英語学習を効率化するには、スキマ時間を見つけてコツコツと勉強を続けるのがベストです。
スキマ時間といえば「電車の移動中」が典型ですが、車通勤でも車内で英語学習ができますよね。
というわけで今回は、車通勤のときにぜひ実践したい英語学習方法とおすすめのアプリをご紹介します。

実際に僕が使ってきて「コレは英語学習に不可欠だ」と感じたものだけをピックアップしました。
【大前提】車の運転中は「音声だけ」でやる
当たり前の話ですが、至極大切な話なので最初にお伝えしておきます。
車の運転中は必ず「音声(耳)」だけを使って英語学習するようにしましょう。間違っても、スマホアプリや参考書を見ながら運転してはいけません。英文を読むのは論外です。
車の運転をしていると「ちょっとぐらい目を離しても平気だろう…」と思いがちですが、その一瞬のせいで死亡事故が起こります。
自分だけの被害で済めばまだいいですが、歩行者をケガさせたり後遺障害を残すようなことになれば、数億円という賠償金が発生する可能性もあります。
最悪の場合を想定した話ではありますが、車通勤での英語学習には相応のリスクがありますので、十分注意するようにしましょう。
また「耳だけを使った勉強だから大丈夫」と慢心するのも危険です。英語を考えることに思考が持っていかれると、運転に意識が向かない場合もあるからです。

交通事故のリスクには十分配慮しておくようにしましょう。

車通勤でやれる英語学習は意外と多い
まず、車通勤中にどんな英語学習ができるのか見ていきましょう。
「目も手もふさがっているから、勉強なんてできないのでは…?」と思われるかもしれませんが、英語学習は「口」と「耳」が使えれば十分効果のあるトレーニングがおこなえます。
- 車通勤でおすすめの英語トレーニング
- ・シャドーイング
- ・瞬間英作文
- ・英語の聞き流し(英単語やリスニング)
僕がおすすめしたいトレーニングは、上記の3つです。
すべてやってもいいですし、まずはこの中から気に入ったものを1つやってみるのもいいと思います。
1つずつ、くわしく見ていきましょう。
車を運転しながらシャドーイング

画像:eikaiwa.weblio.jp
まず、車通勤で必ずやってほしいのがシャドーイングです。
シャドーイングは英語の音声に少しだけ遅れてついていきながら、実際に声に出して読み上げるトレーニング。英語の通訳者養成学校でも採用されているトレーニングで、大きな効果が期待できます。
実際、僕もシャドーイングを長らくやってきましたが、英会話や英語ニュースの聴き取りが断然ラクになりました。さらに、TOEICのスコアも上がるという嬉しい効果も。
注意点としては、シャドーイングに使う音声は必ず、内容をすべて理解できる素材を使うようにしましょう。
初めて聴く英語音声やレベルの高い素材だとシャドーイングはむずかしく、そもそも知らない(わからない)英語をシャドーイングしても効果はありません。
なぜかというと、シャドーイングというのは「知っている英語を、聴き取れる(あるいは話せる)英語に変えていくためのトレーニング」だからです。
「読めば理解できるのに、聴き取りだけだとわからなくなる」というケースは多いと思いますが、それを改善するためにシャドーイングが有効です。
そのため、自宅や職場などで、あらかじめ英文(シャドーイングで使う素材)に目を通しておきましょう。英単語や英文法、内容まで完全に理解したうえでシャドーイングをおこなうようにします。ふだんから使い慣れている英文を使うのがおすすめです。
シャドーイングにおすすめのアプリは、記事の後半で紹介します。

「瞬間英作文」で英会話に強くなる
もう一つおすすめなのが、運転中に瞬間英作文をやることです。
瞬間英作文は、かんたんにいえば【日本語→英語に変換するトレーニング】でして、英文をつくる能力をUPさせることができます。
英会話フレーズの丸暗記ではなく、言いたいことを自分の力で英語にするスキルが鍛えられます。
もともと『瞬間英作文』という有名な本があるのですが、以下のように左ページの日本語を見て瞬時に英語をつくるトレーニングをおこないます。

瞬間英作文
本来は英文を目で見ておこなうトレーニングですが、音声CDが付属しているので音声だけでもトレーニング可能です。
音声は【日本語 → 数秒ポーズ → 英語】という順番で収録されているので、日本語を聞いてポーズの間に英語を作る感じになります。
音声だけでも瞬間英作文のトレーニングはできるので、車通勤の英語学習にもぴったりです。
こちらもいきなり音声だけでやろうとするとむずかしい場合があるので、できれば事前にテキストにも目を通しておくとより効果が高まります。
ふだん、自宅などでは本で勉強して、車の通勤で復習をおこなう。こんな感じのサイクルを回せれば、英語学習の効果も大きくなるはずです。
アプリについては記事の後半でくわしく紹介します。

ちなみに、車の通勤で使うのであれば、書籍よりもアプリ版がおすすめ!

英語の聞き流しでリスニング力をUP
シャドーイングや瞬間英作文に比べると負荷が軽く、効果は薄くなりますが、運転しながら英語の音声を聞き流しするのもおすすめです。
「英語を聞き流すだけでは効果がない」という意見もありますが、英語の聞き流しには一定の効果があるといわれています。
たとえば、NHK英語講座で講師を担当している伊藤サム先生は、著書『英語は「やさしく、たくさん」』のなかで以下のように述べています。
異質な音を耳と脳に受け入れるには、何百回でも繰り返し聞いて耳を鍛えることが必要。英語に習熟できるかどうかの分かれ目です。寝転がって、あるいは家事でもしながら、「ながら」でかけっぱなしにして聞くだけで効果があります。
つまり、車を運転しながら英語を流しっぱなしにして聴くだけでも相応の効果があるということです。
聞き流しをするときに重要なのが「どの英語を聞き流すか?」ということ。聞き流しでは、必ずやさしい英語音声を使うようにしてください。
関連記事:カンタンな英語で大量に勉強すると、絶大な効果が得られるワケ【英語はやさしく、たくさん】
十分に理解できるレベルの英語を大量に聴くことで、英語の意味と音声が結びつき、それがリスニング力UPにつながります。
反対に、理解できない難解な英語音声を聞き流しても、意味と音声が結びつかないので効果は得られません。
英語の聞き流しは、シャドーイングや瞬間英作文よりも気軽に始められるトレーニングなので、車通勤で英語学習を始めてみたいという人は、まず英語の聞き流しからスタートしてみるのがいいかもしれません。
聞き流しにおすすめのアプリについても、本記事の後半で紹介します。

英単語の聞き流しもかなりおすすめ
もう一つおすすめしたいのが、英単語の聞き流しです。
ふだん、英単語帳やアプリを使って勉強している内容も、音だけで聴くと意外と理解できない場合があります。
つまり、目で見て理解する英単語とは別に、耳だけで理解する練習も必要ということです。
音楽やラジオを聴く代わりに、車の中では英単語を聴くのが非常におすすめです。英単語帳やアプリの音声がスマホに入っていれば、カーステレオと接続して聴くこともできるので、BGM代わりに英単語を流しっぱなしにしましょう。
もし車内のカーステレオにスマホなどを接続できない場合は、モバイルスピーカーを持ち込むのがおすすめです。
僕も車の運転中に英単語の音声を流しっぱなしにして聴いていました。特に意識して聴くわけでもないのですが、意外と耳に残るもので、いつのまにかその単語の音声を聴くだけで瞬時に意味を答えられるようになりました。
余談ですが、英単語の聞き流しは車内だけでなく、散歩や入浴中でも有効です。
僕は散歩中のBGMはほとんど英単語ですし、お風呂場に防水のBluetoothスピーカーを持ち込んで、音声を流しっぱなしにするのが習慣になっています。

車通勤の英語学習におすすめのアプリ
- 車通勤の英語学習におすすめのアプリ
- ・スタディサプリENGLISH
- ・瞬間英作文アプリ
- ・日経 LissN
車通勤で使えるアプリや教材の条件として「自動再生できること」「内容がむずかしすぎないこと」「ふだんの英語学習でも使えること」が挙げられます。
自宅などでの英語学習と車通勤で使う教材が異なってしまうと、連動性がなくなってしまい、勉強の効果が薄れてしまいます。
しかし、自宅と車での教材が同じなら、予習と復習がシームレスにつながるので、より高い英語学習効果が得られます。
そういった「つながり」を意識することも英語学習においては重要だと僕は思っています。ここで紹介する英語教材は、いずれもその条件を満たしているので、ぜひチェックしてみてください。
イチオシはスタディサプリENGLISH
車通勤で英語学習するときに最もおすすめのアプリはスタディサプリENGLISHです。
スタディサプリENGLISHは英語の4技能をまんべんなく伸ばすことができる総合的な英語学習アプリでして、日常会話・ビジネス英語・TOEIC対策の3コースに分かれています。
たとえば【新日常英会話コース】には「オートリスニング機能」がついており、会話文を自動再生させることができます。
実際に僕もオートリスニング機能を活用してまして、以下の記事でくわしくレビューしています。
▶ 愛用中のスタサプENGLISH。「オートリスニング」の効果的な使い方を教えます!
もちろん、車通勤だけでなくふだんの英語学習にも使えますから、スタディサプリENGLISHが1つあれば英語の勉強が完結できます。
日常英会話やビジネス英会話だけでなく、TOEIC対策もできてしまうのがスタディサプリENGLISHの強みです。
また、シャドーイングやディクテーションといったアウトプット型の学習方法に特化しているため、書籍などで勉強するよりも実践的です。
スタディサプリENGLISHの使い方としては、ふだんはスマホの画面を見ながら勉強をして、車通勤のときにはオートリスニングを使って聴き取りを強化するのがおすすめ。
3つのコースに分かれているので、自分の目的に合った選択ができるのもスタディサプリENGLISHの特徴です。

ビジネス英会話やビジネス文書など、仕事で使う英語を身につけたいのであれば「ビジネス英語コース」がおすすめ!
- 10秒でわかる!スタサプENGLISH
- ① 速攻で日常会話や旅行会話を覚えたいなら → 新日常英会話コース
② スグに仕事の現場で使える英語を身につけるなら →ビジネス英語コース
- ③ 最短でTOEICのスコアをアップをしたいなら →TOEIC対策コース
- ※ すべて7日間の無料(無料期間は申込日が1日目となります)
瞬間英作文も自動再生で便利に使える

アプリで音声だけ流すこともできる
英会話やスピーキングの力を伸ばしたい人は、瞬間英作文が最もコスパの良い勉強法だと思います。実際、僕も瞬間英作文の勉強をはじめてから、英語を話す力が飛躍的に伸びたのを実感しています。
記事の最初で紹介した瞬間英作文ですが、書籍よりもアプリ版がおすすめです。
アプリ版には音声がついているので、CDを使う面倒な手間がありません。さらに、アプリの自動再生を使えば【日本語 → 数秒ポーズ → 英語】という順番で流れてくるので、ポーズのときに瞬間英作文ができます。
ポーズの間隔も長すぎず短すぎずちょうどいいので、とても使いやすいです。車通勤にはうってつけ。
ちなみに、英作文のおすすめ教材や話す英語の鍛え方については、以下の記事でもくわしく紹介しています。


ビジネスパーソンは日経の英語記事で
ビジネスで英語を使う機会が多い人は、日経の記事で英語が学べる LissN(リッスン) というアプリがおすすめ。
【英文のみ・対訳・日本語のみ】と表示を3パターンで切り替えることができて、再生スピードの調整もできます。アプリの操作性や完成度は申し分ありません。
また、日経が運営しているだけあって、記事のジャンルがビジネスや経済に特化しているのが特徴です。
僕はビジネス系のニュースが好きなので、英語学習しながら教養も身につく LissN は格好の英語アプリだと思っています(以前までは課金してましたが、現在は他のアプリを使用中)。
基本的には英文を読むトレーニングがメインなのですが、リピート再生機能が付いているので、車を運転しながらの聞き流しにはピッタリです。

1つの記事を繰り返し何度も聴くことで、英語の意味と音声がより強固に結びつくようになります。

書籍の場合は、CD or ダウンロード音声で
ここでは車通勤で使える英語アプリを紹介しましたが、市販の書籍も活用できます。
運転中は音声だけで学習することになるので、CD付属かダウンロード音声を備えている書籍を選ぶようにしましょう。
運転中のリスニングやシャドーイングにおすすめの書籍は以下の3冊です。
- 車通勤の英語学習におすすめの書籍
- ・英会話ぜったい音読
- ・速読速聴英単語 Core1900
- ・CNN ENGLISH EXPRESS(雑誌)
英語初心者の人には、『英会話ぜったい音読』がおすすめです。音読学習を通して英語力を伸ばすことに主眼をおいている教材で、中学生レベルの英語からスタートできます。
『速読速聴英単語 Core1900』と「CNN ENGLISH EXPRESS」は英語のニュース記事を使って英語の音読やシャドーイングをおこなう書籍&雑誌です。こちらは少しむずかしいので、中級者以上の人におすすめ。
通勤時間が長い人や交通渋滞でストレスを感じている人は、ぜひ英語学習を取り入れてみてください。

英語の音声を上手に活用すれば、車通勤の時間が最高の英語学習タイムに変わります。