「幸せ」という英単語で真っ先に浮かぶのは happy だと思いますが、厳密には名詞の「幸せ」は happiness と表現します(happy = 「幸せな」という形容詞)。
さらに、「幸せ」や「幸福」に近い意味を持つ単語として、他に well-being, welfare, pleasure といった英単語もあります。
今回はこれらのニュアンスの違いと例文を紹介していきたいと思います。なお、取り上げている例文は『ウィズダム英和・和英辞典』を一部引用しています。
happiness = 最も一般的な「幸福」の表現
happiness は、「幸福」を意味する最も一般的な表現です。どんな種類の幸福であっても、おおむね広く使えます。
- happiness の用例
- look for happiness 幸福を求める
- have a feeling of happiness 幸福感を持つ
- a key to happiness 幸福になる秘訣
ただし、happiness という幸福には「長続きしないもの」「一瞬だけ感じるもの」「感情的な幸福」というニュアンスが含まれる場合があります。さらに、一部の心理学では、お金や地位(肩書きなど)も happiness に含まれると考えます。
そのため、最近は「一瞬の幸せ」「お金や地位による幸せ」を表す happiness ではなく、「持続する幸福」という意味の well-being という考え方を企業文化に取り入れようとする動きも見られます。
well-being = 「持続する幸福」を意味する
happiness が「一瞬の幸福」「感情による幸福」であるのに対して、well-being は「持続的で内面に深く根ざした幸福」というニュアンスがあります。「満足のいく状態」という訳し方がわかりやすいかもしれません。
well-being を文字通り訳すと「良くあること」となります。つまり、自分自身の精神・肉体はもちろん、社会的にも良い状態であることを指します。
また、「福祉」や「健全性」という意味で使われることもあるため、well-being の用途は幅広いです。
- well-being の用例
- well-being of a family 家族の幸せ
- well-being of workers 労働者の福利
- public well-being 公共の福祉
welfare = 健康・生活の快適さを表す「福祉」
welfare を「幸福」と訳すこともできますが、それよりは「福祉」「福利」というニュアンスの強い英単語です。
社会全体の幸福を図るための活動や団体などに welfare という言葉が多く使われます。
- welfare の用例
- The Ministry of Health, Labor and Welfare (日本の)厚生労働省
- social welfare 社会福祉
- welfare reform 福祉改革
pleasure = 喜び、楽しみを表す
pleasure は、「楽しみ」や「喜び」を意味する名詞です。「幸福」とはちょっとニュアンスが異なりますが、広い意味では pleasure も幸福に含まれると言えるでしょう。
- pleasure の用例
- It’s my pleasure. どういたしまして(それは私の喜びです)。
- get a lot of pleasure from music 音楽から大きな喜びを得る
- pleasure land 遊園地
- pleasure boat 遊覧船
「幸福」「幸福な状態」「福祉」「喜び」
- 「幸福」を意味する英単語
- happiness → 「幸福」を示す一般的な語。「感情的および一瞬の幸福」を含む
- well-being → 「幸福な状態」「持続的な幸福」という意味
- welfare → 「福祉」「公共の幸福」を意味する
- pleasure → 「喜び」「満足感」を意味する
日本で「幸福」といっても、そこには色々な幸福があります。お金を稼いだときの幸福感と、趣味で生活が充実しているときの幸福感は違いますよね。
それと同じことが、英語でも単語ごとに表されていると考えるのがわかりやすいと思います。