英語の勉強で悩ましいのが、どんな本や教材を使うかですよね。
本屋に行けば溢れんばかりの語学書がありますが、選ぶ教材によって英語学習の効果や継続率は大きく変わってきます。
多くの人はいろんな教材に手を出しがちですが、1冊の本を何度も(何周も)やるほうが効果的という意見も多いんですよね。
実際のところ、いろんな英語の本を買って勉強する方法と、1冊を繰り返すやり方ではどちらが効果があるのでしょうか?
【結論】1つの本を何度も繰り返したほうが効果的
まず結論からお伝えすると、英語の学習は「これ!」と決めた1冊の本を何周も繰り返したほうが効果が高いです。
なぜか?その理由は大きく分けて2つあります。
- ① どの英語教材を選んでも大きな差はない
- ② 繰り返すことで記憶や知識、英語の能力が定着する
① どの英語教材を選んでも大きな差はない
語弊があるかもしれませんが、英語の学習本はなにを選んでも大小の差はあれ基本的に同じです。
なかには「こんな内容で英語なんて身につかないよ」というトンデモ本があるのですが、それはごく一部。
そういった本さえ避けることができれば、英語の本は基本的にどれを選んでも大きな失敗はありません。結局、やるかどうかの問題です。
だから、いろいろな本に手を出しても結局は同じことが書かれている可能性が高いため、あまり意味がないのです。
もちろん、「スピーキングに特化した本」と「英単語帳」では内容がちがいます。こうした違う技能を伸ばす本であっても、結局のところ英語力を伸ばす本であることにはちがいありません。
1番わかりやすいのは、英会話フレーズ集です。どの本も基本的には書いてある内容は一緒です。ちがうのは構成や本のレイアウトなど、使い勝手の差に過ぎません。
ですから、複数の本に手を出すよりも、「この本なら信頼できる」と思う1冊を買って繰り返し何度も読んだほうが効果が高いですし、費用の負担も軽くなります。
能力別のおすすめ本は、あとでくわしくご紹介します。
② 繰り返すことで記憶や知識、英語の能力が定着する
「英語は筋トレに似ている」とよく言われますが、本当にそのとおりだと思います。
ようするに、1日やっただけでは身につかないということ。一定期間、コツコツと継続しないと効果が表れないのが英語なのです。
これはつまり、1度読んだだけではなかなか身にならないということを意味します。
同じ本を何度も繰り返して読むことで、頭で理解するのではなく「感覚として習得する」ことが可能になります。
ということは、記憶や能力が身につかないままいろんな本に手を出して”放浪”するのは、「覚えては忘れ、覚えては忘れ」という繰り返しにすぎず、安定した英語能力は永遠に身につかないということです。
話す、聴く、書く、読む。どの英語能力を伸ばしたいかで本を選ぶ
1冊の本を何度も読むのが良いのはわかったとして、問題はどの本を選ぶかです。
結論としては、自分が伸ばしたい英語能力に合わせて本を選びましょう。
そもそも、あなたが英語を勉強したいと思う理由はなんでしょうか?
人によって目的は異なりますが、たとえばこんな理由が考えられます。
- ・仕事で必要になった
- ・社内の昇進にTOEICのスコアが必要
- ・国際貢献がしたい
- ・外国の友達を増やしたい
- ・なんとなく、やっておいたほうが良さそう
- ・洋書や英字新聞を読めるようになりたい
こんな具合に、人によって英語を学ぶ目的はさまざまです。そして、その目的によって必要な英語力は異なります。
たとえば、会議で英語を使うという人は「リスニング」と「スピーキング」を伸ばすべきでしょう。
反対に、僕のように「洋書を読めるようになりたい」というのが目的ならば、リーディング1本に絞っても問題ないわけです(実際、いまは「読む力」を伸ばすことに重点を置いて勉強してます)。
英語の本は基本的に「どの技能を伸ばしたいか?」によって内容が分かれているため、自分が伸ばしたい能力に合わせて本を選ぶのが最も効果的というわけです。
ここでは各能力を伸ばすのに一役買ってくれる定番書や人気本をご紹介しておきます。まずは自分が伸ばしたい能力を1つ決めて、どれか1冊を集中的に取り組んでみましょう。
- 英語リスニング『英会話ぜったい音読』
- 英語スピーキング『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』
- 英語リーディング『究極の英語リーディングVol. 1』
- 英語ライティング・英作文『竹岡広信の 英作文が面白いほど書ける本』
「音読」をやっておけば、バランスよく英語力を伸ばせる
僕はこれまでアレコレいろいろな本に手を出してきましたが、結局のところ「音読学習が1番」という結論にたどり着きました。
音読とは、英語の文章を声に出して読むこと。英語を音読することで、読む力、聴く力、話す力、そして書く力までも伸ばすことができます。
英語を学び始めたころは、それぞれの能力は個々の学習でしか伸ばせないと思っていました。
たとえば、「聴く力を伸ばすにはリスニングに特化した本をやらないと意味がない」と思っていたんですね。
でも、音読学習はあらゆる能力を伸ばすことができます。
- 【英語の音読で4つの能力が伸ばせる理由】
- ・声に出すのでスピーキングが伸びる
- ・英語の音声を聴くのでリスニングが伸びる
- ・英語を読むのでリーディングが伸びる
- ・文章を読むことで自然とライティングが身につく
音読学習のメインとしてはやはりリスニングとリーディングの伸びを実感できると思います。
音読は頭で理解するというよりも「英語を体で覚える」という感覚に近いため、短期的な記憶よりもはるかに効果があります。
僕は英語の音読学習をはじめてかなり英語力が伸びたと実感しているので、「なにをやったらいいかわからない」という人は音読から始めてみるのがおすすめ。
教材は「英会話・ぜったい・音読 【入門編】」の一択です。
まったくの初学者は最低限の英文法を勉強したほうが良い
それぞれの英語能力を伸ばす教材を読んでみて、「内容が全然わからない」という人は最初に英文法を学んだほうが良いです。
英語学習において「英文法なんてやらなくていい!」という意見がありますが、とんでもないです。絶対にやるべき。
なぜなら、今後の英語学習を継続しやすくなりますし、理解度がグッと深まるからです。
たとえば、英語音読だけで能力を上げるというやり方もたしかにあります。
しかし、そういった1つの学習法に特化したやり方だと、英語が身につくのに時間がかかりすぎるためおすすめしません。挫折しやすいです。
読んだり聴いたりしたときの理解度を高めて、今後続けていく英語学習の効果を伸ばすためには最低限の文法は勉強しておきましょう。
問題は英文法を何で勉強すべきか?ということですが、まったくの初心者であれば「エバーグリーン」という文法書を読むのが良いです。
ただ、文法書だけを読むのはなかなか苦痛だと思いますので、文法の問題集もあわせて進めていくと飽きにくい英語学習が実現できます。「スクランブル英文法」は見開き1ページに問題と解答が載っているので使いやすくておすすめ。
原則として1冊の本に集中すべきですが、文法書と問題集は組み合わせることで相乗効果が生まれますから同時進行で問題ありません。
挫折して英語学習をやめるくらいなら、他の本に手を出すべき
ここまでは「1冊の本に集中すべき」という意見を紹介してきましたが、現実はそこまで甘くありません。
おそらく、多くの人が途中で「飽き」におそわれると思います。
僕も偉そうにいろいろ言ってきましたが、英語の本にはだいぶ振り回されました。買っては読むのをやめ、買ってはやめるの繰り返し。
ただ、それを繰り返したおかげで英語をやめずに来られたし、いまとなっては「この本さえやればOK」という信頼できる本を何周も読むことができるようになりました。
何が言いたいかというと、1冊の本を集中的に読むのが嫌になって英語に挫折してしまうくらいなら、気分転換に他の本を買ってしまったほうが良いということです。
結局、英語学習は続けてナンボなので、下手に1冊にこだわりすぎて嫌になるのは本末転倒。
「この本は自分に合わない」とか「やるのがしんどくなってきた」と感じて挫折しそうなら、潔く本屋へ言って他の本を買ってしまいましょう。
僕の部屋の本棚にも英語の本がドッサリ詰まってます。
英語を長く、楽しく続けるためには、気楽に英語の本を付き合っていくほうが精神的にも良いですからね。