。
ただ、ここ最近で読んだ本のなかでは屈指の登場人物の多さだったので、「登場人物が多すぎる作品は読みたくない」という人は手に取らないほうがいいかもしれないです。
あらすじは面白そうだけど、もう少しドキドキ感が欲しかった
この本は人類初の南極点に至る探検隊についての実話(に基づいた物語?)なので、そういった意味では教養にもなるし、読みがいがあります。
あと、実際の写真ががっつり挿入されているので、そこは見ごたえがあって良かったです。
ただ、わりと事実をありのままに書いた本なので、小説などで味わえるようなハラハラやドキドキはあまりありません。
個人的には仲間が死んじゃったり、犬が死んじゃったりしたときに悲劇的な描写があるのかな…?と予想して読んだのですが、そういった意味ではちょっと物足りなく感じました。
洋書多読をするときに「創作よりもノンフィクションが読みたい」という人は一定数いると思うので、そういった人にはおすすめできる作品です。
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