英語のリスニングを伸ばすには「この1冊をやれば、絶対に上達する!」という、信頼できる参考書を選ぶことが不可欠です。
どの本が信頼できるかどうかは、結局のところ「人による」ので、目的や好みにあわせて選ぶしかありません。
今回は、僕が実際に読んできたリスニング参考書の中から「これは満を持しておすすめしたい!」という本を社会人の皆様に紹介したいと思います。
初心者がいきなりリスニングはNG?
まず最初に伝えておきたいのは、英語初心者の人がいきなりリスニングから始めるのはオススメしないということです。
ここでいう英語初心者というのは、中学レベルの英文法や英単語などを身に付けていない人です。英文法や単語が曖昧な状態でリスニングをやってしまうと、そもそも理解できないですし、理解できたとしても不正確な内容で覚えてしまうので、あとで苦労します。
「中学レベルの文法や単語…。自信ないかも」という人は、リスニングの勉強に入る前に、まずは基礎の勉強を済ませておきましょう。面倒に思われるかもしれませんが、これを先にやっておくと今後の英語学習が楽になります。
では、実際にどんな教材を使ってどのように勉強すれば良いのでしょうか?
中学3年分の英文法を、薄い本でさらっとやる
まず、英文法については、中学レベルの内容をまとめた本を1冊やりましょう。この時、分厚い英文法の本をやる必要はありません。薄くても、要点を押さえてあればそれで充分です。
たとえば、以下の本を1冊やっておけば、中学レベルの文法としては事足ります。
英単語は初歩の1冊から
英単語についても英文法と同じで、中学レベルの本を1冊選びましょう。「ちょっと簡単すぎるかも?」 と感じたとしても、実際にリスニングで聴くと理解できない場合も多いです。
そのため、難しい英単語帳をやる必要はなく、簡単な単語を何度も反復して体に覚えさせるイメージで取り組むと良いでしょう。
初心者向けの英単語帳はたくさんあるので選択肢も豊富ですが、 レイアウトがわかりやすく、例文がしっかり載っているものがおすすめです。
たとえば『ターゲット中学英単語1800』などが良いでしょう。
【この本がなかったら…】『DUO』で語彙力強化
僕が社会人になって最初に買った参考書が『DUO』という英単語帳です。正直、この本がなかったら僕はいま英語を勉強してないと思います。それくらい気に入っているし、お世話になった本です。
リスニング対策なのに英単語帳?と思われるかもしれませんが、結局のところ英単語を聞き取れなければリスニングは聞き取れません。そのため、まずは『DUO』で語彙力の強化を図りつつ、リスニング聞き取りのための基礎を身につけるのがおすすめです。
『DUO』が他の英単語帳とちがうのは、英文のなかに複数の英単語が組み込まれていることです。
ふつうの英単語帳は【見出し語+語義】の1対1が基本ですが、『DUO』は文のなかで英単語を覚えるというスタイルです。そのため、英単語のみならず、音声を聞きながらリスニングの対策にもなります。
どんな英文が載っているのか、一例を紹介したいと思います。
- 【見出し語】
- receive 〜を受ける
- architecture 建築
- prestigious 権威のある
- award 賞
- 【例文】
- In 1995, Ando received architecture‘s most prestigious award
- 1995年、安藤(忠雄)氏は建築における最も権威ある賞を受賞した。
こんな具合に、1つの例文に4つの見出し語が入っています。
英文を通して学ぶことで、どんな文脈で使われる英単語なのかがわかりますし、コロケーション(よく使われる単語の組み合わせ)が身につきます。なにより、英文を通したほうが単語が記憶に残ります。
肝心の内容についてですが、日常会話からビジネスで使える表現まで幅広く収録されているので社会人に超おすすめ。「社会人はビジネス英語だけやればいいのでは?」と思われるかもしれませんが、ビジネスではアイスブレイク(場の雰囲気を和ませること)や雑談が不可欠なので、日常会話も絶対に習得すべきです。
そもそも、ビジネス英語とはいっても基礎的な表現は日常英会話と共通する部分が多いので、最初のうちはビジネス英語と日常英会話を厳密に区別しなくてもいいと思っています。
さらに、ネイティブ監修で「本当によく使う英単語だけ」に絞られているので、この1冊を覚えればやりきれば英語力がつく!という安心感があります。実際、この本をやるとリスニングはかなり聞き取れるようになります。
実際、僕は『DUO』を5周くらいやりましたが、やり終えたあとは格段に英語の聞き取りができるようになりました。本当におすすめです。TOEICスコアも上がりました。
くわしいレビューは以下の記事をどうぞ。
なお、DUOは英検準1級、TOEIC600〜780点にも対応しているレベルの英単語が出てきます。そのため、英語初心者の人が選ぶ本としてはおすすめできませんので注意してください。
初心者向けの英単語帳やおすすめの英語勉強については以下の記事でくわしく解説してます。
即効性を求めるなら『ペラペラビジネス100』
社会人は学生とちがって時間がありませんから、なるべく即効性のある参考書を選びたいところ。そこでおすすめしたいのが『英会話ペラペラビジネス100』という本です。
ビジネスの現場で非常によく使われる100の定番フレーズを厳選。「とりあえず、コレさえ押さえておけば、だいたい英会話できます」といういいとこ取りの本に仕上がっています。
実際にどんなシチュエーションで使われるのかイメージしやすいよう、イラストが大きく描かれているのが特徴で、会話のラリーも再現されています。
英会話フレーズって、どんな場面で使われるのか意識しながらやらないと、覚えたところで使えないという事態になりがちです。そういった意味で、シチュエーションが想定しやすいのは助かります。
また、付属の赤シートを使うことで、英文を隠した状態にできるので【日本語→英語】の瞬間英作文にも使うことができます。
ちなみに、著者のスティーブン・ソレイシィ氏はNHKの英語講座やスタディサプリENGLISHの新日常英会話コースも担当している折り紙付きの講師です。
僕はこの本を3周ほど繰り返し、そのあとは散歩中や入浴中などに音声を流しっぱなしにして反復トレーニングしました。実際に声に出して読むことで、英語フレーズが定着しますし、リスニングにも強くなります。
本をやり終えたあとは、オンライン英会話で効果を即実感。「あ、これアノ本でやったフレーズだ」というのが面白いくらい頻出します(笑)自信をもって英語のリスニング&スピーキングができるようになりましたし、すごく英会話が楽しくなりました。
本で勉強したあとに、オンライン英会話をやることで覚えた知識が定着し「使える英語」に変化していきます。ビジネス英会話なら、ビズメイツがおすすめです。
英語スラッシュ・リスニング トレーニング
「英単語や英会話フレーズもいいけど、ある程度まとまった長文を聞きれるようになりたい」という人も多いと思います。
社会人だと会議や商談で長い文章を見聞きすることがありますし、海外のニュースを聞き取れるようになれば情報収集で他の人と差をつけることもできます。英語で発信される情報は、日本語よりも圧倒的に多いので。
そんな人におすすめなのが『英語スラッシュ・リスニング トレーニング』です。この本は「長文を聞いて、読んで英語力を上げる」というやり方が採用されています。通訳養成トレーニングでも使われている方法なので、効果は実証済みです。
①リスニング → ②スラッシュ・リスニング → ③リスニング/シャドーイングという3ステップ方式で学習が組まれており、カリキュラムどおりに進めることで英語のリスニング&リーディングが鍛えられます。
しかも本書はVOA(ボイス・オブ・アメリカ)ニュースというアメリカの国営放送の記事や報道を使用しているため、なおかつネイティブのリアルな英文&音声で学習することができます(音声DL)。
題材もビジネスパーソンとして知っておきたい教養が盛りだくさんです。一例は以下のとおり。
- ・Racial Segregation in US Public Schools Struck Down 60 Years Ago
- (公立学校での人種分離、60年前に違憲判決)
- ・Students Test Ozone in the Atmosphere
- (学生が大気中のオゾンを調査)
- ・Companies Make Gas from Garbage
- (ゴミから燃料を作る企業)
この本を使って、僕はとにかく音読とシャドーイングをしました。英語のリスニング力を上げるには、とにかく読みまくる&聞きまくることが大切です。
幸いなことに、本書は書かれている英文が興味深いものばかりなので飽きずに継続できます。
表紙やページのレイアウトがちょっと昔っぽい(強いていえば洗練されてない)というのが唯一の弱点かなと思いますが、やる価値はめちゃくちゃ高い本です。
コレ1冊で英語は完璧『ALL IN ONE』
英語力を高めるにはリスニングだけでなく、スピーキング・リーディング・ライティングという4技能をバランス良く鍛える必要があります。
リスニングだけ鍛えても、相手に自分の言いたいことが伝えられなければ「仕事で使える英語」とは言えませんし、英語の資料を読めないと厳しい場面も(職種によっては)あるでしょう。
とはいえ、「リスニングはこの参考書でやって、スピーキングはこの本でやって…」と教材を分けるのは大変です。いろんな本に手を出すと、結局あれこれ浮気してしまって”参考書ジプシー”になってしまいます。
結局のところ、参考書は1冊に絞って、それを何度も反復したほうが効果があります(いろんな本をおすすめしといてアレですが)。
そこでおすすめしたいのが、『ALL IN ONE』という参考書です。文字通り、この本1冊で「英単語」「英文法」「リーディング」「リスニング」といった複数の英語を伸ばすことができます。
1例文1ページという構成になっているので、学習計画も立てやすく、継続しやすい参考書になっています。
「英語の参考書ってどれを買えばいいかわからない」という人は、ひとまずこの1冊をやっておけば、リスニングを中心とした英語力を確実に伸ばすことができます。
ただし、難易度がそれなりに高いため、英語初心者にはおすすめできません。僕はだいたいTOEIC600点ぐらいのときに着手しましたが、それでも難しく感じました。
くわしいレビューは以下の記事をどうぞ。
英検の参考書が超使える「英検1級リスニング問題集」
ビジネス英語を学ぶ社会人にとっての資格はTOEICが至高。と思われがちですが、じつはビジネスパーソンにも英検はめちゃくちゃおすすめです。
というのも、TOEIC L&R はリスニングとリーディングのみしか技量を測定できませんが、英検なら英作文や面接(2次試験)もあるので、4技能をバランス良く伸ばせるからです。
英検=学生のもの、みたいなイメージが強いですが、まったくそんなことありません。特に英検準1級くらいからは、ビジネスを意識した英単語や英文がふつうに出てくるので、とても役に立ちます。
現在、僕は英検1級を目指して勉強しているのですが、リスニング問題集を愛用しています。特にジャパンタイムズが刊行している『最短合格!リスニング問題完全制覇』という本はレイアウトも使いやすく、解説も丁寧で非常におすすめ。
リスニングは音読やシャドーイングも効果的ですが、問題集を解くことで「自分の苦手な英文」がハッキリするので、弱点克服にはうってつけです。
英検を取ることで転職や昇進にも役立ちますし、資格を目指すことで英語学習のモチベーションにもなるので最適だと思います。
ニュース英語でリスニング能力UP
「英語のリスニングやりたいけど、無味乾燥な内容で作られた教材ってつまらなくて飽きる」という人も多いと思います(僕もその1人です)。
そんな人におすすめしたいのが、ニュース記事や教養が学べる教材でリスニング対策をすることです。
特におすすめなのが、人気が高くロングセラーとなっている『速聴速読英単語 Core 1900』という本。「環境」「教育」「政治・国際情勢」「司法」「科学・テクノロジー」など8つの分野から、最新の時事問題などが掲載されています。
この1冊をやりきれば、英語ニュースの聞き取りはもちろん、英字新聞や英語のネット記事なども読めるようになりますから世界が一気に広がります。さらに、TOEIC対策にもなるのでスコアが欲しい人にも最適な1冊になるはずです。
それ以外にも、英検対策用に売られている『文で覚える単熟語』(通称・文単)や「CNN ENGLISH EXPRESS」という英語学習雑誌も、時事問題やニュースで英語を学ぶことができる教材です。
外出先やスキマ時間の勉強はアプリが断然おすすめ
自宅では参考書や問題集でじっくりリスニングをすればいいわけですが、電車やカフェなどの外出で参考書を持ち歩くのはちょっと面倒ですよね。重いし、荷物になるし。
なので、僕は外出先での勉強やスキマ時間の勉強にはアプリを使っています。これまで散々いろんなアプリを試してきましたが、断然おすすめなのがスタディサプリENGLISHです。
スタディサプリENGLISHはカリキュラムがしっかり組まれているので、勉強法に迷うことなく着々と英語力を伸ばすことができます。
以下のように、会話理解クイズから始まり、ディクテーションや瞬間発話プラクティスなど、実践的なトレーニングを積むことができます。
リスニングだけでなく、リーディング・スピーキング・ライティングにも効果があるので、英語力を総合的にUPさせることが可能。
初心者から上級者まで幅広い学習者に対応しているので、誰にでもおすすめできます。
僕は新日常英会話コースとTOEIC対策コースをそれぞれ1ヶ月間みっちりやりました。その結果、英会話でも自信が持てるようになったし、TOEICスコアもUPしました。
どちらも有料なのですが、その価値は十分あると思っています。幸いなことに、無料でお試しができるので、まずは使ってみて良し悪しを判断できるのも嬉しいところ。僕は使ってみてよかったので、課金しました。
ちなみに、スタディサプリENGLISHは3つのコースに分かれているので、目的にあわせて選ぶことができます。社会人なら、ビジネス英語かTOEIC対策がおすすめです。
コース名 | 新日常英会話 | ビジネス英語 | TOEIC対策 |
目的 | 旅行英会話 おもてなし英会話 | 仕事で使う英語全般 | TOEIC L&R スコアアップ |
1週間無料お試し | ◯ | ◯ | ◯ |
入会金 | 0円 | 0円 | 0円 |
ベーシックプラン | 月額:2,178円 6ヶ月パック:実質月額 1,958円 12ヶ月パック:実質月額 1,738円 | 月額:3,278円 6ヶ月パック:実質月額 3,058円 12ヶ月パック:実質月額 2,728円 | 月額:3,278円 6ヶ月パック:実質月額 3,058円 12ヶ月パック:実質月額 2,728円 |
英会話セットプラン (ネイティブキャンプ) | 月額:6,028円 6ヶ月パック:月あたり5,478円 | 月額:7,128円 6ヶ月パック:月あたり6,578円 | ー |
パーソナル コーチプラン | ー | ー | 3ヶ月プログラム:74,800円 6ヶ月プログラム:107,800円 |
講師の解説動画 | ◯ スティーブン・ソレイシィ先生 | ◯ Matt先生 | ◯ 関正生先生 |
公式サイト | ▶【無料】スタサプのビジネス英語を試してみる |
リスニング力を最短で上げる勉強法
どんなに教材が良くても、勉強法が間違っていると思うようにリスニング力が伸びません。
どうすれば最短でリスニング力をあげられるのでしょうか?これまで試行錯誤してきましたが、 以下のようなやり方で進めるのがおすすめです。
- リスニング勉強法
- ① まずは何も見ないで音声全体を聞く
- ② もう一度音声を聞いて、聞き取れなかったところで一時停止
- ③ 取れなかった部分をテキストと照らし合わせる
- ④ 黙読しながら、全体の意味を確認(文法も単語も調べる)
- ⑤ 音読・シャドーイングを繰り返す
リスニングの勉強法はいろいろありますが、僕はまず何も見ないで、音声全体を聞くことから始めます。これをやると、どこが聞き取れないのかがはっきりするので、その弱点を克服することに集中できます。
リスニング力アップの最短ルートは、自分ができないことをなくしていくことなので、まずは聞き取れないところを明確にしましょう。
そのうえで文章全体をゆっくり読みながら、なおかつ、日本語訳を参考にしつつ、全体の意味を理解します。その時、文法や単語もしっかり調べて、完全に内容を把握するようにしてください。
音読やシャドーイングは、内容を理解してない状態でやっても意味がないので注意しましょう。
正直言うと、音読やシャドーイングはかなり負荷が高いトレーニングなのでなかなかしんどいです。 ただ、聞くだけ・ 読むだけよりも圧倒的にリスニング力が伸びるので、絶対にやったほうがいいと思います。
ビジネス英会話のリスニングは?
英会話の上達にはスピーキングだけでなく、リスニングが必要なのは言うまでもありません。とはいえ、教材でリスニングをやるだけでは英会話のリスニングは不十分です。
なぜなら、英会話というのはいわば「ぶっつけ本番」なので、 その時の会話の流れで内容が全然違ってくるから。
ですから、英会話のリスニング力を上げるには、とにかく英会話の量を増やすしかありません。
幸いなことに、今はオンライン英会話で気軽にレッスンを受けられる時代になりました。 安いコストで、大量のレッスンを受けることもできるので積極的に活用していきましょう。
個人的にオススメのオンライン英会話はQQ Englishとレアジョブです。
QQ English | レアジョブ | |
---|---|---|
1レッスン | 25分 | 25分〜 |
月額料金 | 【月8回プラン】 4,053円 【月16回プラン】 7,348円 【月30回プラン】 10,648円 | 【日常英会話コース】 月8回 4,620円 毎日25分 6,380円 【ビジネス英会話コース】 毎日25分 10,780円 【中学・高校生コース】※年齢制限なし 毎日25分 10,780円 【あんしんパッケージ】※オプション 月額料金 + 1,078円 ・日本人カウンセラーへの相談 ・レッスンの自動予約が可能 |
教材数 | 23 | 29 |
カランメソッド | ● | ー |
英語資格対策 | TOEIC 英検 IELTS | 英検(中学・高校生コースのみ) |
講師の国籍 | フィリピン | フィリピン |
日本人講師 | カウンセリングのみ | ● |
講師の勤務体制 | オフィス | 在宅 / オフィス |
講師の評価 | ★5段階評価 | ★5段階評価 |
レッスン予約 | ● | ● |
直前予約 | 15分前まで | 5分前まで |
レッスン 可能時間 | 24時間 | 6:00~25:00 |
無料体験 | 2回分 | 2回分 |
公式サイト | QQ English | レアジョブ英会話 |