英語の勉強を続けていると、モチベーションの低下に悩む時期が必ずやってきます。
そんなとき頼りになるのが「英語学習本」でして、僕も英語へのやる気が低下したときには読むようにしています。
いままでは『英語上達完全マップ』という本を読んでいたのですが、もっとシンプルな勉強法ないかな?と思って、『超高速 PDCA英語術』という本を読んでみました。
本の内容をレビューしつつ、具体的な勉強法について紹介していきたいと思います。
英語の勉強は「音読」と「英作文」の2つに絞る
この本のなかで特に印象的なのが、英語の勉強方法です。
本書では明確に「音読(シャドーイング)」と「瞬間英作文」の2つに絞るべきと断言しています。
これには僕も賛成でして、実際にこの勉強法で英語力が伸びているのを実感しています。
英語の勉強法がわからないと、単語をコツコツやったり、いきなり英字新聞を読んだりしがちです。
それでもそこそこ効果はありますが、効果的な学習にはなりません。
音読とシャドーイングで英語の音がわかるようになる
- 【 音読 ( シャドーイング ) 】
- 英語の文章を音読する。英語音声に少し遅れてついていくのがシャドーイング。
英語の勉強は、英会話フレーズを”黙読”するようなやり方だと効果が出ません。
なぜなら、そのフレーズの意味がわかっても、話したり聞き取ることができないからです。
音読はそういった問題点を解消します。つまり、実際に声に出して読むことで、その音を自分のものにするわけです。
音読をしつつ、シャドーイングもすれば知っている英語と音声が結びつきます。
たとえば I’ve been to New York. ( 私はニューヨークに行ったことがあります。) という文章があります。
I’ve = I have で、意味もわかっている。でも、実際に I’ve を音声だけで聴き取るのってけっこうむずかしいんですよね。
つまり、知っているのと聞き取れるのは別問題なわけです。
音読やシャドーイングをすることで、「話す・聞く」が同時に鍛えられるため、下手に他の勉強法をやるよりも圧倒的に高い効果を得ることができます。
瞬間英作文で、英語をつくる能力をアップさせる
- 【 瞬間英作文 】
- 日本語の文を見て、瞬時に英作文をする。反射的に英語が言えるようになる。
「瞬間英作文」という言葉は、森沢先生の著者『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』に由来しています。
この本では、左のページに日本語の文が10コ、右のページに英語の文が10コ並んでいて、日本語の文から英語の文をつくるというトレーニングをします。
「英語をそれなりに知っているのに、なぜか英文が作れない」という人は非常に多いと思います。
瞬間英作文をすることで、反射的に英語が言えるような”回路”をつくるわけです。
このトレーニングは特に「英語を話す」という点において効果的な勉強法になります。
英文がすぐに作れれば英会話もスムーズになりますし、英文メールやチャットなどでもその効果を実感できるはずです。
ちなみに本書『超高速 PDCA英語術』では「超高速英作文」と呼んでいますが、やることは一緒です。
英語を「書く・読む」は捨てる。
この本では英語を「書く・読む」の勉強は”捨てる”方針です。
なぜか?それには明確な理由があります。
「書く」はテンプレートや機械翻訳でOK
英語を書くことに関しては、ビジネスに限って言えば英文メールや会議資料などになると思います。
よほど専門的な内容であれば別ですが、こういうのはすべて決められたテンプレートを使えばいいし、使えるならネットの翻訳でOKというわけです。
ビジネス文書などは、実際に書籍がたくさんあるので、そういった本を参考にしながら文章を書くこともできます。
「読む」は機械翻訳を使って日本語で読むほうがスムーズ
「読む」に関しても同じで、英語を頑張って読むのではなく、機械翻訳を使ってしまえばいいという考え方です。
たとえばGoogle翻訳の精度はかなり上がっていますし、有料のサービスにまで目を向ければ優れた翻訳ツールはたくさんあります。
このようにして、「書く・読む」はバッサリ切り捨てて、「話す・聞く」に特化したほうが学習効果が上げられるというわけです。
特に忙しいビジネスパーソンの場合、英語学習に使える時間は限られていますから、そういった意味でも「話す・聞く」に専念するのは効果があります。
同じ本を繰り返しやること。他の本への浮気はNG
僕もそうなんですが、英語学習者って「いろんな本に手を出しがち」ですよね。
本を買ったばかりの頃は「やってやるぞ〜!」とテンション高めなんですが、時間が経つと飽きちゃってつい他の本に手を出しちゃうわけです。
なぜ他の本に手を出してしまうのか?その理由はズバリ「その本を信用できてないから」です。
他の本を買ってしまうときの心理って「この本だったら英語の勉強が続くかも!」とか「劇的な変化があるかも!」みたいな感じですよね。
それって裏を返せば、いま使っている本に信頼を置いてないということになりませんか?
その本に信頼を置けない理由はさまざまです。
- ・自分のレベルに合ってない(むずかしすぎる or 簡単すぎる)
- ・内容に興味が持てない
- ・英語を勉強する目的とその本の内容が合ってない
自分のレベルに合ってない(むずかしすぎる or 簡単すぎる)
なんとなく立ち読みして「これでいっか」という程度で決めてしまうと、自分のレベルに合ってるかどうかわからないまま本を買うことになります。
これだと「やってみたら全然理解できなかった」というケースになりがちで、結果的にまた新しい本が欲しくなってしまいます。
英語初級者の人は特にそうなんですが「背伸びしてむずかしい本を買いがち」です。
最初は自分には簡単すぎるかな?というレベルの本を選びましょう。たとえ簡単すぎても挫折しにくいですし、自分の自信にもつながります。
内容に興味が持てない本はNG
僕はこれまで、何度も音読教材を買い替えてきました。10冊は余裕で超えてますね。
なぜそんなに買っているかというと、内容に興味が持てない本が多かったからです。
いまでこそ教材選びの精度は上がりましたが、最初の頃は失敗ばかりしてました。
音読のトレーニングは同じ本を繰り返し何度も読むことで効果が得られる勉強法なので、興味がない本を読み続けるのは苦痛です。挫折につながるので、十分に注意しましょう。
市販の教材は非常に豊富なので、いまあなたが興味のあるジャンルで探せばきっと見つかるはずです。
僕の場合、国際問題、世界情勢、政治経済などのニュースが好きなので、それらを扱っている音読教材を使うようにしています。CNN English Express や Core1900などが好例です。
おすすめの音読教材のについては以下の記事にくわしくまとめてあります。
英語を勉強する目的とその本の内容が合ってない
たとえば、英語を使った会議に参加するために英語を勉強しようとしている人がいます。
その人が、英単語集をやるだけで効果を実感できるでしょうか?できませんよね。
自分が求める英語力はなにか?英語を学ぶ目的は?それに合った本を選ばないと、なかなか効果も出ません。そして、効果が出ないので他の本に浮気しやすくなります。
何のために英語を勉強しているのかを、まずは最初にハッキリさせましょう。
1日3時間、1年間継続で「1000時間」勉強する
英語を身につけるには、1000時間の勉強が必要というのが本書の結論です。
研究によると、日本人が英語を身につけるには約2500時間かかると言われていますが、そのうちは1000時間はすでに中学校や高校で学習済み。
さらに予備校や学習塾での時間を含めれば、もっと多くの時間英語にふれています。
ですから、残りのおおよそ1000時間で英語をマスターできるというわけです。
そして、1日3時間の勉強時間を確保して、それを1年間続けて1000時間を確保します。
英語の勉強は長くダラダラやるよりも、決まった期間で濃い勉強をしたほうが効果が出やすいと言われています。
よって1日1時間を3年間やるよりも、1日3時間を1年間やったほうが良いというわけです。
英語の勉強は決まった時間に毎日やるのがオススメ
僕は英語の音読と英作文を中心に勉強をしていますが、いずれも1日の決まった時間にやるようにしています。
毎朝8時から1時間は音読、9時から1時間を英作文という具合です。
これをやるとリズムが生まれるので習慣化しやすいですし、挫折もしにくくなります。
ただ、最初から3時間みっちりやろうとすると挫折の要因になりますから、まずは5分間だけやってみて、それを少しずつ伸ばしていくというやり方をおすすめします。
英語学習はいかに挫折せずに続けるかというのが最も肝になるところなので、挫折対策にはベストを尽くしましょう。
英語学習はシンプルに限る
僕もたまに「この英語勉強法でいいのかな?」と迷走して、いろんな教材に手を出すことがあります。
でも、最終的に帰ってくるのはいつも「英語の音読」と「英作文」です。
結局、英語というのは1つの教材を反復して何度もやるのが1番良いんですよね。教材も学習法もシンプルにして、それを愚直にやり続ければ必ず結果はついてきます。
「英語の音読」と「英作文」は、話す・聞くのみならず、英語の読み書きにも効果があるので、勉強法に迷っている人はぜひ取り入れてみて下さい。