TOEIC=高度な試験というイメージを持つ人もいますが、実際のところ中学英語レベルの人でも適切に勉強すれば短期間でスコアを伸ばすことができます。
今回は中学英語レベルの人が、最短でTOEIC600点を取るための勉強法を解説していきます。
中学英語のレベルはこれくらい
そもそも、中学英語といわれてもそのレベルがピンとこない人もいるでしょう。自分の英語レベルを正確に把握することは、TOEICスコアを伸ばすうえで非常に重要です。
文部科学省の学習指導要領では、中学レベルの英語目標として以下のポイントが掲げられてます。
- (1) 初歩的な英語を聞いて話し手の意向などを理解できるようにする。
- (2) 初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話すことができるようにする。
- (3) 英語を読むことに慣れ親しみ,初歩的な英語を読んで書き手の意向などを理解できるようにする。
- (4) 英語で書くことに慣れ親しみ,初歩的な英語を用いて自分の考えなどを書くことができるようにする。
非常にざっくりとした内容ですが、大まかには上記のように「初歩的な英語」を志向するのが中学英語です。
なお、中学校で学ぶ単語数は1600〜1800語となっており、小学校から中学卒業までを含めると最大で2,500語にも及びます。
文法項目については、
- a 代名詞
- b 接続詞
- c 助動詞
- d 前置詞
- e 動詞の時制及び相など
現在形や過去形,現在進行形,過去進行形,現在完了形,
現在完了進行形,助動詞などを用いた未来表現 - f 形容詞や副詞を用いた比較表現
- g to 不定詞
- h 動名詞
- i 現在分詞や過去分詞の形容詞としての用法
- j 受け身
- k 仮定法のうち基本的なもの
- 中学校学習指導要領(平成29年告示)より
といったポイントが挙げられており、2021年度の改定により中学英語でも感嘆文、原型不定詞、仮定法、現在完了進行形といった内容を学ぶことになりました。
こうしてみると、中学英語だけでもかなりの範囲の文法項目を学ぶことがわかります。
ちなみに、TOEIC L&Rを受験する場合、リスニングとリーディングのみになるため「話す・書く」というスキルは求められません。
TOEICスコア達成に必要な単語数は?
TOEICスコア別・必要な単語数 | |
---|---|
400点 | 3,000語程度 |
500点 | 4,000語程度 |
600点 | 5,000語程度 |
700点 | 7,000語程度 |
800点 | 8,000語程度 |
900点 | 10,000語以上 |
990点(満点) | 13,000語以上 |
あくまでも目安になりますが、特定のTOEICスコアに到達するには上記の単語数が必要になります。
さきほど説明した通り、中学英語では2,500語を学んでいることになるので、そこから考えていくと「あと、どれくらいの単語数が必要か?」というのが逆算できるはず。
中学英語レベルの人がTOEICスコア600点を目指す場合、トータルで5,000語程度の習得が必要になります。中学英語の2,500語から2倍の単語を習得する必要があるということです。
この数字だけを見ると「倍も覚えないといけないのか…」と思われるかもしれません。しかし、実際にはTOEIC対策の単語帳を1冊やりつつ、他の教材をやっていく中で自然と達成できます。
つまり、そこまで悲観的になる必要はないということです。
現状の自分の語彙力を調べたい人は、Weblioの【語彙力診断テスト】を受けるのがおすすめ。無料で診断できます。
僕も診断してみましたが、【レベル「レベル15」 推定語彙数「8001~9000語」 称号「上級者」】という診断結果でした。
自分の現状の語彙力を調べることで「どんな対策をすればいいのか?」「どのレベルの単語帳を使えばいいのか?」を知ることができるのでおすすめです。
ちなみに「自分は中学英語レベルに達してない」「TOEICの勉強に手を出す自信がない」という人は、中学レベルの英語を勉強し直しましょう。やり方は以下の記事をどうぞ。
目標のTOEICスコアを達成する勉強法
ここからは具体的な勉強法を見ていきます。まず最初に考えたいのが、どんな教材を使って勉強をするか?ということです。
- まずはどの教材を使って勉強するかを決める
- ① 市販の参考書・問題集を使う
- ② TOEIC対策アプリ(スタディサプリENGLISH等)を使う
- ③ 書籍とアプリを組み合わせる
なぜこのように分けているかというと、それぞれ相性(合う・合わない)があるからです。
最近はアプリで勉強する人も増えましたが、なかにはアプリよりも書籍のほうが”肌に合う”という人もいると思います。
ですから、まずは書籍なのかアプリなのか、あるいは併用するのか?というのを決めていきましょう。
とはいえ、「自分にはどっちが合うかわからない…」という人もいると思うので、まずは両方試してみて判断するのが良いと思います。
書籍は買うのにお金がかかりますが、アプリであれば無料でお試しができるので手軽です。
ちなみに、僕は書籍とアプリを併用して勉強してきました。具体的な書籍とアプリについてはこのあと紹介してきますが、ひとまずアプリに関してはスタディサプリENGLISH(スタサプ)の一択です。コレを使っておけば間違いなし。
まずは英単語帳「DUO」を使って基礎固め
TOEIC対策用の単語帳を使っても良いのですが、個人的にはすべての英語の基礎となる語彙力を身につけるのがおすすめです。
使うべきは「DUO」という単語帳です。DUOは、現代英語の重要単語1600語と重要熟語1000語を重複なしで560本の英文に凝縮。
ふつうの単語帳は見出し語+語義というのが当たり前ですが、DUOなら1つの例文で2〜6つの見出し語を一気に学ぶことが可能です。
これを使えば、見出し語2569語+派生語・関連語の2214語を一挙に学ぶことができます。
中学レベルの英単語2500語を加えると、トータルで6000語を超えるため、日常におけるコミュニケーションでは十分事足ります。そして、TOEICスコア600〜780点まで狙える内容ですので、最初の1冊として申し分ありません。
金のフレーズでTOEIC900点以上も狙える
DUOで基礎固めが終わったら、いよいよTOEIC専用の単語帳を使いましょう。
おすすめは『金のフレーズ』という書籍 or アプリです。正直、この1冊を反復して何度もやれば、中学英語から始めてTOEIC900点以上を狙うことも十分可能。
金のフレーズは、TOEIC頻出の語彙を単語単位ではなくフレーズ単位で覚えることができるので、覚えたフレーズがそのまま試験本番で出てくることがザラにあります。
僕は金のフレーズで勉強を始めてから、TOEICスコアが目に見えて伸びました。
ちなみに、最初は書籍で2周して、そのあとはアプリでアウトプットしまくってます。アプリだとサクサク進めることができるので、反復には最適。おそらく50周くらいは繰り返しやってます。
でる1000でTOEICの文法を徹底的に鍛える
TOEICのPart5では文法穴埋め問題があるのですが、その対策にピッタリなのが『TOEIC文法問題でる1000問』という本です。
中学レベルの英文法が理解できている人は、迷わず「でる1000」を選びましょう。
左ページに問題、右ページに解説というレイアウトになっており、学習が進めやすいのが大きな特徴です。
そしてなにより、文法の解説が非常にわかりやすいので、中学英語を習得したばかりの人でも十分に理解できる内容になっています。
Part5の対策本ではありますが、TOEIC全体に良い効果があります。短文を大量に読む練習をするので、読解スピードも上がり、リスニングにも効果的だからです。
僕も「でる1000」は愛用してまして、この本のおかげで文法の不安も解消され、TOEICに対する自信が大きくなりました。
「でる1000」が終わったら、あとはひたすら『TOEIC公式問題集』を使ってTOEICの形式に慣れる練習をしていきましょう。
書籍が苦手でも、スタサプで完ぺきに対策できる
TOEIC対策は書籍でやる人が多いですが、勉強に対する苦手意識が強い人はアプリで勉強するのがおすすめです。
スタディサプリENGLISHのTOEIC対策コースは、文法の解説から問題演習まですべての勉強をアプリ1つで完結させることができます。
ちなみに、僕は基礎は書籍で勉強して、そのあとスタディサプリENGLISHを使ってきました。
スタディサプリENGLISHを使ったほうがアウトプットが圧倒的に効率的になります。というのも、アプリを使えばリスニングの再生や停止もラクだし、動画講義などで自分の苦手を克服することもできるからです。
また、スタディサプリENGLISHはAIによる分析・問題出題といった機能もあるので、自分の弱点にフォーカスした問題演習をおこなうこともできます。
というわけで、中学英語レベルからTOEIC対策を始めたい人には全力でスタディサプリENGLISHをおすすめしたいです。