僕は洋書のペーパーバックが読めるようになりたいと思って英語の勉強をはじめました。そして、現在はゆっくりしたペースではありますが、洋書を読めるようになりました。
同じように「英語で読書したい」とか「英語のニュース記事を読みたい」という目標を抱いて英語学習を始める人も多いと思います。
しかし、実際のところ英語を読めるようになるための道のりは決して平坦ではありません。
ということで、僕が「英語を読めるようになるまでにやったこと&失敗したこと」を、経験を踏まえて紹介していきたいと思います。
いきなり難しい本・教材を読まないこと
ネイティブが読むニュース記事や洋書というのは、手加減なしの”ガチ英語”です。そのため、非常にハードルが高いことをまず理解しておく必要があります。
しかし、洋書の場合だとカバーがおしゃれだったりするせいで「自分でも読めそう」と思ってしまい、思わず買ってしまうことがあります。単純に「ペーパーバックを部屋に置いておきたい」という所有欲を満たすために買うこともあるでしょう。
他にも “TIME” や “The New York Times” などの雑誌・英字新聞も憧れだけで手にとってしまいがちです。
いずれにせよ、勢いだけで難解な本を買ってしまうと、ほぼ確実に挫折します。読んでみて初めて理想と現実にギャップに気づくわけです。
英語のニュースも同様で、サムネイル画像やタイトルがキャッチーだったりすると「これなら読めるかも!」と思いやすいんですね。
英語リーディングすべてに共通していることですが、英語を読めるようになりたいのであれば、その英文(本や記事)などの教材が自分のレベルに合っているか十分に吟味しましょう。
勢いだけで買ってしまうと「自分はやっぱり英語なんて読めないんだ…」と挫折する原因になります。
自分の英語レベルに合った適切な英文を選べば、きちんと英語は読めるようになりますから、入り口でいきなり転ばないようにしましょう。
英語と内容の理解、どちらも必要
英語が読めるようになるためには、以下のポイントをおさえる必要があります。
- ・英単語
- ・英文法、構文
- ・内容に関する知識
英単語は言うまでもなく最低条件です。文法がわからなくても、英単語さえ理解できればおおまかな内容を読み取ることはできます。
しかし、それでは内容を十分に読み取ることはできません。英文法や構文の知識があって、初めて深く読めるようになります。
さらに、英文の内容に関する知識も必要になります。そもそも日本語でも理解できない内容であれば、英語で読んでも理解できません。
英語が読めないのは【英語の知識がないから】なのか【内容の知識がないから】なのか、判別することが大切です。
これをやらないと、なにを克服すればいいかわかりませんから、英語が読めるようになるまでに非常に時間がかかります。
たとえば、歴史の本を洋書で読みたいとします。そもそもの歴史用語を日本語でも理解してない状態では、英語で読めるはずがありません。歴史について洋書で読みたいのであれば、まずは和書で知識を身につけたほうが話が早いと思います。
小説も同じで、日本語の小説に慣れてない人が、いきなり海外文学を英語で理解するのはむずかしいでしょう。日頃から、文学をとおして想像力や感受性を磨いておく必要があります。
理想は反復。無理なら同ジャンルを複数読む
英語はすぐに読めるようにはなりません。リスニングが話者の発音によって難易度が変わるように、ライティングも英語を書く人の文体によって難易度が変わります。
日本語でも平易な言葉を使うライターもいれば、やたらと難しい言葉を使いたがるライターがいますよね。コレと同じです。
また、文脈や内容によって単語の意味が変わるというのも英語のむずかしいところです。
chamber という単語を例にあげましょう。政治経済の話で使われる場合は「chamber = 議会、会議所」という意味になります。一方、生物の話で使われる場合は「chamber = 房、室」(chamber of the heart = 心室)という意味になります。
このように、英単語の意味を一対一で覚えても通用しないことが多々あるということです。
こうした感覚を掴むためには、とにかく同じ文を反復して何度も読む必要があります。頭で理解するのはもちろんなのですが、どちらかというと条件反射的に英語が読めるようになるのが理想です。
とはいえ、同じ本やニュース記事を何度も読むのは苦痛ですよね。僕も音読やシャドーイングのときに1つの文章を10回以上読みますが、ラクな勉強法とは言えません(そのぶん効果は抜群ですが)。
「同じ英文を何度も読むのはイヤ」という人は、同じジャンルの本や記事を複数読むのが良いと思います。
たとえば英語のニュース記事を読む場合「政治経済を読んで、次にエンタメを読んで、次にスポーツを読んで…」という”ジャンルまたぎ”はおすすめしません。
それよりも、自分の好きなジャンルを1つに絞って、そのジャンルの記事を複数読んだほうが良いです。
そうすれば、1つの英文を繰り返し読まなくても、そのジャンルで使われる英単語や熟語に何度も出会うことができます。使われる単語が似通っていたとしても、英文の内容がちがうので楽しく読めるはずです。
自分の好きな内容にこだわること
これはリーディングに限らず、英語学習全般にいえることですが「自分の好きなジャンルや内容」にこだわって教材を選ぶようにしましょう。
英語学習をはじめたばかりの人は、教材の知識がないのでどうしても売れ筋や定番書を選びがちです。しかし、正直そういう教材やアプリは楽しくないので、長続きしません。
僕も最初のうちは、ありきたりな作り話(Ted と Mika の会話みたいなやつ)で構成された参考書を読んでいましたが、すぐに飽きてしまいました…。
そうやって失敗を繰り返すなかで「自分の興味がある内容で勉強すれば、英語の勉強も楽しめる」と少しずつ気づいてきたのです。
英語のリーディングに関していえば、まずは自分がどのジャンルの英文を読めるようになりたいか(読む必要があるか)を考えてみましょう。
仕事でビジネス系の英文を読むことがあるならビジネス書や経済ニュース記事を意識してリーディングすべきです。
一方、小説などの文学を読めるようになりたいのであれば、GR(Graded Readers)を使って初心者向けの洋書からはじめてみるのがいいでしょう。
目的に合わせて教材を選ぶことが、英語を読めるようになるための最短ルートということです。
黙読よりも音読がおすすめ
「英語が読めるようになりたい」というのは、「黙読できるようになりたい」という状態だと思います。
しかし、学習効率を考えるのであれば、できるだけ音読をするのがおすすめ。
なぜかというと、音読をすることで「話す」「聴く」「読む」を同時におこなうことができるからです。
「英語の音読はコスパ最強の勉強法だ」と言われることがありますが、僕もそれには大賛成です。
もし音読をするのであれば、音声が付いているものが理想。CDでも音声データでもいいので、スマホで再生しながら音読&シャドーイングをしましょう。
音読におすすめの教材&アプリについては以下の記事でもくわしく紹介しています。
英語を読むための勉強法【まとめ】
- ▪ いきなり難しい本・教材は読まないこと
- ▪ 英語と内容の理解、どちらも必要
- ▪ 理想は反復。無理なら同ジャンルを複数読む
- ▪ 自分の好きな内容にこだわること
- ▪ 黙読よりも音読がおすすめ