「英単語の勉強 = 退屈」というイメージがついてしまったのは、教材のせいだと僕は思っています。
以前までは英単語と日本語訳が1対1対の英単語集を使っていました。
でもそれって完全な暗記だし、やっていて楽しくないんですよね。
「英単語学習をもっと楽しく、効果的にできる本はないものか?」
いろいろ試してみた結果、『速読英単語』が非常に効果的でした。
個人的には、いままで使ってきた英単語帳のなかでも最強・最高レベルに良い本だと思っています。
というわけで、くわしくレビューしていきますね。
英語の長文を読みながら英単語を覚えるスタイル
まず速読英単語がどのような本なのか見ていきましょう。
ひとことでいえば「文章を読みながら英単語を覚える」という作りになっています。
上記の紙面をみてもらえば、だいたいの感じはおわかりいただけるかと思います。
ページの左側に英文、右側に対訳(日本語訳)が書かれています。
覚えるべき英単語は赤字で書かれていて、日本語訳も赤字で書かれています。
そして、ページの上には一問一答があり、文章を読んだうえで回答するスタイルになっています。これが最初にあることで目的意識を持って文章を読めるという効果があります。
見開き1ページの次ページには、文章のなかに登場した英単語のくわしい解説が書かれています。
- ・見出し語
- ・発音記号
- ・品詞と意味
- ・対義語
- ・類義語
という感じで、文章のなかで英単語をサラッと覚えつつ、次のページで各単語について詳細に理解をするという流れで速読英単語は構成されています。
速読英単語は構成も良いし、使いやすいからおすすめ
さて、速読英単語のメリットについてくわしく見ていきましょう。
僕が思う速読英単語の良いところは以下のとおりです。
- ▷ 単語の下に番号が書かれている
- ▷ 1つの文章の長さがちょうどいい(長すぎない)
- ▷ 後半になるにつれて難易度が上がってくる
- ▷ 日付欄、目標タイムが設定されている
- ▷ 対義語や類義語も一緒に覚えられる
単語の下に番号が書かれている
各単語の下には番号が振ってあるので、英語と日本語の対応関係をスグに読み取ることができます。この番号は地味に便利です。
たとえば左ページの英文を読んでいて意味が取れない単語があったとしましょう。
その場合、右ページの日本語から対応する訳を見つけるわけですが、知りたい訳がすぐに見つからないときがあります。英語を日本語に訳すと、単語の順番が変わってしまうからです。
そんなときでも、単語の下に書かれた番号を参考にするとすぐに日本語訳が見つかるので、学習がはかどります。
ちょっとイメージが湧きにくいかもしれませんが、実際に「英文を読んで、和文を見る」という流れをやってみると、単語下の番号が便利だとすぐに感じてもらえると思います。
1つの文章の長さがちょうどいい(長すぎない)
速読英単語は基本的に英語の長文が掲載されているのですが、あくまでも見開き1ページに収まる長さの文章です。つまり、長すぎないのがこの本のメリットでもあります。
見開き1ページごとに単元が分かれているから、ダラダラと長くやる必要もないし「1日ごとに1ページすすめる」みたいな感じで、学習計画も立てやすい。
適度な長さ(短さ)なので、英単語学習を継続するためのモチベーションを維持しやすいです。
後半になるにつれて難易度が上がってくる
速読英単語は全部で70題の文章が掲載されています。
本の最初のうちはセンター試験の英文が掲載されていて、文章も短めで難易度もやさしめです。
ただ、後半に進むにつれて私大の過去問なども掲載されるようになり、難易度が少しずつ上がります。
たとえば後半のほうには福島県立医科大学や兵庫医科大学の過去問があるんですが、内容がけっこう専門的で読みごたえがあります。
人によってはむずかしく感じるかもしれませんが、僕はこの難易度アップが心地いいというか「よし、やってやるぜ」みたいな気持ちにさせられたので良かったです。
日付欄、目標タイムが設定されている
英単語学習はなるべく継続して毎日やるのが効果的です。そのためにはモチベーションの維持が大切。
そのモチベーション維持に一役買っているのが、「日付欄」と「目標タイム」です。
「いつやって、どれくらいのスピードで読めたか?」を記録しておくことで、前回に比べてどれくらい上達したのかがハッキリわかります。これがやる気につながる、というわけです。
対義語や類義語も一緒に覚えられる
速読英単語の見出し語ページには、見出し語の他に類義語や対義語もあわせて載っています。
これによって、1つの英単語を覚えることから派生して、いろいろな英単語に触れることができるというわけです。
僕自身は、見出し語を覚えることに集中していた(見出し語に絞っていた)のであまり活用しませんでしたが、使い方は非常に多様だと思います。
テーマが面白い!大人でも教養になる英単語帳
速読英単語は一応、受験生向けの英単語帳というジャンルに分類されています。
そのため、本屋でも基本的には受験生向けの参考書コーナーに陳列されています。
たしかに、本のなかで紹介されている英文はどれも大学の受験問題が掲載されています。
しかし、受験問題だからといって侮るなかれ。書かれている文章のテーマは大人でも十分に楽しめる内容ですし、英単語学習をしながら教養も身につけることができちゃいます。
以下は、速読英単語に掲載されているテーマの一例です。
- ・サッカーの起源
- ・ハエの超能力
- ・ディズニーの大きな決断
- ・群集心理
- ・企業のニーズ調査能力
- ・ビタミンAの重要性とサツマイモ
こんな感じで、とても受験英語とは思えない内容です。大人でも十分に興味が持てる題材ばかりなんですよね。
僕はいろんな英語教材を使ってきましたが、1番合わなかったのが「無味乾燥なつまらないテーマ」で構成された本です。
どうでもいいような作り話で文章が書かれていたりすると、読んでて飽きてきちゃうんですよね。モチベーションも続かないし。
その点、速読英単語はテーマが多様なので、読んでて飽きるという感覚を持ったことはありません。
英単語を学べるのは当然なんだけど、同時に雑学的な知識も得ることができるので、読むモチベーションにもつながります。
学習目的に合わせて速読英単語の使い方を変える
速読英単語は基本的に「英単語を覚えるために本」という使い方になると思いますが、僕の場合は英語多読をするための教材として使ってました。
僕の速読英単語の使い方はこんな感じです。
- ① 英文に目を通す
- ② 意味が取れなければ、すぐに日本語を確認
- ③ 見出し語の意味を全部おぼえる
- ④ 英文を通読する
- ⑤ 最後に英文を音読する
という感じで、英文全体を読み通すのは全部で3回です。
1回目で全体の意味を理解して、2回目で見出し語を意識しながら読んで、3回目は仕上げの音読。
人によってはこの回数が少ないと感じるかもしれませんが、僕は1テーマあたりに時間をかけるよりは、1冊の本を2〜3周するやり方が好きなので、こういうやり方に落ち着きました。
なかには1つのテーマについて10回20回と音読する人もいて、それはそれで良いやり方だと思います。
見出し語の暗記を重視したい人は英文にサラッと目を通したあと、見出し語コーナーで付属の赤シートを使ってすべての英単語を即答できるまで繰り返すといいでしょう。
ただ、それだけだとただの英単語長と同じになってしまいます。
速読英単語のメリットを活かすためにも、最終的には「英文のなかで英単語の意味が理解できるか?」というチェックをするのがおすすめです。
速読英単語は音読にも効果的!ただし、CDは別売り
【※追記:新版の速読英単語は音声が無料でダウンロードできます】
速読英単語は、英語の音読学習にもぴったりです。
そして、CDを手に入れることで、シャドーイング、リピーティング、ディクテーションなどあらゆる英語学習方法を取り入れることが可能です。
速読英単語のデメリットとして、CDが別売りで値段が高いということ。必修編のCDは約3,000円もします。口コミでも、CDの値段の高さを悔やむ人が多いです。
この値段をどう取るかは人それぞれですが、僕はあくまでも英語多読が目的で速読英単語を買ったのでCDは買いませんでした。
ただ、リスニングやスピーキング能力を上げたいという人や、シャドーイングなどを含めた音読学習がしたい人はCDがあったほうが絶対に効果が上がると思います。
復習は必ずおこなうこと。人は英単語を忘れます
ちなみに、速読英単語は必ず復習を取り入れてください。
やり方としては、前日にやった範囲を3回ずつ音読。これだけでOKです。
たとえば昨日1〜5までの単元を進めたとしましょう。今日は5〜10まで進めます。
その場合、5〜10までの単元を始めるまえに、昨日やった1〜5の各単元をそれぞれ3回ずつ音読するということです。
これをやることで、どれだけ英単語が定着したかが自分でわかります。音読をしてみてイマイチ意味が取れない英単語は、もう一度見出し語を見て覚え直しましょう。
ただ、あまり復習に時間をかけすぎるとモチベーションが低下することがありますから、そこで挫折するくらいなら復習は早めに切り上げて次の新しい単元に進むことをおすすめします。
ちなみに、速読英単語は新書サイズです。具体的には18.2 x 11.7 x 1.8 cmという大きさ。
合計で459ページもあるので決して薄くはありませんが、サイズはコンパクトなので電車などの移動中やスキマ時間でも学習ができます。日常生活に英単語学習を溶け込ませることが可能です。
この充実した英単語帳が1000円ちょっとで買えてしまう現実
ちなみに、一般的な語学書にくらべて、参考書はお金がない学生向けに安く販売されています。なので、下手に語学書を買うよりも安い費用で英語学習ができます。
とりあえず僕が満を持して言えるのは、社会人こそ速読英単語を使うべきだということです。この充実した内容で1000円(税抜)ですからね。
速読英単語に似た本で「英検準1級 文で覚える単熟語」(通称、文単)というものがあるんですが、文単は2000円しますからね。
ちなみに、速読英単語必修編の他に「入門」「上級」「英熟語」があり、合計で4冊のラインナップです。必修編が1番スタンダードなので、迷ったらとりあえずこれを買っておけばOK。
あらためて繰り返しますが、速読英単語はマジでおすすめです。