英語学習法のなかで、僕が最も効果を感じたのが「音読」です。
一部では「英語の音読は意味がない」という意見もあるようですが、まったくそんなことはありません。むしろ、英語の音読は効果絶大です。
というわけで今回は、英語の音読で得られるメリットと具体的なやり方を解説していきます。
「音読は意味ない」と言われる理由
英語の音読は意味がないと言われてしまうのは、即効性がないから。僕はそう感じています。
わかりやすくいえば、音読をしてもスグに英語が上達した実感を得ることはできません。時間がかかります。
つまり、音読の効果が得られる前にやめてしまった人が「音読は意味なし」と思ってしまったのだと思います。
そもそも、音読に限らず英語学習の成果を得るには時間がかかって当然です。たとえ英会話フレーズを短期間で暗記しても、それを実践の場で運用するには相応の時間がかかります。
英語の音読も同じで、それなりの期間(個人的には最短でも1ヶ月は継続)が必要です。
ですから、英語の音読は意味ないと感じている人も、まずは一定期間継続することから始めてみるのが良いと思います。
もちろん継続は簡単なことではありませんが、記事の後半では音読学習を習慣化する方法についても解説していきます。
英語の音読で得られる効果
- ■ リスニング(聞き取り)UP
- ■ リーディング(読解力)UP
- ■ 返り読みの改善
- ■ 発音
- ■ 語彙力強化
リスニング(聞き取り)力UP
音読をするということは、同時に自分の声を聞くことになりますので、リスニング力UPにつながります。
音読のあとにシャドーイングもするのが僕なりの学習法なのですが、シャドーイングを組み合わせるとさらに効果が高まります。
リスニング学習というと、問題の音声を聞いて正しい解答を選ぶ、みたいなやり方が多いと思います。
もちろんそれでも良いのですが、問題を解いたあとに英文を音読するという過程を取るのがおすすめ。問題をやるにしても、解きっぱなしはNGということです。
実際に読むことで、聞き取れなかった自分の弱点を解消することにつながります。
リーディング(読解力)UP
音読は黙読よりも意識的に文章を読むことになるので、黙読よりも読解力が上がりやすいと思います。
また、読解スピードについても声に出すことでリズムが生まれるので、読む速さがUPします。日本語の場合は黙読のほうが読むスピードは速いと思いますが、英語の場合は黙読だと自分のペースでゆっくり読んでしまいがち。
こういった黙読の欠点も、音読がカバーしてくれるというわけです。
英語の読解力や読むスピードを上げたいという人にも、音読はピッタリの学習法です。
返り読みの改善
音読をすると、なかば強制的に一定のスピードを保つことになります。つまり、返り読みができなくなります。
英語を読んでいると、どうしても返り読みをして意味を捉えようとしがちですが、返り読みをすると当然読むスピードが落ちます。TOEICや英検の試験では、返り読みで時間を大幅にロスするはめになるので、スコアや成績にも悪影響です。
返り読みのクセをなくし、読解スピードを上げるためにも英語の音読は大きな意味を持つのです。
発音の向上
英語を黙読するだけでは正確な発音はわかりませんし、ましてや身につくことはありません。
英語の音声を聞くだけでも発音は向上するのでは?と思われるかもしれませんが、耳で聞くのと声に出して読むのとではかなり差があります。
簡単だろうと思って発音してみると、意外と発音がむずかしい単語はたくさんあるものです。
また、単語同士がつながって発音が変わるリエゾンも、音読によって気づきが得られます。たとえば、take it easy などはわかりやすい例です。
音読することで初めて発音は強化できるといっても過言ではありません。発音は聞き取りはもちろん、英会話におけるスピーキングにも大きく関係してきます。
語彙力強化につながる
音読には「内容を理解しながら読む」or「発音だけを意識して読む」という2つのパターンがあります。
このうち、内容を理解しながら音読をするためには、単語を瞬発的に理解しなければいけません。
つまり、音読のスピードでそのまま内容を理解するだけの語彙力が求められるということです。
最初のうちは音読のスピードで意味がわからない内容でも、繰り返し読むうちに自然と意味が取れるようになります。
ですから、音読をすることで語彙力強化になるだけでなく、瞬間的に意味を理解する力も身につくということです。
英語音読におすすめの教材
音読のやり方に入っていくまえに、まずは音読におすすめの教材を紹介します。
大前提として、音読教材は必ず音声データ(CD)があるものを選びましょう。音声がないと、発音が確認できないですし、シャドーイングもできません。
実際に僕が使ってきたなかで、特に効果を実感したのは以下の2つの教材です。
- ① 英会話ぜったい音読
- ② CNN ENGLISH EXPRESS
① 英会話ぜったい音読
「英会話」という名前が付いていますが、英語の総合力を伸ばすのにうってつけの教材です。
教材の前半では、けっこうなページ数を割いて「いかに英語の音読には効果があるか?」という解説が書かれています。これだけ聞くとうんざりしそうですが、これを読むことで音読に対する姿勢がガラッと変わるはず。
肝心のテキストですが、中学校の教科書がベースになっており、英語初心者の人にはぴったりの難易度です。
教科書だからといって決してつまらないということではなく、大人が読んでも楽しい英語の長文が揃っています。
また、本書は入門編〜挑戦編まで6冊のシリーズになっており、レベルアップとともに教材をステップアップすることができます。
僕は6冊すべてやりきりましたが、この教材のおかげで音読の意味と有用性を実感することができました。心からおすすめしたい本です。
② CNN ENGLISH EXPRESS
英語の音読教材は「興味が持てる・楽しい」と感じるものを選ぶべきです。なぜなら、音読は同じ文章を繰り返し何度も読むから(やり方は後述)。
つまらない作り話や無味乾燥な英文だと音読にすぐ飽きてしまいます。
僕はこれまでいろんな英語教材で音読してきましたが、CNN ENGLISH EXPRESSが至高だと思っています。
CNN ENGLISH EXPRESSは毎月発行の語学雑誌で、アメリカのCNNニュース記事を題材に英語を学ぶことができます。
記事の長さもちょうどよく、なおかつ語彙や文法の解説が丁寧でわかりやすい。
さらに、すべて実際のニュース記事が素材になっているので、世界情勢や文化などを学びながら英語学習ができます。
難易度はかなり難しめなので、一通り英語学習をしてきた人におすすめ。毎月発行なので、月イチペースで教材を刷新できて気分もリフレッシュできます。

英語音読の具体的なやり方
ここからは、音読の具体的なやり方に入っていきます。実際に僕がやっている、比較的ハードルの低い音読の学習法です。
- 英語音読のやり方
- ① 何も見ないで、音声だけ聞く 【1〜2回】
- ② 本文を黙読して、内容と単語と文法を理解する【2〜3回】
- ③ 音声とテキストを使って、シャドーイング 【5回】
- ④ テキストだけで音読 【5回】
- ⑤ 音声だけでシャドーイング 【5回】
一般的なやり方を見ると「50回読もう」とか「100回以上読むべし」みたいなハードルの高い数字が踊っています。
もちろん、回数を重ねることは大切ですが、現実問題として飽きずにやれるか?ということです。
僕は同じ文章を50回も読めません。嫌気が差してしまいます。音読がイヤになってしまっては本末転倒ですから、僕は自分なりにアレンジして、飽きないギリギリのラインに回数を設定しています。
音読に限りませんが、英語学習は継続がすべてといっても過言ではありません。自分に合った教材と丁度いい負荷で、続けられるやり方を見つけることが大切です。