TOEICと英会話は同じ「英語学習」というジャンルではあるものの、勉強する内容にはかなり違いがあります。
「TOEICを勉強しても英会話には役立たないだろうし…」というイメージを持つ人も多いはず。
TOEICと英会話、どちらを優先して時間をさくべきなのでしょうか?僕の経験を交えながら、くわしく解説していきます。
【結論】目的と目標に合わせて1点集中すべき
まず結論からお伝えすると、自分が英語を学ぶ目的と目標に合わせて時間をさくべきです。つまり、緊急性の高いほうを優先的にやりましょう。
人によってTOEICと英会話の必要性(緊急性)は異なると思います。
たとえば、まだ英語力がそこまでなくて、海外で働ける仕事(あるいは部署)には就いてない人の場合。まずは転職や異動で求められるTOEICスコアを取らないと、最初のスタートも切れません。ですから、TOEICを優先すべきです。
一方、すでに海外と働く職種や部署にいる人の場合、TOEICスコアがなくても問題ないケースが多いはず。その場合はTOEICよりも英会話の勉強を優先すべきです。
という感じで、自分が思い描くやりたいことやキャリアプランを考え、そこから逆算して「いま必要なことはなにか?」という発想で決めるのが最善です。
そのうえで、どっちにリソースを割くか決めましょう。そうすることで、TOEICならTOEIC、英会話なら英会話に1点集中できるので、時間の使い方が効率的になります。

果たして、TOEICと英会話を両方やるのはアリか?
もちろん、TOEICも英会話も両方できるなら両方やるべきです。特に英会話というのは習得に時間がかかるものなので、毎日少しずつでもオンライン英会話などで実践したほうが良いでしょう。
ただ、誰もが両方をこなせる器用さを持ち合わせているわけではないと思います。
かくいう僕も、いろんなジャンルの英語学習を並行してやるのが苦手で、英会話の勉強時期とTOEICの勉強をやる時期は分けるようにしていました。今でこそ並行してやっていますが、最初のうちは無理しないほうが良いです。
個人的には、最低限の英語を身につけるという意味でまずはTOEICからスタートして、TOEIC500点や600点あたりを取れるようになってからオンライン英会話に手を伸ばすのが良いと思っています。
というのも、中学レベルの英文法や英単語がわからないまま英会話レッスンを受けても効率が悪いからです。英会話レッスンの時間は、英文法や英単語を学ぶのではなく、とにかく自分が英語を話す時間(アウトプット)に充てるべき。基礎のない状態の英会話をやっても全然話せないので非効率になります。
さらに、TOEICを英語学習に取り入れることで【英語力も上がるし、仕事に有利なスコアも取れる】という一石二鳥を体現できます。また、TOEICスコアが英語上達の尺度にもなりますから、英語学習の客観的な指標としても役立ちます。
あらためてポイントをまとめておくと、まずはTOEICから始めて一定のスキルが身についてから英会話に着手するのがおすすめです。

TOEICをして、英会話でアウトプット
TOEICと英会話の勉強を並行してやるのが、個人的にはベストだと思っています(中学レベルの英語を理解していることが前提ですが)。
なぜなら、TOEICの勉強を英会話でアウトプットする練習によって「使える英語」が身につくからです。
英語というのは知っているだけでは不十分で、それを使う練習をしなければいけません。TOEICでどんなに文法や単語やフレーズを覚えても、それをアウトプットできなければ意味がないですよね。
「知識はあるんだから、ぶっつけ本番でなんとかなるでしょ」と思う人もいるかもしれませんが、それはまったくの誤りです。知っていることと、使えることには大きな隔たりがあります。実際に英会話をしてみると、痛いほどわかるはず。
ふだんから英語を口に出しておく練習をしておかないと、どんなに知識があっても絶対にスムーズに英会話をすることはできません。
ですから、TOEICを勉強する→英会話で話してみるというサイクルを回すことが理想というわけです。
とはいえ、大半の人にとって(職場が外国人だらけでない限り)日常的に英語を話す機会というのは少ないですよね。
そういう人には、オンライン英会話をおすすめします。中でも、ビジネス英語に特化したビズメイツというオンライン英会話が僕のイチオシです。
TOEICで学んだビジネス英語を、そのままオンライン英会話で実践することでまさしく「生きた英語」を身につけることができます。

なぜTOEICの勉強は英会話に役立つのか?
英語学習の世界では、TOEICを目の敵にする人がいまして(笑)、「TOEICなんて役に立たない」「やっても意味ない」という主張があります。
その気持ちも少しわかりますが、僕はTOEIC対策を続けた結果、総合的な英語力(もちろん英会話力)も上がった人間なので、TOEICには十分意味があると思っています。
そもそも、英語学習を「TOEIC用」とか「英会話用」に分けるのがナンセンスといえるかもしれません。もちろん、TOEICスコアを上げるための効率的な勉強法はありますが、そこで学んだことは確実に英会話でも活きるわけです。英学習は地続きなので。
日本でTOEICという場合、L&R(リスニング&リーディング)を指すのが一般的ですが、L&Rの勉強も英会話に活かせます。
もちろん、TOEIC S&W(スピーキング&ライティング)のほうが即効性はあるかもしれませんが、スコアの汎用性はL&Rのほうが高いです。

TOEICだけでは日常英会話が不足するのは事実
ビジネス英語だけを目的に勉強するのであればTOEIC対策だけでも英会話に使える英語はかなり身につきます。
一方で、日常英会話などはちょっと不足するかな?という印象があります。
ビジネス英会話はある程度の「型」にハメてフレーズを覚えることで通用する部分がありますが、日常英会話は話題が多岐に渡るので幅広い表現が求められます。
よって、TOEICの勉強を通じた英会話学習では不足する知識やスキルも多いということを心得ておいたほうがいいでしょう。

TOEICのリスニング問題は英会話に活かせる
TOEIC=スコアのための勉強というイメージが強いと思います。僕もやる前はそうでした。
しかし、実際にTOEICの勉強をしてみると「これなら実際の英会話でも役に立つかも」という印象にガラリと変わったのを覚えています。
具体的にいうと、TOEICのPart2〜3が当てはまります。TOEICはPart1〜4がリスニング問題、Part5〜7がリーディング問題です。
Part2は短い質問に対して、正しい選択肢を答える問題。Part3は2〜3人の会話を聴いて、質問に答える問題です。
つまり、TOEICの問題には英会話に役立つ内容がふんだんに盛り込まれているんですね。
しかも、TOEICのナレーターは良い意味で発音が聞き取りづらい人も混ざっているため、一筋縄ではいきません。具体的にいうと、tour(ツアー)という英単語もアメリカ英語の【/tʊr/】という発音も出ますし、イギリス英語の【/tʊər/】も出題されます(極端にいうと、「トー」と発音されることも)。
また、会話文の質問に対しても、こちらが話し手の意図を汲んで答えないといけない問題が出題されます(シチュエーション的に、きっと答えはコレだよねっていう感じのやつ)。そのものズバリの解答ではなく、わかりやすくいえば「空気を読んだ解答」が求められることもあるわけです。
僕はスタディサプリENGLISHというアプリでTOEIC対策をしているのですが、Part2〜3の勉強を本格的に取り組んだ結果、英会話でも聞き取りが圧倒的にラクになりました。

【本番対策】TOEIC対策は問題集が必需品
ちなみに、TOEICの勉強法に軽く触れておくと、必ず問題集は用意するようにしましょう。
というよりも、まずはTOEICの実際の問題(あるいは模試)をやってみて、どんな内容なのかを知っておく必要があります。
実物を知っておくと、勉強をしていくなかで「これを学んでおくと、Part1 の写真描写問題でスコアにつながりそう」などという感覚をつかむことができます。
TOEIC未経験の人や、英文法や英単語が初心者レベルの人でも、まずはTOEICの問題を解いてみましょう。そうすることで、自分の苦手や不足がわかるので、今後の勉強がラクに進められます。結局、英語は自分の弱点をいかに効率的に潰していくかなので。
おすすめはTOEICの公式問題集ですが、『TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+』なども非常に完成度が高いのでおすすめです。
「市販の参考書とか問題集でやるのって苦手…」という人は、スタディサプリENGLISHなどのアプリで勉強するのが良いと思います。実際、僕も使ってましたが、おかげでTOEICスコアがUPしたので。

TOEICと英会話を並行してやるコツ
最初に説明したとおり、英会話の習得には時間がかかるので「どっちかやる」ではなく「どっちもやる」のが理想です。
「自分なら両方やれるかも」と感じる人は、試してみる価値ありです。
では、TOEICと英会話を両方とも並行してやるにはどんなことを意識すればいいのでしょうか?僕が実際にやってきた感じたポイントは2つあります。
- TOEICと英会話を並行してやるなら…
- ① TOEICの勉強と英会話レッスンを固定にして習慣化
- ② TOEICの勉強が英会話に活きるように意識する
① 英語の勉強と英会話レッスンを固定にして習慣化
そもそも、勉強に慣れてない人がいきなり両立させつのは難しいと思います。ですから、まずは英語の勉強を習慣化して、そのあとに英会話レッスンを少しずつ始めていくのがおすすめです。
その際に、勉強する時間とレッスンする時間をスケジュールの中に組み込んで固定化してしまうようにしましょう。仕事のスケジュールと同じように、英語学習のスケジュールも予定に入れてしまうわけです。
そうすれば「今日はサボっちゃおう」とか「疲れたから明日やろう」みたいな感じで、モチベーションに左右されることがなくなります。
朝の始業前、お昼の休憩時間、帰宅の電車内など自分なりにやりやすい時間を決めましょう。

② TOEICの勉強が英会話に活きるように意識する
TOEICの勉強と英会話のレッスンがバラバラで、それぞれが独立しているような状態では「シナジー効果」が生まれません。
極端な例ですが、TOEICの勉強をやっているのに、英会話レッスンで旅行英語を学ぶのは非効率ですよね(ムダにはなりませんが)。
つまり、「ふだんのTOEIC対策でやった単語や表現を、オンライン英会話でも使ってみましょう」ということです。
そうすれば、勉強で学んだことを英会話で実践(アウトプット)できるので、勉強と英会話がシームレスになります。
TOEICは基本的にビジネス英語なので、英会話でもビジネス英語の教材(カリキュラム)を使ったレッスンにすればOK。
ちなみに、オンライン英会話ならさきほど紹介したビズメイツかQQ Englishがおすすめ。ビジネス英語のカリキュラムも多く、講師の質も非常に高いです。
