「TOEICの勉強をしたり、試験を受けるのは時間のムダ」という意見があります。
正直いうと「一理ある」というのが僕の意見です。
しかし、時間のムダというのは言い過ぎだと思ってます。やった分だけ得られるものがあるので、決してムダにはなりません。
というわけで今回は「TOEICは時間のムダじゃないよ、やる価値もあるよ」という理由について書いていきたいと思います。
結局、日本ではTOEICが強い=役に立つ
「TOEICをやっても時間のムダ」と言われてしまうのは、「TOEICをやったところで英語を話せるようにはならない」というイメージが定着してしまったことが大きな要因だと思います。
よく耳にする「990点満点でも英語が話せない」という人がいるため、「そんなに頑張っても話せないんじゃ意味ないじゃん…」という雰囲気が醸成されてしまうわけです。
そもそも、世間でよく言われるTOEICスコアというのはL&R(リスニング&リーディング)なので、そのスコアを取っても英語が話せないのは当然といえば当然。スピーキング力を測るテストはTOEIC S&Wなので。
でも、一般的にはTOEIC=英語の総合力を測るテストみたいなイメージが付いちゃってるわけです。
と、前置きが長くなりましたが、結局のところ現在の日本ではTOEICスコアが圧倒的な地位を占めています。学校や大学は英検を採用しているところも多いですが、会社ではTOEICスコアを求めるところが断然多いです。
2020年度にはTOEIC Program全体で約2,900の企業・団体・学校などで採用されています。
TOEICを受けずに社会で優位な立場に立つには、英語とはまったく無関係な職種につくか(それも今後のグローバル社会ではむずかしそう)、英語力以外の部分で卓越した才能や技術を持ち合わせる必要があります。
最近は Versant などの「話す英語」に特化した英語試験なども広まりつつあります。しかし、どんなに「TOEICはムダ」と嘆こうが、TOEIC優位の日本社会は簡単には覆せないでしょう。
考え方を変えると、TOEICスコアを取るだけで、昇進や昇給が望めたり、良い部署で働けるというのはかなりオイシイ話。その会社の条件次第ではありますが、場合によってはTOEICはコスパ最強の英語資格と考えることもできるわけです。
「海外向けの部署で働きたい」とか「外資系に勤めたい」という目標が明確にあるのであれば、とりあえずTOEICをガムシャラに受けるのが得策だと思います(もちろん、勤め先や就職先で必要な英語資格は要確認ですが)。
教材が豊富なので勉強しやすい
TOEICスコアを取る=昇進や昇給につながる、という直接的なインセンティブがあるわけですから、誰もがTOEICの勉強を頑張ってスコアをとろうとします。
すると、必然的にTOEICの教材も売れるので、出版社としても多彩な種類の教材を販売することになります。
書店にいくとよくわかりますが、語学書コーナーにおけるTOEIC関連教材の存在感は圧倒的。たとえば、紀伊國屋書店の大型店にいくと、その違いは顕著です。TOEIC教材の品揃えが10だとすると、英検は5、TOEFLやIELTSは1〜2という割合。それくらい、TOEICの教材は豊富なのです。
また、出版社の競争が促されるので、良いTOEIC教材は生き残り、良くない教材は淘汰されます。
これらがなにを意味するかというと、種類が豊富なので、自分に合った良い教材を選びやすいということ。あくまでも対象はTOEICなので内容のバリエーションには限界があるものの、いろんな教材が出てるので、創意工夫が見られます。
たとえば、TOEICの英単語帳でおそらく最も売れている『金のフレーズ』という本。この本は、その名のとおりTOEICで頻出の単語をフレーズで覚えるというコンセプトになっています。
使ってもらうとわかりますが、めちゃくちゃ覚えやすいんですよね。そして、紙面のレイアウトも洗練されており、勉強に対する精神的な負担が劇的に減ります。
『金のフレーズ』はあくまでも一例でして、他にも『TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+』などの完成度も素晴らしいです。
こんな感じで、TOEICは教材が豊富なので勉強しやすいというメリットがあります。ちなみに、スマホで使えるアプリも豊富で、僕はスタディサプリENGLISHでTOEIC対策をしてきました。くわしいレビューは以下の記事をどうぞ。
仕事で使う語彙力が効率的に学べる
TOEICはビジネス向けの英語資格なので、当然ながら出てくる単語もすべて仕事に関連しています。
しかも、営業や事務はもちろん、会計や広告など幅広い職種に関する話題が出題されます。
つまり、TOEICをやっておけば仕事に必要な基礎的な語彙力はおおむね身につくということです。
もちろん、職種によっては専門用語なども使うでしょうから別途勉強は必要ですが、ひとまずTOEICなら仕事に必要な最低限の英単語はおさえることができます。
ビジネス英語向けの英単語帳などもあるにはありますが、単語を覚えて、それを運用する力を身につけるという意味ではTOEICは効率的な英語試験といえるでしょう。
「内容がつまらない」にどう対処するか?
「TOEICが時間のムダ」と言われる原因としてもう一つ挙げられるのが、内容がつまらないということです。
勉強したことがある人ならわかると思いますが、TOEICの出題内容って本当につまらないですよね…。面白いオチや感動などのストーリー性もないし、ニュース記事のような情報性もありません。ビジネスの場面を意識した創作なので仕方ないとは思いますが、勉強を継続するのには相応のメンタルが求められます。
では、TOEICの勉強がつまらないという悩みにどう対処すればいいのでしょうか?コレはズバリ、仕事で使う場面を想定する=自分の仕事で使うことをイメージしながら勉強する。コレに尽きます。
ようするに「TOEICを勉強することで、仕事でダイレクトに英語が活かせる場面がある」と思えることで、日頃の勉強もがんばれるというわけです。
学生の場合、TOEICスコアが単位取得に影響することもあります。社会人だと、就職や転職でTOEICスコアがすぐに必要という場合もあるでしょう。
一方で、もしTOEICスコアをすぐに取る緊急性がないのであれば、TOEICを無理にやる必要はないと思います。
それよりも、英検の勉強をメインに英語学習を継続していって、まずは英検準1級〜1級の取得を目指しましょう。そのあとにTOEICを受験すれば、十分に良いスコアが取れるはずです(難易度は英検>TOEICなので)。