英単語帳を使って「1日◯個覚える!」という目標を立てるのは定番です。
とはいえ、英単語学習を始めたばかりのころは「何個覚えるべきなのか?」と迷うこともあると思います(僕もけっこう悩みました)。
今回は英単語は英単語は1日何個覚えるべきなのか?そして、覚えた英単語を忘れない記憶術について解説していきます。
【結論】1日に覚える英単語数は自分次第
最初に結論からお伝えすると、1日何個覚えるべきなのか?という問いに対する唯一の答えはありません。結局は人によって数は異なります。
本来であれば「100個がベスト!」とか言いたいのですが、それは逆に無責任な話になってしまうと思います。
というのも、人によって英語学習に充てられる時間もちがうし、記憶力にも差があるからです。
つまり、1日に覚える英単語の数は「学習量」と「記憶力」によって決めるべきです。
さらにいうと、どんな英単語帳(あるいはアプリ)を使うかによっても覚える個数は異なります。なぜなら英単語帳によって覚える効率性がちがうからです。
おすすめの英単語帳は後ほど紹介しますが、たとえば定番書となっている『DUO』という本は、例文に見出し語が複数掲載されているので、他の英単語帳よりも圧倒的に効率的に覚えられます。
こういった効率的な単語帳を使う場合、1日に覚えられる単語数は多くなる傾向にあるので、1日にやる単語数も増えることになるでしょう。
以上の理由から、1日に覚える英単語の数は人によって異なり、具体的な数は「学習量」「記憶力」「英単語帳」によって自分なりに決めていく必要があります。
1日の英単語数の具体的な決め方
では具体的にどんな流れで1日の英単語数を決めればいいのでしょうか?おおまかな流れは以下のとおりです。
- 1日に覚える英単語数を決める流れ
- ① 1日の学習時間、自分の記憶力を分析する
- ② ①をもとに、個数を決める(1日50個など)
- ③ 決めた個数をもとに英単語帳をふせんで区切る
① 1日の学習時間、自分の記憶力を分析する
僕が実際に英単語学習をスタートする場合、まず最初にやるのは「今の自分は1日何個まで覚えられるか?」を冷静に考えることです。
仕事の時間、食事の時間などを加味して手帳(あるいはGoogleカレンダー)に英語学習に使える時間を書き出します。
このとき、学習時間は少し控えめ(少なめ)にしておくのがポイントです。あまり欲張って多くしすぎると挫折の原因になります。
特に、新しい英単語帳を買ったばかりのころは気持ちも新鮮で過剰なモチベーション(毎日5時間やるぞ!みたいな感じ)になりやすいので注意が必要です。
欲張らず、自分の能力と学習時間を考えて「これなら毎日やってもパンクせずにがんばれそう」という学習量を決めましょう。
② ①をもとに、個数を決める(例:1日100個)
1日の学習量(学習時間)が決まったら、次は個数を決めていきます。
僕は現在、1日100個でやっています。あとでくわしい覚え方(暗記術)は解説しますが、前日の復習も必ずやるので実際は1日200個(復習100個 + 新しい範囲100個)という計算です。
僕は英単語学習に当てる時間が1日1時間程度なので、100個くらいが現実的だと考えています。
もちろん、100個をすべて覚えきれるわけではなく、復習と周回(1冊の英単語帳を何周もする)ことを加味して1つの英単語に掛ける時間はせいぜい10秒くらいです。
1日100個と決めたら、その日はとにかく100個の単語を何度もやります。たとえば、1日2時間勉強するのであれば、その2時間で100個の単語を何回も周回するイメージ。
という感じで、確保できる学習時間と自分の記憶力(そして体力)まで考えて個数を決めていきます。
このとき、無理に個数を増やさないこと。決めた個数を消化できなかったとき自己嫌悪に陥って挫折しやすいので、少し甘めの個数に設定することをおすすめします。
実際にやってみて「100個だと少ない」と感じたら個数を増やせばいいですし、その反対も然りです。トライアル・アンド・エラーを重ねながら、自分に最適な個数を調整していきましょう。
③ 決めた個数をもとに英単語帳をふせんで区切る
次に、ふせんで英単語帳を区切っていきましょう。英単語帳の一定ページ(個数)ごとにふせんで区切って、1日にやる量の目安を決めます。
なぜわざわざふせんを使うかというと、視覚的に一区切りがわかりやすいからです。
「よし、今日はこの範囲をやればいいんだな!」と思えることは、毎日のモチベーションUPに意外と貢献してくれます。
ページの区切り方は英単語帳によって異なります。最初から100個単位などで区切られている英単語帳はそのまま従えばOKです。
一方で、ジャンルやテーマごとに英単語が区切られている場合、そのまま区切ってしまうと個数にバラツキが出てしまうので自分なりに区切る必要があります。
自分が最初に決めた個数と英単語帳の区切りがちょうど感じにハマればいいのですが、必ずしもそう上手くいくとは限りません。
このあたりは、英単語帳をパラパラめくりながら、ちょうどいい個数で折り合いをつける必要が出てくる場合があります。
これは僕の個人的な嗜好ですが、英単語帳の区切りの良いところにふせんを貼りたいので、ふせんで区切る作業にはガッツリと時間をかけます。
さて、個数を決めてふせんで区切る作業が終わったら、次は【復習ありきのあ英単語暗記】について見ていきましょう。
英単語の具体的な覚え方【復習の重要性】
英単語数を決めることも大切ですが、個人的にはそれ以上に「覚え方(学習のやり方)」が重要だと思っています。
【エビングハウスの忘却曲線】を知っている人も多いと思います。この理論によれば、人の記憶力というのは【単語を覚えた20分後には58%、1時間後には44%、1日後には26%、7日後には23%、1ヶ月後になると21%しか覚えていない】と言われています。
つまり、せっかく覚えた英単語も復習しないとすぐに記憶から消えてしまうということなのです。
「今日も1日100個やったぞ!」と満足しても、それを放置して次の範囲に進んでしまえば、覚えたことにはなりません。記憶のメカニズムというのは復習なしでは語れないということです。
では具体的にどのようにして進めればいいのでしょうか?僕が実際にやっている流れは以下のとおりです。
- 復習ありきの英単語暗記
- ① 英単語帳を1冊選ぶ(音声、例文は必須)
- ② ページを区切って、1日の単語数を決める
- ③ 知ってる単語にチェックを入れる
- ④ 音声を聞きながら、見出し語と例文を音読
- ⑤ 翌日は前回の範囲をやってから、新しい範囲をやる
習得済みの単語はチェックを入れて除外する
①と②についてはさきほど説明したとおりです。ページをふせんで区切ったら、あとは決めた単語数を毎日コツコツと消化していきます。
最初にやるべきことは「③ 知ってる単語にチェックを入れる」ことです。これは、すでに覚えている単語を除外するためにおこないます。
覚えなければいけない単語数が膨大な場合、すでに知っている単語に時間を使うのは非効率です。なるべく、未習得 or 苦手な英単語に時間を使いましょう。
「習得済みかどうかを、どうやって判断するのか?」という話ですが、これは【単語を見て1秒以内に反射的に意味がわかる】というのを目安にするといいでしょう。
英単語というのは、覚えたつもりでも実用的な水準にまでは至ってない場合があります。文章やリスニングに内容を理解するには、英単語を瞬時に理解しないといけないので、反射的に意味が出てこないといけません。
言い方を変えると「えーと、この英単語はたしか…あ、◯◯って意味だ!」みたいな感じで思い出すのに時間がかかるようでは不十分です。こういった単語は、意味がわかったとしても単語帳にはチェックを入れずに何度も反復して覚えるようにします。
見出し語と例文の音読を繰り返す
知っている単語のチェックを終えたら、いよいよ本格的に英単語帳を向き合っていきます。
たとえば、「毎日2時間で100個やる」と決めたのであれば、その範囲をひたすら周回しましょう。
具体的なやり方ですが、英単語帳の見出し語と例文の音読を繰り返します。英単語帳の多くは音声が付いているので、その音声に合わせて音読(シャドーイング)をしていけば、良いリズムで学習を進めることができます。
ちなみに、なかなか意味が覚えられない単語があったとしても、気にせず先に進みましょう。わからない英単語に時間をかけてじっくり学びたい気持ちはよくわかりますが、それだとキリがありません。
さきほど説明したとおり、英単語帳は何周もやることを前提で勉強するべきなので、何度も繰り返すなかでジワジワ覚えていけばOKです。質より量を意識して取り組む姿勢を持ちましょう。
必ず前日の範囲をやってから
英単語帳は復習なしで進めてしまうと、覚えたことが台無しになってしまいます。2周目に入ったときに「この英単語なんて意味だっけ…」という状態にならないように注意しましょう。
そのためには、前日の範囲の復習をやることが欠かせません。
最初にも説明しましたが、僕は新しい英単語を1日100個やることに決めています。ただし、前日の復習をやってから新しい範囲に入るので、実質的には1日200個やっています。
つまり、1日の勉強は【前日にやった100個の見出し語と例文を読む → 今日の100個を同じようにやる】という感じで進めていきます。
実際、「復習をやってから新しい範囲に入る」というやり方を始めてからは、確実に語彙力が向上したのを実感しました。それはTOEICスコアを見ても明らかだったし、自分が読める英文記事や洋書の範囲が広がったことでも感じることができました。
復習は新鮮味がないのでちょっと気乗りがしないことがあるのですが、効果は絶大なので必ず取り入れることをおすすめします。
失敗しない「英単語帳」の選び方
どの英単語帳を使うかによって語彙力は大きく差が生じますし、日々のモチベーションにも影響します。
僕がこれまで10冊以上の英単語帳を使ってきましたが、良い本もあれば良くない本もあります。それを踏まえて「継続しやすい英単語帳の条件」をリストアップしてみました。
- 継続しやすい英単語帳の条件
- ① 自分のレベル・目的に合っている
- ② 例文および音声が付いている
- ③ 重さ、紙質、デザインなど、直感的に愛着が持てる
これらの条件を満たした英単語帳で、1日の個数を区切ってやれば語彙力の向上はほぼ約束されたようなものです。
1つずつ見ていきましょう。
① 自分のレベル・目的に合っている
大前提として、英単語帳が自分の英語レベル・目的に合っている必要があります。
まず、目的というのはわかりやすいと思います。TOEICならTOEICの単語帳、英検なら英検、ビジネス英語ならビジネス英語に特化した単語帳を選びましょう。
一方、英語レベルというのは意外とむずかしいです。というのも、知ってる単語ばかりが載っていても買う意味がないですし、反対に知らない単語ばかりだとレベルが高すぎる可能性があるからです。
あくまでも1つの目安ですが、知らない単語の割合が50〜70%くらいの英単語帳を選ぶといいでしょう。要するに「だいたい半分わかって、半分わからない英単語帳」です。適当な1ページ分を開いて、見出し語をチェックすればスグに判断がつきます。
そのためには、なるべく本屋で中身をチェックして判断するのがおすすめです。僕は英単語帳を買う前に、必ず本屋で内容を確認してから買うようにしています。
② 例文および音声が付いている
必ず例文と音声がついている英単語帳を選びましょう。最近の英単語帳はほとんどが例文&音声付きなので、そこまで困ることはないと思います。
見出し語だけでなく例文が必要な理由は「その単語がどんな文脈で使われるのか理解するため」です。
たとえば「十分な」を意味する英単語は以下のように複数存在します。
- 「十分な」を意味する英単語
- comfortable
- plenty
- satisfactory
- substantial
- substantive
- sufficient
- ample
これらの単語を「十分な」という意味だけで理解していても、実際の英文では使いこなせないでしょう。実際の英文でどのように使われるのか?を知るためにも、例文というのは不可欠です。
また、音声で正確な発音を知るためにも、音声データ(あるいはCD)が付いていることも欠かせません。
③ 重さ、紙質、デザインなど、直感的に愛着が持てる
3つ目は個人の趣味や嗜好になってきますが、愛着が持てる英単語帳というのも大切な条件です。
「手に持った感じがしっくり来る」とか「ページのレイアウトや色味が好き」とか、なんでもかまいません。直感的に「なんかこの英単語帳、いいな」と思えるものを選びましょう。
ちなみに、このあと紹介するおすすめの英単語帳は、僕がどれも「表紙の質感」や「本の厚み」が気に入っているものばかりです(もちろん、内容の良さが大前提ではありますが)。
実際に使った「おすすめの英単語帳」
具体的に、僕が使ってきたおすすめの英単語帳は5冊あります。
- 『DUO』
- 『文で覚える単熟語(文単)』
- 『Core1900』
- 『英検1級単熟語EX』
- 『TOEIC対策 金のフレーズ』
- ※いずれもレビュー記事へリンクします
僕はTOEICも英検も意識しながら勉強しています。DUOはTOEIC600点前後。文単は英検対策(1級)、Core1900はどちらも対応という感じ。
すべての英単語帳に共通して言えるのは、例文の質が良いということです。例文を読むことで、自然と英単語ならびにフレーズが身につきます。
例文で覚える英単語帳は一見すると遠回りというかムダが多いように思われるかもしれませんが、実際は効率的かつ最短で覚えられる優れた教材です。
効率が爆上がりする「英単語帳とアプリの併用」
個数を決めて復習することで格段に英単語学習は効率的になります。ただ、英単語帳だけだとアウトプットがしづらいというデメリットがあります。
英単語帳の多くは赤シートが付いていて、それを隠す→見るを繰り返しながら単語の定着度を測りますよね。でも、正直ちょっと大変だし、赤色は集中力を削ぐ色とも呼ばれているので個人的にあまり好きではありません。
その代わりに、僕はアプリを活用しています。最近は mikan や 物書堂という書籍と連動したアプリがあるので、【英単語帳で覚える→アプリでチェック】という流れで暗記ができます。
実際、僕は mikan と 物書堂どちらも使ってきてその素晴らしさを体感しています。以下の記事はiPadメインのレビューですが、スマホでもOKです。
アプリだと個数(範囲)を指定して、その範囲だけを出題したりもできます。リスニング(音声)だけで使えるので、手が使えない状態でも学習可能です。
繰り返し復習が大事。と説明していますが、アプリを使うと復習も非常にラクになります。赤シートを使うよりも楽しく、アプリならゲーム感覚で復習ができます。
単語を学びつつ、運用力も身につけたい
英単語は英語学習の核となる部分で、いってみれば基礎です。言い方を変えると、英単語を覚えただけでは英語を話せるようにはなりません。
また、英単語帳はいわば”単語の羅列”でもあるので、飽きやすく挫折しやすいという注意点もあります。
英単語帳だけを続けるのはシンドいという人も少なくないでしょう。そういった人には、総合的な英語が学べるアプリをおすすめします。
たとえば、僕が長らく使ってきたスタディサプリENGLISHは、英単語をフラッシュカードで学びつつ、英語の4技能を総合的に伸ばせる設計になっています。
実際の会話やTOEICの問題などを通して、【単語を覚える→実際に使ってみる】というサイクルを回せるので、英単語帳を単体でやるよりも記憶に定着しやすくなります。
「ふつうの英単語帳はちょっと苦手かも…」と少しでも感じる人は、無理に英単語帳を買うのではなく、スマホですぐに始められるアプリを使ってみるのがおすすめです。
ちなみに、スタディサプリENGLISHは7日間無料で始められるので、お金を一切かけずにアプリを試すことができます。