英語力を伸ばすうえで、英単語は欠かせません。
結局、言葉の意味がわからなければ、文法を覚えても理解できないからです。
英単語帳は世の中にたくさんありますが、僕の英語力を底上げしてくれたのが『DUO』です。この本と出会ってなかったら、とっくに英語学習をやめていたかもしれません…。
超有名なDUO。使い方を極めて最強の英単語帳に
英単語帳にはキクタンなど有名な本がたくさんありますが、DUOはそれに並ぶくらい有名な本です。
Amazonでも年間大賞を獲得するなど、英語を勉強する社会人に絶大な支持を得ています。
DUOは他の英単語帳となにがちがうのか?大きく分けて4つあります。
- DUOが他の英単語帳と違うところ
- ① 1つの例文で複数の英単語を覚えられる
- ② 英単語帳なのにストーリーがある
- ③ 暗記する価値のある英文だけが掲載されている
- ④ 英検準1級、TOEIC600〜780点に対応している
①1つの例文で複数の英単語を覚えられる
ふつうの英単語帳は、1つの英単語につき1つの例文が載っています。たとえば、こんなかんじ。
- 【見出し語】
- understand 理解する
- 【例文】
- I didn’t understand the last part.
- 最後の部分が理解できませんでした。
すでにお気づきかもしれませんが、understandという英単語を習得したいのに、例文に余計な英単語が混ざっていますよね。
英単語を2〜3個覚える程度ならいいかもしれませんが、数千〜数万という英単語を覚えるのならあまりに非効率です。
前置きが長くなりましたが、DUOは1つの例文で複数の英単語を覚えることができます。
- 【見出し語】
- receive 〜を受ける
- architecture 建築
- prestigious 権威のある
- award 賞
- 【例文】
- In 1995, Ando received architecture‘s most prestigious award
- 1995年、安藤(忠雄)氏は建築における最も権威ある賞を受賞した。
1つの例文に4つの英単語が入っています。単純にたくさん覚えられるという効率性もあるのですが、それ以上に文脈のなかで英単語が覚えられるというのが最大のメリットです。
つまり、「この英単語はこういう文で使われるんだな」というのが、体感できるということ。
いくら英単語を覚えても、文章のなかで正しく使えなければ意味がありません。
英単語を効率的に覚えられて、なおかつ正しい文脈で使えるようになる。僕は、これがDUOの最大のメリットだと思います。
ちなみに、例文が載っていない英単語帳は避けたほうが良いです。
②英単語帳なのにストーリーがある
ふつうの英単語帳は、それぞれの英単語の例文が並んでいるだけです。
一方のDUOは、単語帳1冊のなかにゆるやかなストーリーが展開されています。
これはDUO読者には有名ですが、例文のなかで登場するBob(ボブ)という人物の描かれ方が印象的です。ひとことでいえば、”ダメなやつ”として例文でたびたび登場します。
- Bob cut in on our conversation, saying, “I’m against it!” But everybody ignored him.
- ボブが「それには反対だ!」と言って、会話に割り込んできた。けれども、誰も耳を貸さなかった。
- Bob had intended to take her out tonight, but he had to work overtime.
- ボブは今夜、彼女をデートするつもりだったが、残業になってしまった。
- Bob mounted the portrait in a fancy frame, but it was upside down.
- ボブは装飾された額にその肖像画を収めたけれど、上下逆さまだった。
こんなドジっぷりをかますボブになんともいえない気分にさせられます。でも、DUOの一番最後の例文が以下のような文で終わるので、ちょっとだけ救われます。
- “Let’s call it a day, Bob. I’m starved.”
- “Yep. I’ll buy you dinner.”
- 「ボブ、今日はこの辺までにしましょう。お腹がぺこぺこ。」
- 「ああ。晩飯は僕がおごるよ。」
たいしたストーリーではないけど、1冊の中にゆるやかなつながりがあるので、英単語覚えるのがちょっとだけ楽しくなります。
③暗記する価値のある英文だけが掲載されている
DUOはネイティブの監修が入っており、本当に覚える価値のある英単語やフレーズしか掲載されていません。
DUOの最初のページには以下のような説明が書かれています。
重複なしで組み合わせても、英文が不自然でぎこちなかったら意味がありません。DUO3.0のすべての見出し英文は、米国の大学教授3名を含む15名のネイティヴと共に完成させた「暗記する価値のある英文」です。
英単語帳は長期間使うアイテムです。だから、「こんな単語おぼえても意味ないのでは?」と疑いながら勉強をするのは精神的にも良くありません。一度疑いだすと、疑心暗鬼でどんどん不信感が募ってしまいますからね。
僕もこれまでに何冊か英単語帳を試してきましたが、DUOに出会うまえまでは「いやー、こんな単語覚える必要あるかね?」と疑うことが多かったです。
DUOなら、「とりあえずここに載ってる英単語を覚えればかなりレベルアップできる」という確信を持てるので、勉強しているときの不安感がなくなります。
あと、DUOはAmazonをはじめ、ネット上の口コミや評判がかなり良いのです。「実際にDUOで英語力をアップさせた人がいる」という先例は、学習の大きな励みになります。
余談ですが、覚える価値のある英単語だけで、覚える価値のある英文だけを作るのって相当すごいですよね。
④英検準1級、TOEIC600〜780点に対応している
英検やTOEICを取得するのが目的で英語を勉強する人も多いと思います。
試験に向けて勉強するなら、当然試験対策になったほうが効率的で良いですよね。
DUOは英検準1級、TOEIC600〜780点にも対応しているレベルの英単語が掲載されているので、その範囲までであればDUOだけで対策可能です。
わざわざ個別の試験対策をする必要がないのは、かなりありがたいですよね。
たしかにTOEIC600〜780点であれば対応できると思います。しかし、正直なところ英検準1級はDUOだけでは対応するのがちょっとむずかしいと感じました。
僕は今まさに英検準1級の勉強をしていますが、DUOをマスターしたあとでもわからない単語がかなりたくさんあったからです。
とはいえ、DUOをやっていたおかげで英語の読み・書き・聴き取りの能力が格段にアップしたことは十分に体感しています。
DUOの欠点はCDが付属していないこと(別売り)
DUOは、英単語帳という分野のなかでも燦然と輝く1冊で、これから英語を勉強する社会人は”これ一択”と言ってもいいくらいオススメできる本です。
ただ、欠点というかデメリットが1つだけあって、それはCDが付属していない(別売り)ということです。
DUOのCDは別売りで、基礎用と復習用の2枚がそれぞれ販売されています。基礎用はゆっくり、復習用はノーマルスピードです。とりあえず復習用を買っておけばいいのですが、CD1枚が1200円(税別)という価格設定になっています。
DUOの単語帳本体も1200円(税別)なので、本+CD1枚を買うと合計で2400円(税別)の出費になります。
単語帳本体の1200円という値段だけを見ると安く思えるかもしれませんが、CDが付属されている他の英単語帳にくらべると、やや高いです。
とはいえ、その値段に見合うだけの価値はあるので十分おすすめしたいのですが、たしかに「両方買ったらけっこう高いな」と感じる人はいると思うので、あらかじめお伝えしておきます。
ちなみに、DUOをCDなしで取り組むのはおすすめしません。絶対にCDと一緒に学習してください。
CDとセットで、音読しながら読み進めることで、圧倒的に英単語が身につくスピードが上がるからです。
DUOをどうやって使うか?使い方次第で効果は落ちる
DUOはたしかに優れた英単語帳ですが、じつは使い方次第では期待するような効果が得られません。
つまり、使い方を誤ると英語力があまり伸びないのです。
ではDUOをどうやって使えばいいか?実際に僕が取り組んでみて、効果を実感した使い方をご紹介します。
以下の3ステップは、どれも1セクションごとにおこないます。
- 【ステップ1 : 黙読3回】
- それぞれの単語と例文の意味が取れるようにする
- 【ステップ2 : 音声を流してテキスト見ながら音読5回】
- 自分の発音をネイティブの発音に近づける
- 【ステップ3 : 音声CDだけを聞きながら音読5回】
- いわゆるシャドーイング。少し遅れて音声CDについていく
【ステップ1 : 黙読3回】
いきなり音声を聴いても意味がまったくとれない可能性もあります。ですから、テキストを黙読しながら、それぞれの英単語と日本語訳を照らし合わせましょう。
そして、例文の意味が取れるようになるまで、黙読を繰り返してください。
例文の意味が取れてない状態で次に進んでしまうと、中途半端な理解となってしまい、単語力が身につきません。
最低3回ですが、理解が深まるまで回数を増やすのはOKです。
ステップ2 : 音声を流してテキスト見ながら音読5回
黙読だけでは、その英単語や例文の発音が合っているかわかりません。
発音やイントネーションを正しく身につけるためにも、音声CDを使ってください。
そして、必ず音読すること。例文を必ず音読してください。
なぜかというと、音読をすることで、正しい発音が体に馴染んでいくからです。また、自分で発音した言葉が自分の耳を通ることで、発音感覚を鍛えることができます。
正直、音読はしんどいです。ただ、絶対に音読で英語力はアップします。
音読によってなぜ英語力がアップするのか?については、下記の記事でくわしく解説しています。
ステップ3 : 音声CDだけを聞きながら音読5回
いままではテキストを見ながら読んでいましたが、次は音声だけで発音をしてみます。いわゆるシャドーイングという練習方法です。
テキストを見ながら発音するのと、音声だけで発音するのはかなり違うことがわかると思います。
目で理解できることと、耳だけで理解できることは別の話です。目で理解していても、耳で理解できていないと、英会話ができません。
音声だけでシャドーイングするのはそれなりにレベルが高く、負荷も大きい学習法です。
ただし、回数をこなすことで得られるスキルアップの恩恵は計り知れません。
誤解を恐れずに言えば、しんどい学習法ほど身につくスピードも早いです。
1セクションごとに、前回のセクションを絶対に復習すること
DUOは、なるべく短期間で仕上げることをおすすめします。人にもよりますが、1ヶ月〜2ヶ月くらいで1冊を終えられるとベストです。
DUOは全部で45セクションに分かれていて、1日1セクション進めたとすると45日間かかる計算になります。僕は1日1セクションで進めていきました。
セクションを先へ進める前に絶対に欠かしてはいけないのが、前日に学習したセクションの復習です。
せっかく英単語や例文を身につけても、時間が経てば必ず忘れてしまいます。これは避けられない現実です。
ですから、DUOを使って学習をはじめるときは毎日、前日の復習からスタートさせましょう。繰り返しすり込むことで、英単語が定着します。
復習を怠ると、せっかく覚えた英単語もあっという間に忘れてしまいますから、絶対に復習はおこなってください。
ちなみに、セクションごとの区切りがわかりやすいように、僕は各セクションの始まり部分にふせんを貼っています。
熟語部分には下線を引いておくと効率的
英単語帳ですから1単語ずつ覚えるのが基本ですが、なかには熟語(イディオム)が使われている例文もDUOにはたくさん掲載されています。
単語1つのときに持つ意味と、熟語になったときで意味が大きく変わる英単語も多いですから、熟語を覚える工夫も大切です。
僕は、熟語が出てきたら、そのまとまりに下線を引くようにしています。そうすることで、熟語として覚えるべき”まとまり”が視覚的にわかりやすいからです。
視覚的に熟語を覚える仕組みをつくっておくと、英文の記事や本を読んだときにも「あ、これDUOで習った熟語だ」という感覚を味わうことができます。
DUOの使い方【まとめ】
- 1日1セクション。前日の復習からはじめる
- ①黙読 3回
- ②音声+テキスト見ながら音読 5回
- ③音声のみで音読 5回
回数をきちんと決めることで、ダラダラ学習することを防ぎ、達成感を味わえるようにしましょう。
また、繰り返しになりますが、前日の復習は非常に重要です。
覚えたことを忘れてしまうのは時間のムダなので、英単語を自分の体の貯め込んでいくイメージを持ちましょう。
覚えた単語を実際の英会話で活かすには?
DUOはTOEICや英検対策にも使えますが、最も活きるのは英会話においてです。実際の英会話で使われるような、リアルな単語や表現が載っているので、DUOの内容をマスターすれば英会話が非常にラクになるでしょう。
とはいえ、当然ながらDUOをやるだけでは英会話は身につきません。実際にDUOで学んだ英語表現を使ってみないことには、真の意味での「使える英語」にはならないのです。
つまり、DUOで覚えた英単語や表現を実践で使ってみる。コレに尽きます。
幸いなことに、オンライン英会話を使えば1レッスン数百円という超低コストで英会話レッスンを受けることができます。
僕もこれまで数え切れないくらいオンラインで英会話レッスンを受けてきましたが、DUOで覚えた英語表現をめちゃくちゃ使ってきました。レッスンを受けるたびに「あ、これDUOでやったやつだ」と思うほどです(笑)
DUOには本当に使える英語しか載っていません。そして、それを実践で活かすには英会話レッスンをコツコツ受けるのが、英語力を伸ばす最短ルートです。
ちなみに、僕はQQ Englishというオンライン英会話を使ってます。講師はやさしくて優秀な人ばかりなので、レッスンを受けるのが楽しいです。非常におすすめ。