TOEICは就職や転職、昇進や昇格にも影響しますし、学生の場合は単位や就活にも直結する重要なものです。
ただ、TOEICは受験料が高いという難点があり、僕も受験をするたびに「何とか安くならないものか…」と試行錯誤してきました。
というわけで今回は、TOEICの受験料そのものを安くする方法と、受験にかかる諸費用を安くする方法をあわせて解説していきます。
なお、記事で紹介している内容・価格はすべて TOEIC L&R(リスニング&リーディング)です。
鉄板の「リピート受験割引」
TOEICのリピート受験というのは【1年後の同月から3ヵ月間に実施の公開テストのうち1回が割引価格になる】というものです。
たとえば、去年の4月に受験をしているなら、今年の4〜6月の3ヶ月間は7,150円(税込)で受験できるということです。
TOEICの1回あたりの受験料は1回あたり7,810円(税込)ですが、リピート受験割引を利用すると7,150円(税込)という安い料金で試験が受けられます。
会社や大学などで頻繁に受験をしている人は、そのぶんだけリピート受験の割引価格で試験を受けられる回数が多くなります。
僕の場合、仕事でTOEICスコアが要求されることはありませんが、自分の英語力を試すという意味で年1回は受験するようにしています。その際は、言うまでもなくリピート受験割引を使っているので、安く試験が受けられます。
なお、TOEIC受験料の支払い方法は以下の3パターンです。
- TOEIC受験料の支払い方法
- ・クレジットカード
- ・コンビニ支払い
- (ローソン、ファミマ、セブンイレブン、ミニストップ、セイコーマート)
- ・上記以外の支払い方法(楽天ペイ)
- ※2022年9月時点
鉄板はクレジットカードです。高還元率のクレジットカードを使えば、TOEICの受験料支払いでもポイントを獲得できます。
一方、「クレジットカードを持ってないよ」という学生さんでも、コンビニ支払いができるので安心です。主要な3大コンビニはもちろん、ミニストップやセイコーマートも対応しています。
また、あとでくわしく説明しますが、楽天ペイでの支払いにも対応しているのでポイント還元などを加味すると他の支払い方法よりもお得に受験料が支払えます。
TOEICのIPテストを受験する
TOEICには本試験会場で試験を受ける【TOEIC公開テスト】(個人受験)と、会社・大学・語学学校などの団体が開催する【TOEIC IPテスト】(団体受験)の2種類があります。
【TOEIC公開テスト】は説明するまでもないと思いますが、大学や公共施設などの大きな会場で一斉に試験を受けるテストです。
【TOEIC IPテスト】はイメージしにくいかもしれませんが、わかりやすい例でいうと、「新大学1年生が英語力を測るために大学で一斉にTOEICを受験する」みたいなときにIPテストが使われます。あるいは、企業が社員のためにIPテストを実施する場合もあります。
【TOEIC公開テスト】と【TOEIC IPテスト】の違いは以下のとおりです。
※表は横スクロールできます
TOEIC公開テスト | IPテスト(ペーパー) | IPテスト(オンライン) |
|
---|---|---|---|
受験料 | 7,810円(税込) | 4,230円(税込) | 4,230円(税込) |
試験時間 | 2時間 | 2時間 | 約1時間 リスニング約25分間 リーディング約37分間 |
試験の場所 | 指定された試験会場 | 学校、会社など | 自宅など |
試験の日程 | 月1回、日曜日の午前・午後 | 団体が指定する日時 | 24時間いつでも |
問題の内容 | 新規に作成された問題 | 過去に出題された問題 | 過去に出題された問題 |
公式認定証の有無 | あり | なし | なし |
テスト結果の通知 | 試験日から17日後に ネットでスコア確認可能 試験日から30日以内に 公式認定証発送 ※2024年度以降、 紙の公式認定証は廃止予定 | 試験から17日目以降 | テスト終了後すぐ |
履歴書へのスコア記載 | 可能 | 可能 | 可能 |
最大のちがいは、なんといっても受験料です。IPテストは半額とまではいきませんが、公開テストよりもかなり安い料金で試験が受けられます。
IPテストが安くできるのは、「試験の運営を各団体に任せていること」「過去の問題を試験に使っていること」「公式認定証が発行されないこと」がおもな理由だと思われます。
「公式認定証が発行されないのでTOEICスコアとして使えないのでは?」と思われるかもしれませんが、IPテストでもTOEICスコアとして通用するので履歴書などに書くこともできます。会社や職場から公式認定証の提出を求められる場合は公開テストを受けるしかありません。
IPテストは、TOEICを安く受ける方法としては申し分ありません。全日空(ANA)、富士通、近畿大学などもIPテストを採用しているので、利用実績も十分です。
僕はまだIPテストを受けたことがないのですが、次回以降はIPテストにしようと思っています。そもそも、僕のように「力試しでTOEICを受けるだけ」という人にとっては、IPテストで十分なんですよね。
メリットだらけの「オンライン受験」
従来のIPテストは、学校や会社を会場にペーパー(マークシート)テストをおこなうものでした。しかし、じつはIPテストはオンライン受験にも対応しています。
このIPテストは、主催する団体はもちろん、受験者にとってもメリットだらけです。
- 団体にとってのメリット
- ・テスト会場、資材の準備が不要なため、テスト運営の負担が減る
- ・多様な働き方にあった柔軟な実施が可能
- ・全国の事業所で同時期に実施可能
- 受験者にとってのメリット
- ・テスト実施期間中であれば、24時間好きなタイミングで受験可能
- ・インターネット環境があれば、どこでも受験できる
- ・受験語すぐにスコアが確認できるので、今後の英語学習に反映できる
個人的に最も大きなメリットだと感じたのが、IPテストのオンライン方式なら試験時間は1時間と従来の半分で済むということ、そして自宅などで24時間いつでも試験が受けられるので非常に手軽です。
また、オンラインのIPテストはCAT(Computer Adaptive Test)という、受験者の能力に合わせてリアルタイムで出題問題が変化するテストシステムを採用しているため、試験時間を半分に短縮できます。これは、体力的にも助かるポイントです。
個人がTOEIC IPテストを気軽に受ける方法
【TOEIC IPテスト】は団体受験なので、個人が申し込んで受けることはできません。会社や大学などの所属先を通じて申し込むことになります。
こう書くと「自分の会社はIPテストなんてやってくれないし…」「大学は行ってないから個人で受験はできないのか…」と思われるかもしれませんが、じつはそんなことありません。
じつは個人でもIPテストを気軽に受ける方法があります。それは、語学スクールに入会し、そこでIPテストを受けるという方法です。
一般的な英会話スクールではやってないことがほとんどですが、TOEIC対策に特化したスクールなどではIPテストを開催しています。通学ではなく、オンラインコースでもIPテストが受けられる場合があるので、ネットから申し込むだけで受験が可能です。
もちろん、スクールに通うことになるのでトータルでかかる費用は高くなってしまいますが、気軽にTOEICのIPテストを受けたい人には良いと思います。
たとえば、LangLandという東京・渋谷にある語学スクールでは【
TOEIC® IPテスト受験コース】というものがあり、オンラインでIPテストを受験できます。通学の必要もありません。動画講義もセットになっているので、TOEIC対策もバッチリです。
大学や会社からの受験料補助を利用する
会社や大学では、語学力向上を支援する目的でTOEICの受験料を補助してくれる場合があります。
たとえば、中央大学、愛媛大学、立命館大学大学院などでは受験料の30%〜全額を補助してくれるプログラムがあります。調べた限り、受験料を補助してくれる大学はけっこう多いので、もし大学や大学院に所属しているのであれば申し込む前に確認することをおすすめします。
企業の場合、社員の英語力が会社の業績UPにつながるので、積極的にサポートしてくれるケースが多いと思います。
たとえば、ハウス食品グループ本社株式会社では年1回までの「語学試験受験料補助制度」を設けています。一部昇格要件にTOEIC L&Rを活用していることから、TOEICを受験する社員の意欲はおそらく高いでしょう。
所属団体のTOEIC受験料補助を使わない手はないので、安く受けたい人はすぐにでも所属先に聞いてみましょう。
楽天ペイでお得に支払う
TOEICでは受験料そのものを安くする方法の他に、支払い方法を工夫することでお得に受験をするというやり方もあります。
最初に説明したクレジットカード支払いによるポイント還元もその1つですが、それ以上にお得なのが【楽天ペイ】を使ってTOEIC受験料を支払うことです。
QUICPay、PayPay、メルペイなど「◯◯ペイ」のキャッシュレス決済はたくさんありますが、楽天ペイもその中の1つ。
楽天ペイではクレジットカードや銀行からチャージすることもできますし、楽天ポイントを買い物に使うこともできます。つまり【チャージ金額+楽天ポイント=支払いに使える合計額】ということです。
従来、楽天ポイントは楽天市場での買い物にしか使えませんでしたが、楽天ペイが登場したことでコンビニやスーパー、さらにはTOEICの受験料支払いでも楽天ポイントが使えるようになりました(スマホに楽天ペイアプリをダウンロードすれば、店頭での買い物でもタッチ決済 or バーコード決済として使えます)。
楽天ペイの最大の強みは、還元率の高さにあります。楽天カードで楽天ペイにチャージすると0.5%が還元され、楽天ペイで支払いをすると1.0%が還元されます。つまり、楽天ペイを使うことで最大1.5%の楽天ポイントが獲得できるということです。
くわしくない人のためにお伝えしておくと、1.5%という還元率は他のサービスではなかなかお目にかかれません。クレジットカードのゴールドとかじゃないと、ふつうは得られない還元率です。
前置きが長くなりましたが、TOEICの受験料を楽天ペイで払えば、最大1.5%の還元が受けられます。現金はもとより、一般的なクレジットカードで支払うよりも断然お得です。
また、さきほど説明したとおり、楽天ペイを通せば楽天ポイントを支払い手段として使えるので、TOEICの受験料を楽天ポイントで支払うこともできます。
TOEICの受験料は4,230円(税込)なので、この分の楽天ポイントをすでに保有していれば、実質無料でTOEICが受験できることになります。
楽天カードを作れば5,000ポイントもらえる
まだ楽天カードを持ってない人には朗報です。じつは、楽天カードは入会するだけで5,000ポイントがもらえるサービスがあります。
つまり、その楽天ポイントを利用すれば、TOEICの受験料を大幅に安くすることができます。【楽天カード入会→5,000ポイントもらう→楽天ペイでTOEIC受験料を支払う】という流れです。
楽天カードは年会費が永年無料ですし、入会金も一切かからないので完全無料で作ることができます。
僕も日常的な支払い(食費や光熱費など)をすべて楽天カードにまとめているので、楽天ポイントはかなり貯まっています(調べてみたら、累計で158,552ポイントも貯まってました)。
TOEIC対策の教材を安くする方法
TOEICでは受験料以外にもいろいろな費用が発生します。その中でも特に負担が大きいのは教材費です。
本であれアプリであれ、TOEIC対策には相応のお金がかかります。ここではTOEICの教材を少しでも安くする方法について見ていきましょう。
- TOEIC教材費を安くする方法
- ・公式問題集などはメルカリなど中古で買う
- ・無料のアプリを活用する
近年、難化しているTOEIC
まず教材に関してですが、TOEICが公式で出している問題集は必ずやっておいたほうが良いです。TOEICは過去問を公開しておらず、市販の問題集はすべて予想問題集か模試です。
たしかに、予想問題集や模試も完成度は高いですが、やはり公式が出している問題はクオリティが高いです。
ただし、公式問題集は新品で買うと3,000円以上しますので、費用負担は大きいです。ちなみに公式問題集はVol.1 〜 9まで出ていますが、最近のTOEICは難化していると言われているため、古い問題集では対策が不十分になる可能性があります。
こうした事情を踏まえると、なるべく新しい公式問題集をメルカリなどで安く買うのが費用を節約するコツです(僕は中古品が苦手なので買えません…)。
ただ、最新版の公式問題集は中古でもさほど値段が下がってない場合があるので、節約できたとしても数百円程度にとどまると思います。
無料アプリを活用する
TOEICの無料アプリも役立つことがあります。語彙対策や問題演習など、TOEICの雰囲気を味わうのには最適です。たとえば、公式がリリースしている【TOEIC公式コンテンツ by IIBC】というアプリなどがあります。
ただ、これは僕の個人的な見解ですが、無料のアプリには限界があると思ってます。これまで数々の無料・有料アプリを使ってきましたが、やはり有料には有料たる理由があって、有料アプリを使ったことで実際にスコアも伸びた経験があります。
「TOEIC費用を安く抑える」という記事で書くにはちょっと抵抗がありますが、アプリについては思い切って有料課金したほうが良いと思います。たしかに目先の出費は増えますが、英語力が伸びることで生活や仕事にもいい影響がでて、最終的に給料が増えることまで考えると良い投資なのかなと。
もちろん、せっかくお金を払うのであれば「お金を出す価値があるアプリ」を使うべきです。
僕が使ってきて文句なしにおすすめしたいのが、スタディサプリENGLISHのTOEIC対策です。実際にコレを使ったことで、TOEICスコアがUPしました。
【余談】証明写真はスマホアプリで十分
ここからは余談ですが、せっかく節約を徹底するなら、TOEICで使う証明写真も節約しましょう。
TOEICの公開テストを受けると、スコアが書かれている公式認定証をもらうことができるのですが、そこには自分の証明写真が使われます(IPテストは公式認定証が発行されない)。
正直、公式認定証の写真の映りをそこまで重視する必要はないと思います。そもそも公式認定証を他の人に見せる機会なんで滅多にないし、公式認定証の写真の良し悪しで就職や転職に影響が出るとも思えません。
というわけで、証明写真はスマホで撮りましょう。【ピクチャン】というサービスを使えば、証明写真が1シート200円。しかも、コンビニのマルチコピー機で24時間いつでも印刷できます。
TOEICを最安で受験するためのリスト
- ・TOEICは公開テストよりもIPテストを受ける
- ・参考書や公式問題集はメルカリなどで調達する
- ・大学や会社の受験料補助を活用する
- ・支払いは高還元のクレジットカード or 楽天ペイで
- ・証明写真はスマホで撮る